料亭浅田

加賀百万石の古都・金沢の食文化を基盤に、伝統と革新が寄り添う現代の加賀料理を作り続ける日本料理店。【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UC4E3bJcFgTh9VlLmq1-UQIg

料亭浅田

加賀百万石の古都・金沢の食文化を基盤に、伝統と革新が寄り添う現代の加賀料理を作り続ける日本料理店。【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UC4E3bJcFgTh9VlLmq1-UQIg

最近の記事

朝食の惣菜を作る 〜朝の和食・前編〜

〜おいしい和食で、一日を始めませんか。〜 梅雨のようなお天気が続き、国内外のニュースも明るい話題が少ないようにこの頃です。こんなときこそ、朝からしっかりおいしい食事をとって、元気に一日を過ごしていきましょう。  過日の「浅田の厨房のはなし。調味料編」では、日本料理の味わいを作る調味料として、砂糖と甘味のお話をご紹介させていただきました。今回は、その実践編として、これまでにご紹介してきた浅田の朝食のお惣菜を見てみましょう。  お惣菜のレシピの前に、和食の基本となる出汁の

    • 浅田の厨房のはなし。  調味料編

      日本料理の味わいを作る 〜調味料編・砂糖と甘味〜 料亭浅田編集室が、日本橋浅田の厨房を取材しました。日々、選び抜かれた旬の食材を用いた料理の数々が作られている料亭浅田の厨房、気になるのはプロが使っている調味料です。プロの料理人が、特別高価な調味料を使っているわけではないという話は、様々な料理書やWEBコンテンツでも紹介されています。浅田では、どのような調味料を使っているのか、日本橋浅田の梶本智料理長に聞いてみました。 「まずは砂糖をはじめとした甘味をつける調味料を並べて

      • 浅田の朝食 豆を甘く煮る

        その十三 金時豆  金時豆は、インゲン豆の銘柄のひとつです。甘く煮つけた金時豆は、常備菜としてご家庭でも食卓に登場することがあると思います。ここでは、金時豆を浸水せずに煮込む方法をご紹介いたします。煮詰めながら、きび砂糖を3回に分けて入れて、仕上げに醤油を合わせます。シンプルな工程なので、ぜひご家庭でお試しください。 金時豆 【材料】 金時豆     200g きび砂糖    210g(1回目60g、2回目75g、3回目75g) 濃口醤油    5cc 【作り方】 1 水

        • 浅田の朝食 榎木を合わせ酢に浸す

          その十二 榎木酢浸し  酢浸しは、合わせ酢に材料を浸した料理のことで、正月の大根と人参の膾(なます)などがよく知られています。浅田では、榎木に使う合わせ酢(合わせ地)に赤酒を用いて、風味を出しています。赤酒は、熊本県の特産品でもある灰持酒(あくもちざけ)の一種で、昔ながらの製法で作られるお酒です。熊本では、飲むだけでなく料理にも使われていたそうですが、料理が上品な甘みや旨みを持った仕上がりになることに着目し、多くの料理人が食材に応じて味醂と使い分けたりしているようです。 榎

          浅田の朝食 牛蒡と人参を炒る

          その十一 牛蒡金平  きんぴら、きんぴらごぼうとも呼ばれ、ご家庭でもよく召し上がっていらっしゃるのではないでしょうか。金平という名前は、金太郎こと坂田金時の息子で、怪力で知られた坂田金平に由来し、精がつくといわれる牛蒡を使った料理と結びつけたようです。浅田では、牛蒡と人参を使い、唐辛子を入れて炒りつけて、合わせだれで調味しながら仕上げます。朝食のおかずはもちろん、お酒にも合う一品です。 金平牛蒡 【材料】 牛蒡   1本 人参   半分 胡麻油  適量 合わせだれ(酒1、味

          浅田の朝食 牛蒡と人参を炒る

          浅田の朝食 胡麻で豆腐をつくる

          その十 胡麻豆腐 日本料理の会席などで、よく目にする胡麻豆腐。ご家庭で作るのは難しいと思われがちですが、比較的手軽に作ることができます。元来は、精進料理の一品で、あたり鉢で胡麻から油が出て液状になるまであたったものと、葛を使って作ります。浅田では、葛のかわりにタピオカ粉(原材料は南米原産の芋の根茎)を使って、白あたり胡麻の風味を生かした独特な粘りのある味わいに仕上げています。 胡麻豆腐 【材料】 昆布出汁      315cc タピオカ粉     45g 白あたり胡麻   

          浅田の朝食 胡麻で豆腐をつくる

          浅田の朝食 じゃことピーマンを合わせる

          その九 じゃこピーマン ちりめんじゃこは、かたくちいわし、まいわし、うるめいわしの稚魚を塩水で釜茹でにして、天日で乾燥させたもので、ご家庭でもよく食卓に上る食材です。浅田の朝食では、料亭らしく、ひと手間かけて惣菜に仕上げます。ピーマンと濃口醤油というシンプルな組み合わせですが、ご飯によく合う一品となります。 じゃこピーマン 【材料】 ピーマン     5個 ちりめんじゃこ  100g 濃口醤油     15cc 【作り方】 1 ちりめんじゃこを190℃くらいの油で、カリッ

          浅田の朝食 じゃことピーマンを合わせる

          浅田の朝食 鶏肉を揚げてから漬ける

          その八 鶏南蛮漬 南蛮漬は、肉や魚を油で揚げてから、唐辛子などを入れた南蛮地(酢のきいた漬汁)に漬け込んだ料理で広く召し上がられています。浅田の朝食では、鶏肉を唐揚げにして、長ねぎ、唐辛子を入れた南蛮地に漬け込んで作っています。南蛮漬は、保存食に向いていて常備菜として作り置きしておくのにもいいと思います。酸味のきいた味わいが、朝の食欲も刺激してくれます。 鶏南蛮漬 【材料】 鶏もも肉      1枚 長ねぎ       1/3本 鷹の爪       1本 出汁       

          浅田の朝食 鶏肉を揚げてから漬ける

          浅田の朝食 切り干し大根を煮る

          その七 切り干し大根切り干し大根は家庭料理でもよく登場し、浅田でも朝食を彩る惣菜として小鉢に並ぶ一品です。出汁を使って丁寧に炊き上げると、上品な味わいになります。常備菜として冷蔵庫に入っていると、献立に味わいの豊かさが増し、健康的な食生活の一助にもなる優れものです。 切り干し大根 【材料】 切り干し大根  50g 人参      50g 薄揚げ       1枚 出汁      360cc 酒       36cc 濃口醤油    36cc 味醂      36cc 上白糖

          浅田の朝食 切り干し大根を煮る

          浅田の朝食 ひじきを煮る

          その六 ひじき煮物 ひじきは、昔から日本人が食べてきた食材のひとつで、古い書物にも料理法などが記されています。1638年(寛永二十年)に書かれた料理書「寛永料理物語」に、ひじきの調理法は「にもの、あへもの」と記されていたといいます。古より今と似たような食べ方で供されていたひじきは、現在も出汁を使って、簡単に作ることができる煮物の惣菜として、食べられています。 ひじき煮物 【材料】 乾燥ひじき  50g 人参     100g 出汁     360cc 濃口醤油   90cc

          浅田の朝食 ひじきを煮る

          浅田の朝食 小松菜を出汁にひたす

          その五 小松菜おひたし 「おひたし」は野菜をおいしく、たくさん食べることができる惣菜のひとつ、日本料理の基本の一品でもあります。小松菜は江戸時代に、日本で開発された野菜だといいます。浅田では、小松菜を湯掻いて、調味した出汁にひたして作ります。食感を大事に、出汁の風味を味わう料亭ならではの惣菜に仕上げています。 小松菜おひたし 【材料】 小松菜     1束 薄揚げ     2枚 出汁      360ml 薄口醤油    30cc 味醂      10cc 追い鰹(鰹節) 

          浅田の朝食 小松菜を出汁にひたす

          浅田の朝食 蒟蒻を炒めて煮る

          その四 蒟蒻炒り煮 蒟蒻は、常備菜としてよく使われる食材です。浅田では、蒟蒻をよく叩いてから、包丁を入れて、下処理をして、さらに水気を飛ばしてしっかりと味をつけていきます。こうした何日か食べられる常備菜を持つことで、忙しい朝の時間にも充実した食事を食べることができます。朝の常備菜として、お弁当の一品にもなる蒟蒻の惣菜です。 蒟蒻炒り煮 【材料】 蒟蒻   2枚 酒    50cc 出汁   50cc 濃口醤油 25cc 上白糖  10g 味醂   15cc 鷹の爪  半分

          浅田の朝食 蒟蒻を炒めて煮る

          浅田の朝食 茄子を煮る

          その三 茄子オランダ煮 茄子オランダ煮は、石川県ではよく食べられている料理です。江戸時代に長崎の出島から伝わり、いまも「オランダ煮」という名前が残っていると言われています。油を使って揚げたり炒めたりした食材を、醤油や出汁の煮汁で煮ていく料理で、浅田では、加賀料理の定番の惣菜として、朝食にもよく登場する一品です。 茄子オランダ煮 【材料】 茄子     4本 出汁       366cc 濃口醤油     36cc 味醂       36cc 上白糖      10g 鷹の爪

          浅田の朝食 茄子を煮る

          浅田の朝食 玉子を焼く

          その二 出汁巻玉子 日本橋浅田の朝食で、人気の惣菜のひとつが出汁巻玉子です。基本の出汁(鰹出汁)の風味を生かして、丁寧に焼き上げる出汁巻玉子は、日本料理を代表する一品。お店によっては、甘い味付けをするところもありますが、浅田では砂糖を使わずに作ります。料理人は、菜箸を使って玉子地を焼いていきます。これは、慣れるまではなかなか難しく、ご家庭ではフライ返しなどを併用して巻いていくのもひとつの方法です。 出汁巻玉子 【材料】 玉子   4個 鰹出汁  90cc 薄口醤油 2.4g

          浅田の朝食 玉子を焼く

          浅田の朝食 鰹出汁を取る

          その一 基本の出汁 日本料理の基本となる鰹出汁。浅田では、昆布と鰹削り節を使って出汁を取ります。「出汁を引く」という言葉を聞くことがあると思いますが、これは「旨みを引き出す」というところから来ていると言われています。この鰹出汁を基本の出汁として、朝食のさまざまな料理に使っていきます。 鰹出汁 【材料】 真昆布   10g 鰹削り節  70g 水     1800ml 【出汁の取り方】 1 鍋に水1800mlと真昆布10gを入れて、1時間ほど置いておく。 2 1を加熱して

          浅田の朝食 鰹出汁を取る

          浅田の朝食

           日本料理、和食の基本形は、飯、汁、菜、香の物の4点からなり、家庭においては一汁三菜の献立が一般的であったと言われています。「一般的であった」というのは、現代の日本人の食生活は、洋食の影響を大きく受けて多様化し、その基本型が概ねなくなってしまったからです。米を主食として、主菜一種、副菜二種に漬物と味噌汁という、本来の日本の家庭の食事に立ち返り、料亭で培ってきた料理とおもてなしを生かした朝食で、お客様に一日を始めていただこうと考えたのが、日本橋浅田の朝食です。  現在は、炊き

          浅田の朝食