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記事一覧
脳みそが同時に処理できる情報量なんてたいしたことないんだから、という話。
こんにちは!山野靖博です!
『天保十二年のシェイクスピア』が終わって、すぐさま『TARRYTOWN』の稽古期間に突入した。
集まってくれている人がみんなクリエイティブで、驚きと発見の絶えない稽古場で非常に嬉しく楽しい。
ところで我々演劇を仕事にしている人間は、明日の生活の保証がない代わりに、決まるときには先々のスケジュールもトントンと埋まってしまう。
すごい人になると、5年先まで予定がギッ
『天保十二年のシェイクスピア』を完走!
こんにちは!山野靖博です!
先日、出演していた舞台が無事に千穐楽を迎えました。
千穐楽、というのはいわゆる業界用語で、元は「千秋楽」と書くのが一般だそうです。
雅楽の楽曲にこの「千秋楽」という曲名のものがあって、法要の最後、僧侶が退出する際にこの千秋楽を演奏したところから「最後」という意味で千秋楽の言葉が使われるようになったという説があります。
お芝居の世界では、秋の字にある「火」を嫌って
お抹茶逆輸入時代の到来!?
こんちには!山野靖博です!
いつからだったか正確な記憶はないが、たぶん去年の秋ごろからだと思う。
抹茶が買いづらくなっている。
新宿のデパートに入っているよく買いにいく茶店の店舗にいくと、店頭に「需要増加のため品薄」という注意書きが出るようになったのが、おそらく秋ごろ。
それにつられてショウウィンドウを見てみると、たしかにいつも並んでいる商品が見当たらない。常時8〜10種類が並んでいたはず
レンタルビデオショップの日々。
こんにちは!山野靖博です!
何を隠そう僕自身も、世界中にたくさんいるであろう、映画によって人生を救われた者のうちの一人である。
とはいえ、そんなに大逸れたことじゃない。いざ明日自分の命を断とうと思っていた夜にひとつの映画を観て死ぬことを諦めたとか、そういうことではない。
むしろ、もっと地味なタイプの救われ方だ。そんなにドラマチックじゃない。
20歳になるかならないかの頃、僕はこの国の多くの
物語の曖昧さをそのままに。
こんにちは!山野靖博です!
写真がなかった時代を想像してみる。写真が存在しなかった世界を。
その時代、物事はすべて流れ去っていくことが当たり前だっただろう。目の前にあるものの、いまこの瞬間をそのままに留めようと思ったら、よく見て、よく感じて、自分の脳裏や心にその姿を焼き付けることしかできなかっただろう。
どんなに美しい風景も、どんなに愛おしい瞬間も、どれもすべてすぐに形を変えて、次の時間へと
茶箱があるから旅がさらに楽しい。
こんにちは!山野です!
年末は29日まで仕事をして、年始は1月3日からの始動でした。
出演している『天保十二年のシェイクスピア』という作品の大阪公演のためで、3日に移動とサウンドチェック、4日はまるまる舞台稽古、そして本日5日に梅田での初日の幕が開きました。
僕らはそのスケジュールで済んでますけど、舞台を設営するスタッフさんとかは31日に大阪入りしてますからね。本当に頭が上がりません。芝居と
手に入らぬものを探し求めて。
こんにちは!山野靖博です!
俳優という生き物は元来、ロマンチストだ。
仕事の現場での振る舞いや、仕事を受ける時の条件について現実的な俳優もそりゃあいるだろうが、そもそも芝居という営みに人生の時間の大部分を費やす選択をした時点で多分にロマンチストである。
ロマン主義とはどういうことか、というと、僕は「失われたもの、手に入らないものを求めようとする心」だと理解している。
世界が19世紀に突入す
眠りと影と夜の国、の話。
こんにちは!山野靖博です!
春眠暁を覚えずといいますが、僕にとっては夏だろうが冬だろうが暁を覚えず、です。
とりわけここ最近はとても眠い。睡眠時間が短いわけじゃないのに、すこぶる眠いのであります。
それもこれも、なかなかハードな舞台に出演する日々だからだと思います。やはり身体というのは厳しい環境にあれば自ずと回復のために休息を求めるものなのでしょう。
寝ることが好きな僕は、いくら寝ても寝足
僕、私、俺、についての話。
こんにちは!山野靖博です!
一人称のこと。
僕の一人称は「僕」です。自分のことを僕と呼び始めたのはたしか中学に入ってすぐぐらいのことだったと思います。
それまでは自分をなんと呼んでいたのか、あんまり記憶にないのですが、たぶん「俺」と呼んでいたのだと思います。たぶんね。
というのも僕は、「自分の一人称を僕にしよう」と明確に決めた記憶を持っているのです。一人称を僕と決めた、ということは、それま
布の気持ちよさ、についての話。
こんにちは!山野靖博です!
着道楽という言葉がある。
着る物が好きで惜しげもなくお金を使うような人のことを言う。この場合の「着る物」は僕のイメージではやはり着物で、洋装の服、つまり洋服をして着道楽というのはなんかちょっと違う気がする。
着道楽ともなれば、一家が傾くくらいの勢いで着物だの帯だの羽織だのを作って、着ることもだがむしろ作ることこそに快楽を覚えているような、そんな人物のことを想像する
旅の目的はひとつかふたつ、の話。
こんにちは!山野靖博です!
人にはそれぞれに、得意なことがある。
部屋の整理整頓が得意。3桁の暗算が得意。中東の家庭料理を作るのが得意。着物の着付けが得意。フルマラソンを走り切ることが得意。UFOキャッチャーが得意。
ちなみに、上にあげたものについて、僕は、どれひとつとして得意ではない。
ところで僕は旅をするのが得意だ。もっと具体的に言えば、自分で旅をする際の、自分好みの旅程を組むのが得意
線のあちらとこちら、の話。
こんにちは!山野靖博です!
「黄色い線の内側までお下がりください」
僕は山梨県甲府市という地方都市に育ち、通った学校も徒歩や自転車で通学する範囲だったので、電車に頻繁に乗る生活がはじまったのは大学入学のために東京へ出てきてからだ。
学校があったのは上野。住んでいた寮があったのは上石神井。つまり日頃、西武新宿線の朝の満員電車と、高田馬場でのJRへの地獄の乗り換えとに息を切らせつつ、音楽の勉強に
突然歌い出すのだミュージカルは、という話。
こんにちは!山野靖博です!
ミュージカルをめぐる諸問題の中で、ときおり話題になるのが「ミュージカルは突然歌い出す」というやつ。
これはもはや「あるあるネタ」というか一種の固定化されたミームであると同時に、近年盛んに行われているミュージカルについての学術的研究における重要なトピックでもあります。
学術的研究での扱われ方はひとまず置いておいて、世の中、特にSNSの世界に「ミュージカルは突然歌い出