試合と戦 ③「距離感」

格闘技の試合と戦の考え方は同じだという事で、
前回は戦力が均衡している場合、
戦い方が必要になってくるという話をさせていただきました。
なかでも、構え・位置取り・距離感というものは、
戦でいうところの布陣にあたるわけです。
そこで今回は、「距離感」について考えていきたいと思います。

戦の場合ですと、鉄砲が伝わってくるまでは、
平地での戦いの序盤では投石、
その後、白兵戦になって槍の順番であったようです。
戦いの最初の距離の遠い時に小手調べで投石し、
相手の出方を見極めて白兵戦になっていくイメージです。

上記を格闘技に変換すると以下のようになるのではないかと思います。

1.距離によって使う武器を変える必要がある
2.自分がAという武器を使いたければ、Aにあった距離感を維持し続ける
3.相手の得意なBという武器を使わせない為に、Bにあった距離を作らせない(作らない)
4.相手に圧力をかけることによって相手の意図を読み取り、距離とポジションを先回りしていく
5.相手に一切攻撃を当てさせない為に、自分の安全圏を維持する
6.実力差がある場合、奇襲により先制する(相手の方が、地力がある場合)

良くストレートは槍に例えられるのですが、
そうしますとフックは日本刀でしょうか?
距離感を測るポイントは、前手・頭・前足のつま先が測定基準になってきます。
そして日々の練習では、以下のことも考えながら行います。

①    各々の武器によって、使える距離が違うのでそれぞれの距離感に合った攻撃を練習によって覚えていく
②    上記を今度はディフェンスの側面から考え、スチュエーション毎にどうする事で、できる限りダメージ0へ近づけさせるか考えていく、
またディフェンスからオフェンスへ切り返す練習をしていく(これも距離感ごとに返す攻撃は違う)

上記を反復して行い、スパーリングで実際に行って、
修正作業を加えながら自分のものにしていきます。
試合が決まって相手の映像を観る時も、
既出の1.~6.を踏まえながら観ていくと、
実戦に生きる精密なイメージが湧いてきて、
自分が選択しなければいけない距離感が見えてくるはずです。

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