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『ナボコフ全短篇』を読む日記

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記事一覧

『ナボコフ全短篇』を読んだ日記(ひとまとめ)

この日記は、『ナボコフ全短篇』を読んだ日記をひとまとめにしたものです。ただそれだけのもの…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.23-25(68/68篇)

「怪物双生児の生涯の数場面」「ヴェイン姉妹」を読む。 「怪物双生児の生涯の数場面」は、体…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.22(66/68篇)

「ランス」「重ねた唇」を読む。 「ランス」は難解。一読何が書いてあるか判然としないが、な…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.21(64/68篇)

「暗号と象徴」「初恋」を読む。 「暗号と象徴」は、精神錯乱で入院した息子に妻と夫が誕生祝…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.20(62/68篇)

「時間と引潮」「団欒図、一九四五年」を読む。 「時間と引潮」は、重病から回復した九十歳の…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.19(60/68篇)

「『かつてアレッポで……』」「忘れられた詩人」を読む。 「『かつてアレッポで……』」は、…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.18(58/68篇)

「北の果ての国」「アシスタント・プロデューサー」(ともに1940年ごろ?)を読む。 「北の果ての国」は、昨日読んだ「孤独な王」と同じく、頓挫した長篇のうちの一章で、第一章にあたる。妻を亡くし悲しみに暮れるシネウーソフが、元家庭教師である日突然「開眼」し、預言者となったファルテルに問答するという話。 「アシスタント・プロデューサー」は、実在した民謡歌手とドイツの諜報機関とも通じていた白軍の指揮者の夫婦をモデルにした作品である。白軍の将軍ゴルブコフが元々赤軍について歌っていた

『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.17(56/68篇)

「ヴァシーリイ・シシコフ」(1939年)「孤独な王」(1940年)を読む。 「ヴァシーリイ・シシ…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.16(54/68篇)

「リーク」「博物館への訪問」(ともに1939年)を読む。 「リーク」は、リークという名の俳優…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.15(52/68篇)

「雲、城、湖」(1937年)「独裁者殺し」(1938年)を読む。 「雲、城、湖」はベルリンに住む…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.13-14(50/68篇)

「マドモワゼル・O」(1939年?)「フィアルタの春」(1936? 8年?)を読む。ともに1930年代後半…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.09-12(48/68篇)

「スカウト」「人生の一断面」(ともに1935年)を読む。 「スカウト」は、姉を亡くし生きる意…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.08(46/68篇)

「シガーエフを追悼して」(1934年)「動かぬ煙」(1935年)を読む。 「シガーエフを追悼して…

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『ナボコフ全短篇』を読む日記2022.03.06-07(44/68篇)

「告知」「ロシア美人」(ともに1934年)を読む。 「告知」は息子の死を知らないほとんど耳の聞こえない老婆に周りの人がどう伝えたものか苦心する話。シームレスで焦点化が移り、最初は混乱する。ル=グウィンはナボコフのこういうところが好きではなかったのだろう。 「ロシア美人」はオリガという女性の(注釈によれば)細密画のような話。1900年に生まれ、お嬢様として育てられ、革命で転落し、ドイツで落ちぶれて暮らしている。やがてドイツで結婚するも……というほとんど説明みたいなものだ。