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戴目倾耳ーー口下手な私、「耳」が「口」の代わりの私
(1052字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)
【戴目倾耳】
ピンイン:dài mù qīng ěr
意味:目を上げ、耳を傾けること。追い求めるようにじっくり聞いている様。
『口下手な私、「耳」が「口」の代わりの私』
私は、口下手だ。
人が思わず耳を傾けたくなるような、そんな上手い話なんて言えない。
所謂「普通の会話」でさえも一苦労だ。
口を開くと、ついやらかしてしまう。
これに悩み、今までなんとか改善しようとあれこれ話術の本について読んだり、雑談の場に出ては積極的に人付き合いを進めたりしてきた。
でも、どんなに頑張ったって根本的な解決にはならないことに気付いた。
私は、「ADHD&ASD傾向あり」と診断された者だ。
うわべではそれっぽく出来たとしても、根本的に私は所謂「多数派」の人達と同じ感覚を持っている訳ではない。
特に「本性」があらわになるのが、相手との関係が深まるにつれ、親密になり自然体が出てきた時。
リラックスした状態では、発する言葉をコントロールする意識が弱くなるせいか、普段以上に相手を困らせてしまう。
だから、私は口数を減らすことにした。
「口」を諦めることにした。
特性で考えると、ある意味私は「口」に障害を持っているようなもの。
そんな「口」を無理矢理動かして上手い話をしろと強要すること自体、足が不自由な状態で走ろうとしているのと同じだ。
残酷過ぎる。
その上、何も解決しない。
でも結局、会話というのは「話し役」と「聞き役」でなりたっているもの。
「話し役」が務まらなくたって、私にはまだ「聞き役」が残っている。
上手に話せる「口」を持てないのなら、
上手に傾聴出来る「耳」を育てていけば良い。
人が思わず耳を傾けたくなるような話が出来ないのなら、
人の話にじっくりと耳を傾けられるようになれば良い。
「聞く」ことも言葉の一つだ。
気の利いた一言を話せなくても、優しく「聞く」ことで今にも泣き出しそうな相手の声を温かく包み込み、
「ここにいるよ」と伝えることが出来る。
面白い話題をふることが出来なくても、明るく「聞く」ことで楽しい気持ちを共有し、
「ときめいてるよ、幸せだよ」と伝えることが出来る。
苦しみを慰められるセリフが言えなくても、丁寧に「聞く」ことで、
「大丈夫、全て大丈夫になるよ」と伝えることが出来る。
相手を大事に思う気持ちを聞き方一つで表し、これを通して相手に思いを伝えられる、そんな人になりたい。
「聞く」に心を乗せたい。
「聞く」に気持ちを込めたい。
口下手な私だからこその「耳」が、「聞く力」がきっとある。
その「耳」を持って、その「聞く力」を使って、相手に寄り添えるような人に、私はなりたい。
📚その声、ちゃんと聞こえているよ
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