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記事一覧
『日本のアートディレクション展 2024(銀座グラフィックギャラリー)』〜時代を映す広告デザイン展
【内容】
アートディレクターによる年次公募展が日本のアートディレクション展。
【感想】
タイミングが合えば足を運ぶこともある展示ですが、例年は、大御所デザイナーがいつもの感じでデザインしているという印象が強かったです。しかし、今年は個人的にいくつか面白いと感じるデザインが目に留まりました。
2階ではCMを中心とした映像が流れていましたが、最近はテレビをほとんどネット配信動画の視聴にしか使っていな
『カナレットとヴェネツィアの輝き展(SOMPO美術館)〜18世紀の“映え”体験?カナレット展でたどる貴族の風景画ブーム
【内容】
18世紀の景観画の流行画家カナレットをテーマとした作品展。
【感想】
『山田五郎 オトナの教養講座(YouTube番組)』で紹介されていたのを観て、行ってみることにしました。
18世紀の貴族が旅行ブームがあり、その記念に風景画を買って帰ることがブームになったのだそうです。カナレットはその時期に風景画を描いて有名になった画家とのことでした。
その時期がちょうど写真の登場によって印象派
『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする展 Terence Conran:Making Modern Britain(東京ステーションギャラリー)』〜ユニクロも影響を受けた?当たり前すぎて気づかない、コンランが生んだ普遍デザインの秘密
【内容】
イギリスの家具・インテリア・デザイナー、雑貨店・レストラン経営者のテレンス・コンランの回顧展。
【感想】
「物を売るんじゃなく、生活スタイルを売る」
「いいデザインとは、98%の常識と2%の美学から生まれる!」
これはテレンス・コンランが生前語った言葉だそうです。
家具やインテリアデザイナーとしてキャリアをスタートした彼は、その後ライフスタイルショップやレストランを経営し、どの分野でも
『アレック・ソス 部屋についての部屋(東京都写真美術館 2階展示室)〜スマホで切り取る写真の延長線上にあった、アレック・ソスのアメリカの記憶と孤独
webサイトで、こんな写真を観ました。
痩せた白髪の老婆が、こちらを伺うようにじっと見つめている。彼女は柔らかな朝日に包まれた部屋で、不思議な形の椅子に座っている…そんな印象的な写真でした。
アレック・ソスという写真家の作品で、恵比寿の東京都写真美術館で企画展をやっているとのこと。
ちょうど知り合いの作家さんが青山のギャラリーで個展をやっていたので、そこからのんびり歩いて展示を観に行って来まし
『白浜若菜展Pavimentazione in pietra vol.003(GALLERY STORKS 表参道)』〜手仕事と心で紡ぐ、光と影の世界
知り合いの白浜若菜さんの個展が開催されているとの知らせを受け、表参道のギャラリーを訪れました。原宿駅前から明治通りを通り、青山通りを右折し、骨董通りを少し歩くと、騒がしい街並みが嘘のように静かな雰囲気が広がっていました。
去年は場所がわからず少し迷いましたが、今年は同じギャラリーでの開催ということで、スムーズに到着することができました。
展示会場には、白浜さんご自身がおり、温かく迎え入れてくださ
『シンポジウム 江戸東京の史跡と都市空間(法政大学 市ヶ谷田町校舎 5階 マルチメディアホール)』〜明治が創り上げた風景 国会議事堂と日本の都市デザイン
【内容】
江戸東京の史跡と都市空間についてのシンポジウムが、市ヶ谷の法政大学であるとのことで聴講して来ました。
【感想】
一つ目の講演は、「国会議事堂はなぜ、あの永田町の丘に立っているのか」という興味深いテーマでした。講演者は、明治時代に井上薫が日本のグランドデザインを行い、皇居南側に官庁街を形成したことを詳しく解説しました。特に、お雇い外国人の建築家ベックマンが設計した国会議事堂の建築に関し、
『福田平八郎の画業と江戸時代の琳派展(山種美術館)』〜モダンな日本画家、福田平八郎の展覧会
福田平八郎の作品には、30年近く前から興味を持っていました。学生時代に「グレートアーティスト」という雑誌で初めて作品を見て、その独特な世界観に魅了されました。和風でありながらポップな、どこかモダンな雰囲気の絵は、当時の私にとって新鮮でした。
画風が確立された後の作品は、線や色彩が洗練され、より洗練された印象を受けます。現代のイラストレーターの作品と見間違えるほど、洗練されたデザイン性を感じます。
『国際アンデルセン賞受賞作家・画家展(国立国会図書館国際子ども図書館)』~角野栄子と国際アンデルセン賞、絵本の世界を彩る展示とトークイベント
【内容】
絵本の国際的な賞である国際アンデルセン賞に関する展示。
※同じ階の別の部屋では、この賞を主宰している絵本が読める形で陳列されていました。
【感想】
国立国会図書館の子供向け図書館である「国際子ども図書館」で、国際アンデルセン賞に関する展示と、絵本作家・角野栄子氏のトークイベントが開催されると聞き、行ってきました。
展示は、受賞作や解説フリップが並ぶ形式で、時代ごとの傾向や流れを感じる
『没後50年 映画監督 田坂具隆(国立映画アーカイブ)』〜国内外で評価された監督の軌跡に触れる、田坂具隆展を訪れて
【内容】
戦前、戦後に活躍した『ヴェネチア国際映画祭映画祭』での受賞やその他、数々の受賞歴のある映画監督の田坂具隆に関する展示。
【感想】
たまたま近くに用事があったので、国立映画アーカイブの展示室に立ち寄ってみました。
国内外で評価された映画監督とのことでしたが、私自身は不勉強で、これまで彼の作品を観たことがありませんでした。山田洋次監督が映画監督を志すきっかけとなった作品を撮った人物で、後世
『英一蝶展(サントリー美術館)』〜島流しの太鼓持ち画家が見た江戸。筆の冴える現代のイラストのようなフレッシュ日本画
【内容】
吉原で遊び、俳諧を楽しみ、型破りな生き方をした江戸時代の画家、英一蝶。40代で島流しを経験するなど、波乱万丈な生涯を送った彼ですが、庶民の生活を生き生きと描き出し、人気を博しました。そんな一蝶の作品が一堂に会する展覧会。
【感想】
導入として、まず、この展示から遡ること数ヶ月前の話になるのですが…
先日、江戸の吉原をテーマとした『大吉原展』を訪れました。そこでは、英一蝶の作品がひときわ
『Perfume Disco-grafy 25年の軌跡と奇跡展(虎ノ門ヒルズ TOKYO NODE)〜期待とは少し違った…Perfume展示の魅力と課題
【内容】
音楽グループPerfumeのこれまでの25年を、映像や、電飾などと映像解析技術を連携させた参加型の展示などを組み合わせて、展覧会。
【感想】
映像技術や舞台装置など、制作側のこだわりは感じられました。しかし、それらの技術が展示内容とどれだけ結びついているか疑問が残ります。期待していたのは、Perfumeの世界観をより深く掘り下げた、インタラクティブで没入感のある体験でした。
例えば、P
『TCC賞展2024(アド ミュージアム東京)』〜デザインと広告の交差点!若者と観光客が集まるコピーの世界
【内容】
コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」の2024年度受賞作品展。
【感想】
コピーライターの展示ということで、優れたコピーやラジオCMなどが紹介されていました。特に、ラジオCMは内容をテロップで表示する形式が印象的でした。
また、会場が好立地ということもあり、外国人観光客の姿も多く見られました。広告代理店が運営している美術館ということで、告知が上手く行き届いているのだなと感じました。さ
『田中一村展 奄美の光 魂の絵画(東京都美術館)』
【内容】
日本の画壇とは一線を引いた活動で、独自の日本画を描いた田中一村の回顧展。
【感想】
田中一村展は、かねてより注目していた画家の大回顧展ということで、大変楽しみにしていました。会場には、初期の水彩画から晩年の大作まで、幅広い作品が展示されており、彼の芸術の軌跡をたどることができました。
特に印象的だったのは、初期作品に見られる瑞々しい色彩と、大胆な構図です。幼少期から絵画への才能を発揮し
『欧文活字の銀河(印刷博物館)』〜活字が語る歴史と美—印刷博物館で感じた本の存在感
江戸川橋にある印刷博物館で開催されている『欧文活字の銀河展』に行ってきました。これは、機械工業によって生み出された大量の欧文活字の実物と、その解説を展示したものです。デザインの解説書などで目にする活字の変遷を、実際の金属製の活字の展示とともに見ることができました。
一つ一つの活字を手作業で拾い、組み合わせて本の文字組みを完成させるという地道な作業が感じられる様々な種類の活版は、非常に繊細で、物とし