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朝帰り(140字小説)

ヤカンがぽーっとなった。


もう終わりなのか。

美しいおなごだった。もっと骨の髄まで味わいたかった。

「またきてくださる?」
と猫撫で声。 

俺はああ、と。
 
でも次、金を工面できた頃には気にいったおなごは蜃気楼のように消えている。

ため息を出して朝に変わる空の色を見上げて急いで家路に帰った。‬

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