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音の記憶

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たしょーの音楽歴について
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ヤコブの梯子と小さな僕

ヤコブの梯子と小さな僕

ろくに音も出せないまま夏がやってきた。
吹奏楽のハイシーズンだ。

毎年やってくる吹奏楽コンクール。
これは課題曲から一曲と自由曲一曲をホールで演奏して、その上手い下手を競うものだ。
何十人何百人もの部員がこのコンクールに向けて、必死で練習に励む。

我が高校の吹奏楽部は、毎年なかなか良い成績を残していたみたいで、さらにこの夏はメンバーもほぼ最強なのでは?というメンツだったらしい。
気合いの入り具

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ニワトリ使いデビュー

ニワトリ使いデビュー

見事、オーボエの座を勝ち取った僕は必死になって練習した。
楽譜は読めない、クラシックなんて聴いたことない。
リズム感も無ければセンスも無い。

そんな高校一年生。

入部した吹奏楽部は、楽器経験者だらけで、みんなの話している音楽用語はドイツ語だったりイタリア語だったりで最早、外国にいる気分だった。
もちろん楽器も上手い人がいっぱい。

オーボエという楽器は、木管楽器で最も演奏するのが難しい楽器とし

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楽器大戦争

楽器大戦争

という事で、高校生活は吹奏楽部員として過ごすことにした。

その吹奏楽部の実力は、普通よりまあまあ上手いくらいだったと思う。
なかなかの人気部活動で、僕の他に数十名は入部した。
そのほとんどを覚えてないんだけどね。

入部時に最初に決める事。

どの楽器を3年間のパートナーとするか。だ。

フルート、サックス、トランペット辺りはやはり大人気で、各楽器で定員も決まっているため誰かは希望の楽器をパート

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ブックオフのカエルは少年にオーボエを教える

ブックオフのカエルは少年にオーボエを教える

さあ、とうとう高校生になるわけだが
その頃にはギターよりも気になる楽器があった。

中3あたりの僕は、例に漏れず厨二っぷりを発揮しており、とにかく沢山の本を読んだ。
小説や哲学書、なんだかよくわからない物理の本。
ブックオフへ行っては安い本を買い込んで、読みまくった。
難し過ぎる本はそっと閉じて、とにかく読める本を読んでいった。

今だに、伊坂幸太郎の『終末のフール』は好きだしソクラテスとかプラト

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孤独な日々と車輪の唄

孤独な日々と車輪の唄

そんな爆音と汗のニオイのなかギターの練習。
半ばテニプリにはなれないと悟りながらのテニスの練習。

練習、練習、練習。

練習ばかりだったけど、不思議と飽きずに両方続けていた。

テニスの方は、詳しく語らないけど、最後の試合で顧問と喧嘩して出場しなかった。
投げつけたラケットと共にあっさりとテニスの王子様になることは諦めたのでした笑

でもぽっちゃりだった身体はテニスのおかげでだいぶ絞れたので、良

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黒いギターと爆音クロスロード

黒いギターと爆音クロスロード

ギターフリークスをやり込んだ少年は
「あれ?エレキも弾けるんじゃね?」
という勘違いを原動力に、封印していたエレキギターを引っ張り出した。

フェンダーのアンプと安物エレキ。

楽譜も読めないので、ゲインミュージックスクール(だったかな?)の通信講座を受ける事にした。
だけど、なんかそのスクールでは洋楽ばかり課題曲として送られてくるのだ。
洋楽なんかほとんど聴いた事なくて、正直あまり楽しくなかった

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ギターフリークスと勘違い

ギターフリークスと勘違い

さて、すっかり自分の家にギターがある事なんか忘れてテニスとエロサイトとフラッシュをグルグルする日々が続いていた。

もちろん、たしょーは例に漏れずゲームも大好き。
初めてやったゲームは、ゲームボーイの星のカービィだったと思う。
初代ゲームボーイは電池が少なくなると、プツッと電源が落ちるのではなく、徐々に画面が薄ーくなっていくフェードアウトシステムだった。
優しい設計。だって電池無くなり切る寸前まで

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フラッシュの中の英雄

フラッシュの中の英雄

テニスと同時に、中学生になったたしょー君は色々な事を友達から教わる。

当時はパソコンも普及し出した頃。
あまり機種とか興味無かったので、全然覚えていないのだが、とにかくデカイ機体にデカイブラウン管だった事は覚えている。

インターネットは少年に何を教えたのか。

エロサイトの見方だ。

いや違う。
違うくはないけど、違うと言っておこう。
エロサイトに行ってパソコンがフリーズして超絶焦った話もある

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そして少年は音楽をやめた

そして少年は音楽をやめた

あのイケメンのり君とテレビ取材事件により無事、僕は音楽をやめた。
そもそもギターがやりたいわけじゃないしさ、楽譜も読めないしさ!!

いいんじゃ。

いいんじゃ。

わし、

テニスの王子様になる!!多感な少年。
感情的な日々。
小さな冊子のなかのイケメンに憧れて、
「俺だってドライブBできるし!ツイストサーブもできるしっ!!」
と、あらぬ妄想をぶちかまして中学校では硬式テニス部に入部した。

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イケメンのり君

イケメンのり君

結局、黒いエレキギターを練習する事になった。

そのバンドサークルでは、最初にベンチャーズのパイプラインを練習させられる。

べんちゃあず、、、?

なんだそれ。
俺はもっとカッコいいのがやりたいんだよ!!!
できればドラムで!!!!

さすがに小学生の僕には、ベンチャーズは渋すぎた。

テケテケ、テケテケ。

なんだこれ?

ぜんんんんぜん楽しくないっ!!!!

ろくに練習もせずにただただダラダ

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黒いエレキギター

黒いエレキギター

ドラムがやりたかったんだけど、手と足があんな風に動く訳なく断念。
そもそも音楽的センス皆無なわけで、楽器に手を出す事自体が間違いだったのかもしれない。

だけど、カッコいいじゃん。

楽器。

ウチの地元には珍しい小学生のバンドサークルみたいなのがあった。
そこに入ればドラムやれるんじゃないか?
と思ったので、入る事にした。

当時はドッヂボールクラブにも入っていたのだが、なんと練習日が被っている

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少年はドラムが叩きたかった

少年はドラムが叩きたかった

僕が初めて楽器をやりたい!と思ったのは小学生の頃。

音楽の授業で器楽演奏会みたいなのがあって、そこで大抵の奴はリコーダーだの鍵盤ハーモニカだのタンブリンだのをピヨピヨトントン演奏するつまらない時間だった。

だけど、唯一、たった一人だけが演奏できる楽器があった。

それがドラム。

だけどドラムはリズムの要で、しっかりリズムをキープできる武士のみが演奏できる。
オーディションを受け、数少ない同級

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