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【日記】アンチ・集団行動・アンチ 2022.5.27

集団行動ってあるじゃないですか。

体育の科目的な、あるいは表現としての集団行動。一人の指揮者のような人の指示に従ってまあまあな数の人間が示し合わせて同じ行動をして、その規律に基づいた動きや人の列を俯瞰することによってその統一性に感動するというような意図の元に行われるあれだ。

まず、僕はああいうのをやろうとは思わない。単純に疲れそうだからだ。
これはまあ言うまでもない。僕が言いたいのはこんなことではない。

僕が集団行動に対して疑問に感じるのは集団行動をしている彼らが集団行動というものを少なからず「ただ苦痛を伴うもの」として扱っていることだ。
僕がテレビで何度か観た集団行動を行う人々は、集団行動の練習に(多くの場合涙しながら)とても苦しんでいる。
そして集団行動を見せる本番が終わるとき、舞台袖に帰ってくると彼らは集団行動という強い束縛によって抑圧されていた自由を取り戻すかのようにして、全身で歓喜の感情を示す動き――飛び跳る、抱き合う、泣くなど――をしてみせる。

気に食わね~~~~~~~~~~。


いやね、まあ実際に集団行動に取り組んで本番が終わったらもう疲れた~ってなってその緊張からの解放に身を震わせるのだろうとは思うんですよ。

ただね、多くの場合この舞台袖での緊張からの緩和なんだけど、


観客席の位置によっては全然見える位置にあるんですよ。
あと、その歓声も近くの席なら聞こえると思うんですよ。


あ~あ。最後の最後に。あ~あ。
せめて絶対見えない場所に入ってからとか、そういうのを徹底してほしい。我慢が足りなくないか?

あとなんなら、帰るまで僕ならわりとテキパキした感じの動きでさっさと帰りたいですね。ハグなんてぜって~しねえ。やるかよバカ。

あと大体感想が「やっと終わった」とかで、本当に集団行動を苦痛の代表格的なものとしてしか捉えてないような感じが拭いきれない。
そりゃ、集団行動なんて僕から言わせてしまえばしょうもね~し、前時代的な日本の個性を刈り取るような社会性を引き継ぐ現代社会の暗喩として安直に捉えることができるからやりたくないし、なにより大変そうだし嫌だよ。行動自体には意味なんて実際ないよ。

でも、どんだけしょうもないことであったとしてもそれに尽力したわけでしょ。それなら僕はその概念に対してある種の敬意を持ちたい。

ゲームのRTAだって、競技的なものとしてやエンタメとして楽しまれているけれど、ゲームクリアーの速度を競うというのは本質的にはそんなに意味性はない。それはあらゆるスポーツにおいてもあてはまる。野球はちっちゃめのボールを木の棒で叩いていて野蛮で意味わかんないし、サッカーは玉蹴りだし、バスケはかごにボールを入れてて意味わかんない。卓球はもっとちっちゃいボールを木のしゃもじで叩いていてオタクだ。
でも僕たちはそこに競技性やエンタメ性を見出している。そしてそこにはそれに努める人々やそれ自体への敬意が存在している。


その心を、ほんの少しだけでも、集団行動にもわけてやってくれませんか。

「苦痛」の象徴としての集団行動を見て、それに苦痛を得る装置としての役割しか見出さないというのはほとんど冒涜だ。
集団行動を「なんも意味ないじゃんwなんで必死なん?w」と一蹴することはしない。したければやればいいし、そこに上達を見出したりしていくことは尊いことだ。あらゆる競技性はこのような萌芽から発生する。

僕は冒頭に集団行動サゲをしたが、集団行動をフラストレーションからの解放を得るための道具として一面的に捉えることには断固反対だ。

集団行動を観客として見るのが楽しいというのは勿論あるにはあるけども、実際そんなに観客として楽しまれるものとして催されている数って少ないし、集団行動はそれを演じる側にフォーカスがあてられがちだ。集団行動を取り上げるとき、集団行動をする側の人間の裏にカメラを回さないことなんてまずない。集団行動は見せる側に意義が偏ったものになっているのだ。



僕がもし、集団行動をやるなら、本番が終わって舞台袖に帰ってきたらそのままの歩行のペースで更衣室に行き、さっさと帰るだろう。多分みんな色々喋ったり、ハグしたり、泣いたり、鼻水垂らしたり、混乱に乗じて番の相手を得ようとしたり、コーチ的なやつに感謝の意を述べたり(なにやってんだ笑)しているだろうが、僕は帰る。


家の玄関を開けて服を脱いでシャワーを浴び、部屋着に着替える。

で、クラッシュ・バンディクーを起動する。


ソニー・コンピューター・エンターテインメント! イエイ!


クラッシュ・バンディクー!


クラッシュ・バンディクゥー!



はぁ~・・・・・・。


とりま、読みますか。


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