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朝帰り(140字小説)
ヤカンがぽーっとなった。
もう終わりなのか。
美しいおなごだった。もっと骨の髄まで味わいたかった。
「またきてくださる?」
と猫撫で声。
俺はああ、と。
でも次、金を工面できた頃には気にいったおなごは蜃気楼のように消えている。
ため息を出して朝に変わる空の色を見上げて急いで家路に帰った。
流行りの香水 140字小説
押収した楽園というドラッグ。見た目は香水。
ラブホにて遺体で見つかった女子高生の親。
「娘はそんなの使わない!」
いつまでも純粋であるわけがない、そんな迷信めいたこと信じるのか。
現場検証後、家に帰ると妻が他の男と抱き合ってた。足元には見たことのある香水ボトル。
神様なんてどこにもいない。