『卒園式』
今日は息子の卒業式。
9時15分までに集合のため、8時55分出発する予定だったが、いつも通り10分遅れになってしまった。
結局ギリギリに幼稚園へ到着し、息子と別れ会場へ。
するとそこには保護者がごった返し、物々しい雰囲気になっていた。
みんな早くきて、ベストポジションを確保済み。もう端の方しか残ってない…
ひと家族に1席椅子が用意されていたので、妻にその席を譲り、わたしは端っこの方で立つことに。
ビデオカメラを担当するつもりが、わたしの位置からは息子が確認できないので、妻にその役目を託し、肉眼で息子の勇姿を見守ることにした。
普段はビデオカメラを構えているので気付かなかったが、みんな我が子の撮影に必死。
スマホとビデオカメラ両方を器用に使いこなし撮影する人や、スマホを連写しながら撮影する人などそれぞれで、カメラ越しに我が子の勇姿を一生懸命追っていた。
そんなふうに周りの親の様子をぼんやり眺めていると、ついに息子の名前が呼ばれた。
「はい!」
名前を呼ばれると、息子は大きな声で返事をして、スッと立った。
背筋をピンと伸ばし、堂々と演台まで歩いて行く。
園長先生から修了証書を受け取り、自分の席に戻って行った。
普段ふざけてばかりの息子だったが、キビキビとしたその一連の動作から、立派に園生活を送ることができたんだなぁと感じた。
思えばこの3年間は、コロナに始まり、コロナに終わった。
幼稚園に入園した当初は、緊急事態宣言が出され、2週間と経たずに自宅待機になってしまった。
そこからマスクを着用する生活が始まり、人に会うことが「悪」と感じる瞬間もあった。
親の私たちでさえコロナ禍での生活は不安だった。
息子はマスクを付けながら園生活を送る必要があり、マスク越しで先生やお友だちの表情を読み取ることは、さぞ困難だっただろう。
真夏でもマスクを着用しなければならず、コロナに罹患するよりも熱中症の方が心配だった。
園の行事も縮小され、運動会や生活発表会ではマスクやマウスシールドを付けながらの参加を余儀なくされた。
そんな園生活の最後、卒園式では、マウスシールドもマスクもない息子の素顔があった。
不自由な3年間だったけど、それでも楽しい園生活を送ることができたんだなぁ。
卒園式が終わり、教室でお別れの挨拶を行う中、お友だちとマスク無しでニコニコしながら談笑している姿を見て、そう感じた。
4月からは小学生になり、未知の環境で初めてのお友だちとの生活が待っている。
不安と期待で胸がいっぱいだろう。
でも、きっと大丈夫。
だって、誰も経験したことのない3年間をキミは過ごしてきたんだから。
そして、ちゃんと自分の居場所を作ることができたんだから。
慣れない新生活に最初は戸惑うだろうし、大変だと思う。
すぐにお友だちができるとも限らない。
でも、焦らずゆっくり、一歩ずつ。
この3年間で培った経験を、小学生になっても忘れてないでね。
最後に、息子へ。
3年間よく頑張りました。
卒園おめでとう🌸