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小説 花の意志 シリーズ

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砂漠に埋もれゆく都市に蔓延する"花に至る病"。 そんな世界で、或る日突然失踪した姉を捜す妹の物語。 妹の選択によって結末が変わる物語を書いてみたくてやってみたもの。
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記事一覧

小説 花の意志 第7話 a. 人間

わたしは、お姉ちゃんを追った。 お姉ちゃんがきっとそうしたように、わたしも窓枠を乗り越え…

夏八木葵
1年前

小説 花の意志 第7話 b. 自我

わたしは、もうお姉ちゃんを追わない事にした。 お姉ちゃんの考えとの間に深い溝を感じたから…

夏八木葵
1年前
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小説 花の意志 第6話 再会

翌日から、お母さんはいつもと同じ時刻に家を出て仕事へ行った。 お父さんが亡くなったのはま…

夏八木葵
1年前

掌編小説 誘引の檻

(小説 花の意志 第4話 a. 狂愛 番外編 として創作) → 小説 花の意志 第4話 a. …

夏八木葵
1年前

小説 花の意志 第5話 私刑

2日後、わたし達は合同葬儀に参列した。他にも数名の隊員が亡くなっていた。 上半身は原形を…

夏八木葵
1年前

小説 花の意志 第4話 b. 変事

お母さんの家は大きな都市の近郊に在った。遠くには背の高いビル群が霞んで見える。 お母さん…

夏八木葵
1年前

小説 花の意志 第3話 b. 離脱

わたしは黒ずくめの女から逃れ、元来た道を走った。 返り血を吸ったワンピースが酷く重い。肌に纏わりつく気持ち悪さを堪えながら、町へ戻った。 日はもう傾きかけていた。 町は不自然に静かだった。まるで人が消えてしまったみたいに。 すぐにでも誰かに助けを求めたかったのだけれど、誰ともすれ違うことなく、そのまま家に辿り着いた。 家のドアノブに手をかけた時、いつもとは違う空気を感じた。 誰かが家の中に居る――。 息を潜めて静かにドアを開けると、其処には思いがけず懐かしい後ろ姿が在った

小説 花の意志 第4話 a. 狂愛

廃都市の果て。 此れより先は大量の灰色の砂が一面を覆い、建物も極端に少なくなっている。 昔…

夏八木葵
2年前
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小説 花の意志 第3話 a. 追手

わたしは、彼女に助けてもらう事にした。 理不尽な暴力を目の当たりにしたわたしにとって、手…

夏八木葵
2年前

小説 花の意志 第2話 a. 下界

わたしは、一人でお姉ちゃんを捜すことにした。 下界には誰も行きたがらない。という事は、下…

夏八木葵
2年前

小説 花の意志 第2話 b. 侵食

わたしは、お姉ちゃんを追うのをやめ、ひとりで暮らし始めた。 いくら大事なお姉ちゃんとはい…

夏八木葵
2年前

小説 花の意志 第1話 姉妹

上界の片隅の小さな町に、わたしはお姉ちゃんと2人で暮らしていた。 両親は2年前、国からの…

夏八木葵
2年前

小説 花の意志 序話

其処は砂漠の上に建つ国。 年々、嵩を増す砂を前に、人々は上へ上へと階層状に街を造っていた…

夏八木葵
2年前