計量当日は、選手が計量をクリアするまで、 選手の苦しさなどを考えると私も結構気が気ではありません。 勿論、計量をクリアするのがプロですし、 クリアする事は、当然と言えば当然なのですが、 大変であるというのも事実です。 計量時の選手達は、頭はまわらず喉は乾き、空腹で力も入らず病人に近い状態だと思います。 計量をクリアしたら、 まず経口補水液などで水分補給を行います。 水分が身体に染み渡っていったら、 その後お粥のような消化の良いものをゆっくりと食べて、 胃をビックリさせないよ
私は、野球の打撃と格闘技の打撃は同じだと考えておりますが、 野球のピッチャーにもそういった要素があるので、 今回はピッチャーで格闘技の打撃と共通する事を考えてみたいと思います。 野球のピッチャーは、バッターを打ち取る為に、 コース・高さ・スピード・球種によって打たせてアウトを取るのか、 三振によってアウトを取っていきます。 →(私の感覚では、三振=ダウン、打たせて取る=ポイントをとるに相当します) ピッチャーの投げ方にも種類があって、 ・右投げ・左投げ ・オーバーハンド(
幕末の偉人坂本竜馬。 その竜馬が江戸での剣術修行で、 北辰一刀流千葉門の免許皆伝を得て、 江戸から故郷の土佐へ帰った際に、 兄貴分である武市半兵太に、 自分は学が足りず人と議論をする際に、 用語が少なくて困るから学問をしたいと相談したそうです。 当時の学問とは、ざっくり言うと「哲学」であって、 倫理道徳において、 皆同じ型の人間をつくる為に幕府が学問をすすめていたようです。 竜馬から学問について相談された半兵太は、 学問にも害がある事をわかっていて、 型破りにうまれついて
格闘家の仕事は、試合であり毎日の練習が仕事になります。 どんな人でも体調の良し悪し、気持ちの上がり下がりがあります。 体調管理は、栄養・休養・睡眠に気をつけて過ごします。 体調不良もさることながら、精神面のメンタル・モチベーションの低下も厄介です。 精神面の悩みを、自分一人で抱えていても軽減されませんから、信頼できる人に話をすると良いと思います。 そうして一旦、気持ちが落着いたら、自分を見つめなおす時間をつくって、初心を思い起こすのか?それとも新たな気持ちが芽生えるのか?
格闘技とは、対戦相手との戦いでありますが、 自分との戦いでもあります。 良く「相手の嫌な事をやるんだ」というフレーズを聞くことがあります。 「相手の嫌な事」という表現は、私にとって違和感があります。 それだと相手に対して嫌がらせをしている嫌な奴になってしまう気がするからなのか? 自分でも正確にはわかりませんが、 私の考えるプロとは、もちろん勝負の中で駆け引きはありますが、 超人のような「スピード」・「パワー」・「技術」・「この試合を絶対に勝つんだという強い気持ち」を観ている人
ピッチというと足を速く回転させる事、 投げる事、サッカーでいう所の競技場を指す言葉なのかなとずっと思っておりました。 良くマラソンの中継で、この「ピッチ」という言葉を耳にしていたと思います。 ところが最近知ったのですが、音楽の世界では、 音の高さをピッチという事を初めて知りました。 音程が合っているかという事だと思うのですが、 私も選手に教えていてこのピッチが合ってる合っていないといった感覚になるなと思ったわけです。 例えば、右クロスという相手のジャブに対して自分の右フッ
減量というと階級制のスポーツにはつきものですが、 過酷なイメージがありますよね? しかし避けては通れない部分ですので、 ここでは減量期について身体の面と食事面を大雑把な内容になりますが、 考えていきたいと思います。 格闘技の場合、 普通に練習している状態の普段体重のマイナス10%位が男性の場合、 減量の幅としては適正ではないかと私は考えております。 日曜日が試合である場合、6日前の月曜日の体重がだいたい試合当日の体重になります。 ですから一番動きやすい体重を把握し、 65キロ
今回は試合での「スタミナ」について考えてみたいと思います。 例えばK-1の試合は3Rですから、 ボクシングの4回戦同様どちらかと言えば最初からハイペースでの試合展開になります。 私はボクシング出身なので、 どうしてもボクシングをベースに考えてしまうのですが、 ラウンド数が少ない分、試合がハイペースになり途中スタミナが切れガス欠となるケースが発生します。 ラウンドが短いのにスタミナ切れ? と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、 理由として主に考えられることは、以下の5点だと
今から10年以上前のトーナメントでの出来事です。 結果は優勝だったのですが、 あの日は、3試合ともダウンがとれる映像のイメージが全て試合の直前に湧いてきて、実際の試合でも全てそのイメージ通りになりました。 今までの経験の中で、ほぼイメージどおりの試合というのは、 かなりありますが、それがトーナメントで全てドンピシャ!という事は、 後にも先にもあの時だけでした。 なぜ、そうなったんだろう? と、ふと思ったのですが… 理由としては、次の4つが思い浮かびました。 ・自分の選手が穴
トレーナーをしていて、つくづく感じることは、 「選手育成というものは、一朝一夕というわけにはいかないない」という事です。 物事には順序があって、 基本を教え土台を作り土台が出来上がってから応用編である上物を拵えていきます。 基本というものは、単調な練習でしか習得できず時間がかかるものです。 したがって、大抵の選手は基本をこれでもかというくらいやり抜くことができません。 途中でこの位でいいかな?と妥協して次へ進もうとするのです。 ところがなかには真髄を極められる迄、とことん追
皆さんご存じの源義経といえば、 日本初のヒーローと言われているらしいのですが、 ご存じでしたでしょうか? 突如、京に彗星の如く現われ、 平家との戦いに勝利し、 一躍時の人となったわけですが、 義経といえば、一ノ谷の戦い・屋島の戦い・壇ノ浦の戦いの3つの合戦が特に有名です。 この3つの合戦のうち最初の2つは奇襲での勝利でした。 詳細につきましては、専門書等に委ねますが、 義経は戦いの天才だと思います。 私が考える義経の優れている特徴は、4点あります。 1. 迅速こそ勝利 速さ
格闘技の試合と戦の考え方は同じだという事で、 前回は戦力が均衡している場合、 戦い方が必要になってくるという話をさせていただきました。 なかでも、構え・位置取り・距離感というものは、 戦でいうところの布陣にあたるわけです。 そこで今回は、「距離感」について考えていきたいと思います。 戦の場合ですと、鉄砲が伝わってくるまでは、 平地での戦いの序盤では投石、 その後、白兵戦になって槍の順番であったようです。 戦いの最初の距離の遠い時に小手調べで投石し、 相手の出方を見極めて白兵
前回の最後の部分で、 「最も肝心なことは、戦いが決まった時には既に勝てる状態になっていることだ」ということを申し上げました。 普段の練習ではひたすら自分の戦闘能力と防御能力を上げることに注力し、長所を伸ばし短所を無くしていく努力することによって、 自己のレベルを高めていきます。 相手との圧倒的なレベル差があれば、そこに策を弄する必要はなく、 ただひた押しにひた押していけば良いのですが、 そうでない場合、どう戦うかといった事を考える必要があります。 構え・位置取り・距離感=
私は毎日寝る前に読書をします。 正確にいうと睡眠導入の為に横になりながら本を読んでいるので、 読んでいても頭に入っていない事もあります。 読む本は偏っており、ほぼ歴史小説で一度読んだ本を繰り返し複数回読んで、自分なりに噛み締めながら飽きるまで繰り返すのがパターンです。 そうやっていくと、前に読んでいたはずなのに、頭に入っていなかった部分に気がついたり、見落としていた部分を発見する事ができます。 私の読解能力のなさの為せる技なのですが、もうかれこれ20数年このスタイルです。(笑
パリオリンピックが始まり、のびのびと実力を遺憾なく発揮していく選手達をみていると、自分のペースで戦うことの大切さを思い知らされます。 格闘技の試合でも、いかに自分のペースでラウンドを支配する事ができるかが勝負の鍵になってきますので、今回は「自分のペースとは?」について考えていきたいと思います。 相手を気にせずに普段通りのびのびとやるようなイメージがありますが、以下の中のどれかではないでしょうか? 1.最初から飛ばしていく 2.五分五分の状態から抜け出していく 3.常に相手
パリオリンピックがいよいよ始まりました! オリンピックで何か格闘技の参考になるようなものがないか探していると、 たまたま「バレーボール男子・金メダルへの挑戦」を観ることができました。 体格に劣る日本が世界で勝つために、フィリップ・ブラン監督が選んだ戦い方は、空中ではなく地上部分の強化でした。 強化したポイントは3点で、それぞれ格闘技のケースでは?も考えてみました。 1. レシーブの強化 通常のスパイクより速いボールをレシーブし、狙ったところへ返す →スピードを意識したディ