【日記】ゴキブリに救われた話 2022.5.20
何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安は、昨夜の僕をほとんど不能にしていた。今年の頭から続いている漠たる鬱蒼とした気持ちは五月中旬の夜の中でピークを迎えようとしていた。僕はいったいどのようにして自死を遂げようかとわりに真剣に考えていた。
僕の視線は頭髪の落ちたフローリングに注がれていた。暗い電灯に照らされた床をダンボールや衣服が取り囲み、それぞれが孤島のような恰好をしている。中学生の時分に縊死を試みたことを思い出した。それは結局のところ果たされなかったわけだけれど、それに成