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仕事についてのエッセイ

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レッツグミニケーション

レッツグミニケーション

学校にはいろいろな先生がいる。
大卒1年目で着任して真っ先に苦手意識を持った先生がいた。
どこからどう見ても体育教師だとわかる風貌をした男性教員だ。
その人自身が何か発言をしたわけではないのだが、高校時代に体育から逃げ続け、本能的に体育教師に恐怖を覚える体になってしまった私にとって、その先生はできれば怒らせたくない、関わりたくないと思ったのが第一印象であった。

しかし、運が悪いことに、校務分掌の

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地元を離れて気づいたこと

地元を離れて気づいたこと

大学進学を機に上京したのはもう6年前になる。
都内の大学に合格し生まれ育った地元を離れることに、特別な感情はなかった。2つ上の姉も東京の大学に通っていたこと、数年前に他界した曾祖母の家が大学から通える場所にあること、曾祖母の家はファミリー向けの団地であることなどの理由から、上京すると言っても姉の住んでいる家に引っ越すだけで、不動産巡りや家具の新調などは一切なかった。これまで母と弟と暮らしていたのが

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毎日コツコツから見える尊敬

毎日コツコツから見える尊敬

筋トレを始めた。
きっかけは低血圧に悩まされていることと、家で何もせずにダラダラしていたら太るだろうなと思ったことである。
文化部出身の私に筋トレの知識はなく、とりあえずYラジオ体操をするところからはじめてみた。高校生のときに体育の授業で合格するまでラジオ体操をやらされた苦い記憶が蘇ってきたが、そのおかげなのか音楽を聴くだけで勝手に体が動く。とはいえやはり、日頃の不健康は如実に現れラジオ体操第一だ

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睡眠薬が効くまで

GW中にバーンアウトして仕事に行けなくなった。
思えば昨年度末から仕事に追われ、職場の人間関係にストレスがあり、2年目の重圧もあり、後輩もできて、相談できる先輩は異動し、作るべき授業が追いつかなくなり、全体で発言するプレッシャーで寝れなくなり、教室では笑顔を演じることに疲れ、完璧でなければならないという強迫観念に囚われ、身体も心も自分で止められないところまで動きすぎてしまっていたのだと思う。
もと

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できない自分ごと愛するということ

 これまで、鬱になってからの薄暗い思いしか書けなかった。
言葉を書くことで、傷は深くなっていくと分かっているのに、どうしても心の中に留め置いておくことができなかった。

 そんな私にも、最近少し光が見えてきた。
 だから今日は、その話。

きっかけはお世話になった先生(A先生)に連絡をしたことだった。鬱になってから、職場の人には全く連絡できず、職場以外の知り合いにも鬱になったことは伝えても、それ以

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私が先生でいたい理由

私が先生でいたい理由

うつ病を患ってから、多くの人に先生をやめる選択肢を提案される。でも、私の中には先生をやめるという選択肢は存在しない。

私が先生になりたいと思ったのは高校の時の恩師に憧れたからである。
それでも、文学部から教職課程をとって教員採用試験を受けるに至るまでのモチベーションは他のところにあり、それがまさしく、私が先生でいたい理由である。

大学生の時にとある選挙事務所でバイトをした。結果的に議員になるそ

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助けてもらう勇気

助けてもらう勇気

私は割となんでもソツなくこなせるタイプであると思う。
新しいアイディアを実現可能性が高いものから低いものまで思いつくままに提案してみたり、提案された実現可能性が高いアイディアの枠組みを明確にするための手立てを考えて実行に移してみたり、あるいは事務的な作業も一度説明を受ければ大体のことは合格点をもらえるペースで完了できる。

アイディアを思いつくことが得意なのは、日ごろからたくさんの情報を吸収するよ

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知ることができることの幸せ

知ることができることの幸せ

学校現場でも積極的にICTの活用が進んでいる。
勤務校ではGoogleを活用して授業や行事に挑んでいる。

休職していても生徒の様子が気になる。
本当は仕事から離れて、仕事のことを忘れてゆっくり休むべきなのかもしれない(医者にもそういわれている)が、私は自分よりも生徒が好きで学校が好きだから、仕事から完全に離れることは心がどこか遠くへフワフワと消えていってしまう気がしてそれができない。
しかし、同

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