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クーピーでいえば白(漆1)
漆1
「なんで?俺も行きたかった!」
雄三が叫ぶ。
「なんで母ちゃん一人で行ったんだよ。俺、明日行く。」
「雄…お前が行けばややこしくなるだけだ」
漢が、日本酒のお猪口を口へ運びながら宥めた
「喜美江も一緒なんだしよ…」
「だから、俺も行きたかったのに!ばあちゃんとキミちゃんと遊びたかった」
雄三は、口を尖らせて、地団駄を踏む。
「いい加減にしろよ、お前、来年中学生だぞ」
と、次男、卓二
クーピーでいえば白(モノトーン2)
【モノトーン】2
蓮の家は、敬之助一行が知らない駅にあった。名前は知っているけど、降りたことはない。
「広くないからさ、適当に座って」
蓮は言いながら、途中のコンビニで調達したスナックの袋を開け、紙コップを用意する。
部屋は、1ルーム。ロフトが付いていて、小さなキッチン、風呂とトイレが別にあるシンプルなつくりだ。
都心から離れているから、それほど高い家賃ではないし、学生街なので、外観も洒落