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『ナボコフ全短篇』を読む日記

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2022年2月の記事一覧

『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.23(38/68篇)

「音楽」「完璧」(ともに1932年)を読む。 「音楽」は、ヴィクトル・イヴァノヴィチという男…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.22(36/68篇)

「再会」(1931年)「アカザ」(1932年)を読む。 「再会」は、ロシアを離れドイツに住む弟・…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.21 (34/68篇)

「忙しい男」「未踏の地」(ともに1931年)を読む。 己の魂の働きに気を配りすぎている人間は…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.19-20(32/68篇)

「オーレリアン」(1930年)「悪い日」(1931年)を読む。 「オーレリアン」は昆虫の標本を収…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.18(30/68篇)

「クリスマス物語」(1928年)「名誉の問題」(1930年)を読む。 「クリスマス物語」は、主人…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.17(28/68篇)

「乗客」「呼び鈴」(ともに1927年)を読む。 「乗客」では作家と批評家が、言うなれば「事実…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.16(26/68篇)

「おとぎ話」「恐怖」(ともに1926年)を読む。 「おとぎ話」は、もてないエルヴィンという主人公が妄想でハーレムを作っていて、偶然出会った悪魔がそれを叶えてくれようとする話。正直あんまりかなというところだけど、注釈でナボコフが言うように、老いぼれたハンバート(ロリータの主人公)がニンフェット(ハンバートが9歳から14歳の少女を指すとして用いている言葉)に付き添っているという描写があることは注意しておくべきなんだろう。ちなみに『ロリータ』は1955年に刊行されている。 でも

『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.15(24/68篇)

「ベルリン案内」(1925年)「剃刀」(1926年)を読む。 「ベルリン案内」は地味だけどいい。…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.14(22/68篇)

「けんか」「チョールブの帰還」(ともに1925年)を読む。読み始めは重くて持ちにくかった『ナ…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.12(20/68篇)

「ロシアに届かなかった手紙」(1924年)「復活祭の雨」(1925年)を読む。 ナボコフはロシア…

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『ナボコフ全短編』を読む日記2022.02.11

今日はナボコフはお休み。 買い物に出た。行く途中でハヤブサを見た。トビかもしれない。でも…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.10(18/68篇)

「バッハマン」「クリスマス」(ともに1924年)を読む。 「バッハマン」は、ナボコフが創造し…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.09(16/68篇)

「雷雨」「ドラゴン」(ともに1924年)を読む。1924年のナボコフはすごい。 どちらも非現実的…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.02.08(14/68篇)

「ナターシャ」「ラ・ヴェネツィアーナ」(ともに1924年)を読む。 なんか急に完成度が上がった気がする。「ナターシャ」は、よくできているけれど、それがゆえにどこかで見たような話だ。そんなありふれた筋書きだけれど、ナボコフらしいロシアへの郷愁があって、幸せな時間を過ごす若者と対照的に老人の死が描かれている。 「ラ・ヴェネツィアーナ」は、この『全短篇』のなかでも長いほうなのだけれど、それだけ描写が鮮明で、わかりやすく、面白い。イギリスの館を舞台にして、その主人である陸軍大佐、