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邪よ永遠に〜『セックスロボットと人造肉 (テクノロジーは性、食、生、死を“征服"できるか)』レビュー〜
テクノロジーの進歩が凄まじい。最近のそれはAI技術の急速な進歩によるところも大きいようだ。例えばchatGPT、例えば生成AI画像、その他自動翻訳や金融予想まで様々な分野でAIが利用されている。またAI以外でも、様々なテクノロジーが日進月歩で進化する。それは人類の歴史において常に行われてきた言わば当たり前のこだ。しかしそのテクノロジーが問題になることもある。
それはこんな分野で起こりがちだ。セッ
後藤 ひとりはロックなのか?(アニメ『ぼっち・ざ・ろっく! 』レビュー)
ある日7歳の娘に質問された。「パパはどうしてギターを弾きたいと思ったの?」と。僕は「○○ちゃんも、あの歌が歌いたいとか、あの曲が弾きたいとか思った事ない?パパもそんなふうに思ったからだよ。」と、言い終わるか終わらないかに脳内で「娘に嘘をつく気か!?」という声がした。だから「でもそれは2番目の理由で、1番目の理由は人気者になりたかったからだよ!」と言い直した。アニメ『ぼっち・ざ・ろっく! 』の主人公
もっとみる大林宣彦のイリュージョン(映画『青春デンデケデケデケ』レビュー)
私は高校生の頃、軽音楽部だった。今思えば、激しく勘違いをしていた時期で我ながら笑える。なにを勘違いしていたかと言えば、皆が経験していることだとは思うが、どう低く見積もっても、自分は格好良いという自己評価が、世間の人の評価の100倍位あった気がする。バンドをやろうなんて人間は、自己顕示欲が強く、マトモじゃないことは言わずもがなだが、思い返すと恥ずかしい思い出ばかりだ。まさに現実を直視せず、夢の中を生
もっとみる絶対にルールを守るアウトロー (小説「麻雀放浪記」レビュー)
昭和50年代には2千万人いた麻雀人口が、2018年は580万人だそうだ。ゲームでやったことがあっても、リアルで麻雀牌(パイ)を握ってやったことがあるという人は、案外少ないんじゃないだろうか。今回紹介したい小説「麻雀放浪記」は、リアルの麻雀、それも賭け麻雀の世界の話だ。タイトルだけを見ると、リアル麻雀をやったことがない人が本書を読んでみようと思う人は少ないと思う。リアル麻雀のイメージが、タバコ臭い、
もっとみる『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 スティーヴン グリーンブラット著 河野 純治 (訳) を読むための参考に
『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 スティーヴン グリーンブラット著 河野 純治 (訳) は、395ページの単行本です(今のところkindle版はありません)。こちらの本は、全米図書賞、ピュリッツァー賞といった名だたる賞を受賞した本です。なので、内容は素晴らしいのは折り紙付きなのですが、自分にはちょっと読みづらい本でした。
何が読みづらいのかと言うと、2つあります。1つは、登場人物が外国
歯ごたえありすぎたーー書評『人工知能が「生命」になるとき』三宅洋一郎
私がこの本を読もうと思ったきっかけは、株だ。去年の11月、株取引の口座を作り、僅かだがお金も入れた。だがいまだに一度も取引していない。なぜなら、何を買って良いか分からないからだ。どれも上がりそうな気がするし、どれも下がりそうな気がして買えないのだ。
そこで私は(誰もが考えることだと思うが)、この先IT革命のような世の中に圧倒的な変化をもたらすものは何だろうかと考えた。
やっぱAIでしょ。
と