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三鷹歌農書 2441-2460(矢川緑地)

軍事政治マネーのみならず米国の強さをメリケンカルカヤに見る
三鷹歌農書(二四四一) 
アスファルトの隙間に生えてネズミノオ穂を立てるだけ立てる生き方
三鷹歌農書(二四四二)
道端に朽ち果つるなら摘ませたまへ赤々と枸杞の灯りゐたるを
三鷹歌農書(二四四三)
水辺からうすくれなゐをサクラタデ吹きあげて咲く秋ぞら青し
三鷹歌農書(二四四四)
今度こそゲンノショウコの紫の確かさをもてわれを変へたし
三鷹歌農書(二四四五)
野茨のローズヒップに全音符ムカゴ並びて楽譜となるを
三鷹歌農書』(二四四六)
ジュズダマの澪標(みをつくし)右に逸れながらマガモふたつが小川をのぼる
三鷹歌農書(二四四七)
海王星一つ葉陰に見つけたりクサギの実これも秋の始まり
三鷹歌農書(二四四八)
てのひらに置いておゆびに触るるのみにヤブツルアズキ莢割れ弾く
三鷹歌農書(二四四九)
陽に透くる和毛(にこげ)まみれの小(ち)さき莢ダイズの原種ツルマメと会ふ 
三鷹歌農書(二四五○)
しろがねの光の条が飛び跳ねる湧き水の上(へ)の荻の穂吹かれ
三鷹歌農書(二四五一)
ツルマメとヤブツルアズキ蒲の穂に共にあそぶを目に収めたり
三鷹歌農書(二四五二)
木道にこんぺいとうの散りぼふを蹴らずに避けてミゾソバの花
三鷹歌農書(二四五三)
うつしよのうからの縁(えにし)ミズヒキとギンミズヒキの間のアカマンマ
三鷹歌農書(二四五四)
幼虫の方が貫禄たつぷりの大平死出虫オオヒラタシデムシ
三鷹歌農書(二四五五)
自らの影に葉を捨て時かけてふたたび内に取り込む樹々よ #
三鷹歌農書(二三五六)
迷はずに真直ぐにアケビひらけたる地あれば樫の根を越えて伸ぶ
三鷹歌農書(二四五七)
葉の陰に武蔵鐙の真緑の溶岩円頂丘の噴き出して秋
三鷹歌農書(二四五八)
夕の陽をムサシアブミの葉は返し武蔵逢ふ身の仮名草子かな
三鷹歌農書(二四五九)
コバンソウ風に揺るるをあとにして矢川の水の源を去る
三鷹歌農書(二四六○)


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