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【よびし通信no.29】ゆりこ団子は究極の食品ロス削減


よびし通信no.29

多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技

【赤かぶらの切り漬けは冬の常備菜】

三十数年前にお姑さんから聞いて習ったという「赤かぶらの切り漬け」を教えてもらいました。年に一 度の恒例手仕事。毎年、百個超えの赤かぶらの下ごしらえを一日仕事でされてきたそうです。「切り漬けの ええとこは、作ってすぐ食べられること。」しばらく 漬けて乳酸菌発酵したのも美味しいです。
滋賀県の伝統野菜「万木かぶ」 は、赤かぶらで葉の軸が白い品種、 アブラナ科は交雑しやすく、その土地ならではの種が発達したようです。多賀町の伝統野菜など品種情報があれば教えてください。

【 赤かぶらの切り漬け】

包丁をよく砥いで切れるようにしてから取りかかりましょう。
①赤かぶらは収穫後、よく水洗いして葉を束ね、竿に二週間ほど吊るして天日干しする。
②天日干し後、茶色く枯れた「アカバ」は丁寧に取りのぞく。
③一個ずつ葉をくるんと丸める
④沸騰したお湯に赤かぶらを入れさっと茹でる。殺菌も兼ねています。



⑤流水で根元をしっかり洗う。
⑥葉をくるんと丸めると絡まらない。
⑦葉を包丁で切り落とす。
⑧葉を細かく刻む。赤かぶらは薄切りにする。


⑨赤かぶら一個に対して、塩小さじ一と昆布茶を少々。刻んだ昆布でも。 


⑩酢を防腐剤代わりに回しかける。
⑩器に入れて重石をする。卓上漬物器で押えてもよい。

【ゆりこ 団子は究極の食品ロス削減?】

「ゆりこ団子」は、米粉を団子にして、かぶらの葉の切り漬けを包み、両面焼いたもの。冷えたらお風呂の焚口にわらを入れて焚き、ポンと灰の中に入れて温 めなおします。 灰をはらって「ふうふう、ポンポン、 パアリパリ」とうたって食べたそうです。
「ゆりこ」はくず米のこと。 未成熟の青い米や茶色い出荷できない米を粉にして食べていました。 ゆりこ団子の中に入れるものは、赤かぶらの切り漬けの葉などのお漬物。贅沢にモノが無かった時代のおやつです。お母さんの知恵がつまった、今の言葉で言うと、 語弊があるかもですが「食品ロス」をなくして、美味しく食べるために工夫された食べ物なのです。
*「食品ロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品の こと。 食べ物を捨てるのはもったいないし環境に悪い・・・。

【ゆりこ団子のつくりかた】

6個分
材料
ゆりこ(米粉) 200g
湯約 180g(加減しながら足します)
赤かぶらの葉の切り漬け 50g
作り方
①赤かぶらの葉を細かく刻む。


②お湯を沸かす。 お湯を米粉に少しずつ足して耳たぶのかたさまで 団子にこねる。
③団子をひとにぎりずつ分割して 棒状にする。
④蒸し器で、棒状の団子を約十分蒸す。箸で刺して柔らかくなれば蒸しあがり。
⑤餅つき機などで五分つく。
⑥団子の生地を六分割する。


⑦手の平に団子を丸くのばし、刻んだ赤かぶらの葉を包む。
⑧フライパンで両面焼き完成。


薪ストーブの熾火で温め直しました。フライパンで焼くより、灰の中で焼いた方が、なぜか美味しくなります。
灰をはらって、ふうふうぽんぽんぱありぱり。


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