コーチ物語 クライアント32「恋、それとも愛」その4
「こんにちは。お茶菓子持って来たよ。すぐにお茶を淹れるね」
そう言ってエプロン姿の女性は、キッチンの前に立ちお茶の準備を始めた。
「あ、あの人は舞衣さんといって下のお花屋さんをやっているんです。ボクのところにお客さんが来たら、こうやってお茶を淹れてくれるんですよ。舞衣さんの淹れたお茶は絶品ですから、ぜひ飲んでください」
へぇ、あの人が恵子の務めているお店の人か。思ったより若いんでびっくりした。なるほど、恵子はこの羽賀さんと舞衣さんをなんとかしてくっつけたいと思っているんだ