ちぎれたるヒゲ根は拾ひ木の箱へサフランにもまさるムラサキなれば 三鷹
どんぐりに顔あるを見て去りにしや夜中四本足の来客 三鷹歌農書(二
暖かき
トロンボンチーノを下に並ぶれはヘビウリの線の旋律かがよふばか
時により花よりも葉の良きこともピエール・ドゥ・ロ
ピノキオの鼻かちんこかサンザシの挿し木やうやく芽を押し伸ばす
泡つぶのやうなる白き花満つと根粒菌のコブに思ふも 三鷹歌農書(二四七五)
幼虫の方が
萎れゆく葉を置き去りにヘビウリの一輪ひらききりたる白さ # 三鷹歌農書(二
十月の半ばナス科の殿(しんがり)を務めおへしを集めて讃ふ 三鷹歌農
口ひらき掃除魚呼ぶウツボかとイチジク爆ぜて蟻を集めつ
秋にまで食ひ込んでやるぞとキュウリひとつ尻尾を振りて実らんとしをり 三鷹歌農書(二三七五
焼却炉の煙突よりも長くなりヘビウリは己のためのみに伸ぶ 三鷹歌農書(二三五
「レンゲなどマメ科を馬は美味さうに食べるのですがお腹張ります」 三鷹歌農書(二三三五)
山塊の霧のなかにて溶けゆくを蒸し器の蜂の巣屑
パン生地を作る感じで米ぬかと馬ふんと水を混ぜて堆肥に 三鷹歌農