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「変化しない万物の根源」というブラフマンの矛盾をどう解決するか?「中村元選集(決定版)第27巻ヴェーダンタ思想の展開」
「変化しない万物の根源」というブラフマンの矛盾をどう解決するか?「中村元選集(決定版)第27巻ヴェーダンタ思想の展開」
岡本直人「はじめての非二元・ノンデュアリティ」には、以下の記述がある。
一方で、『ウパデーシャ・サーハスリー』では「純粋意識」や「鑑賞者」としてのブラフマンが、『ブラフマ・スートラの注釈』では「変化しない万物の根源」としてのブラフマンがそれぞれ強調して語られているという印象を受けます。
でも、ブラフマンが「変化しない万物の根源」というのは矛盾じゃないの?
キミが言いたいのは、次のような点だろう。
ブラフマンは変化しないから、変化する現象世界とは関わりを持たない。
しかし、ブラフマンが同時に万物の根源ということは、現象世界の根源のはず。
だから、「変化しない万物の根源」というときのブラフマンは矛盾ではないか?ということだよね。
岡本直人「はじめての非二元・ノンデュアリティ」を熟読したとき、まずひっかかったのが、この矛盾なんだよね。
中村元さんが答えをくれた!
中村元さんは、東大名誉教授で、この分野では、最も権威があると言って良いであろう偉大な学者だ。
キミは「中村元選集(決定版)第27巻ヴェーダンタ思想の展開」を読んで勉強したんだよね?
実は、まだ、読破したわけじゃないんだけどね(笑)
ブラフマンには二種ある。
こういうわけで、ブラフマンには二種ある。無属性の最高ブラフマン(ブラフマンそのもの)と、無明と結合した種々のかたちを現じている有属性の低きブラフマンとである。
この本には記述はないが、前者の無属性の最高ブラフマンを「ニルグナ・ブラフマン」、後者の有属性の低きブラフマンを「サグナ・ブラフマン」と呼ぶらしい。
要するに、ブラフマンには二種あると。
「変化しないブラフマン」は「ニルグナ・ブラフマン」である。
「万物の根源たるブラフマン」は「サグナ・ブラフマン」である。
そうだね。ブラフマンには二種あると。
「変化しないブラフマン」は「ニルグナ・ブラフマン」である。
「万物の根源たるブラフマン」は「サグナ・ブラフマン」である。
このように考えれば、矛盾はなくなるね!(笑)
シャンカラさんによれば・・・。
シャンカラは、サグナ・ブラフマンを最終的には相対的な存在とし、ニルグナ・ブラフマンこそが唯一の実在であると考えます。彼にとって、サグナ・ブラフマンは一時的な理解であり、最終的にはその背後にあるニルグナ・ブラフマンへと導かれるものです。
というわけで、シャンカラさんによれば、サグナ・ブラフマンは一時的な理解であり、最終的にはその背後にあるニルグナ・ブラフマンへと導かれるものということになる。
だいぶスッキリしたね。
中村元さんの本、読んで、本当に良かった!(笑)。
⇧やはり、この分野の研究となると、中村元さんはハズせないでしょう。
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