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研究施設一般公開レポート

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本マガジンには、医薬基盤・健康・栄養研究所、理化学研究所、および、大学の一般公開に関するレポートが掲載されている。 拙レポートにより、自然科学の最先端研究に興味を抱いてくれれば、…
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2024年8月の記事一覧

「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録04:23.放射線で見る

「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録04:23.放射線で見る

2022年10月23日、私は「京都大学 宇治キャンパス公開2022」(以下「宇治キャンパス公開2022」、[1])に一般客として参加した。

特性X線は、各元素に固有な波長の線スペクトルを示すX線である。内殻電離で電子が放出された後、空孔のできた軌道に外側の軌道から電子が落ち込み、軌道電子のエネルギー準位の差に相当するエネルギーが特性X線として放出される。K殻の空孔がL殻またはM殻の電子によって満

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NanoTerasu オープン デイ 訪問記

NanoTerasu オープン デイ 訪問記

2024年07月30日、私はNanoTerasu オープン デイに一般客として参加し、3GeV高輝度放射光施設 NanoTerasu(以下NanoTerasu)を見学した(図01,[1])。

放射光は、加速器によりほぼ光の速さまで加速された電子・陽電子からつくられる指向性の高い光である。非常に強力なX線を含み、その明るさは医療用レントゲンの1億倍以上に達する。X線は原子の大きさとほぼ同じ長さの波

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「描く人、安彦良和」展 見聞録

「描く人、安彦良和」展 見聞録

2024年08月16日、私は兵庫県立美術館(図01)を訪れ、一般客として、「描く人、安彦良和」展(以下同展)に参加した(図02,[1],[2])。

同展は、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦良和(以下敬称略)の創作活動を展望する回顧展である(1,2)。

 『機動戦士ガンダム』(図03)などのテレビアニメ、『機動戦士ガンダム

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「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録03:20.電子顕微鏡で見る結晶の世界

「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録03:20.電子顕微鏡で見る結晶の世界

2022年10月23日、私は「京都大学 宇治キャンパス公開2022」(以下「宇治キャンパス公開2022」、図00.01,[1])に一般客として参加した。

「宇治キャンパス公開2022」内の「20.電子顕微鏡で見る結晶の世界」で、化学研究所 先端ビームナノ科学センター 複合ナノ解析化学研究領域科・大学院 理学研究科 化学専攻 結晶化学分科(以下同分科,[2])はモノクロメータ搭載低加速原子分解能分

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ショコラトルを作ってみた:特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見聞録 番外編02

ショコラトルを作ってみた:特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見聞録 番外編02

ショコラトルは、アステカ王国で、王侯貴族の間で普及していたドリンクである。

収穫したカカオ豆を積み重ねて発酵させた後、乾燥・焙煎させる。焙煎されたカカオ豆は石の上ですり潰され、ペースト状にする。

このカカオペーストにバニラやコショウ、薬草などが加えられ、ときにはトウモロコシの粉が加えられることもあった([1])。

 

2024年03月20日、私は国立国際美術館を訪れ、一般客として、特別展「

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第1章 「和食」とは:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その01

第1章 「和食」とは:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その01

2024年02月09日、私は国立科学博物館を訪れ、一般客として、特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」(以下同展)に参加した(図01.01,[1])。

人類は主に、 糖質を植物性食材から、蛋白質と脂質を動物性食材から摂取してきた。これら栄養素をまかなった食材は地域と時代によって異なるが、概して、植物性食材としては、雑穀 米、小麦、トウモロコシなどの穀物とジャガイモなどの根菜類が、動物性食材と

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デジタル スタンダードのTDPT-Three D Pose Tracker-

デジタル スタンダードのTDPT-Three D Pose Tracker-

2024年08月03日、私はVket 2024 Real in osaka(以下同イベント)に一般客として参加した([1])。

同イベントで、株式会社デジタル スタンダード(以下同社)は、TDPT -Three D Pose Tracker-を展示・紹介した。

TDPTは、エンタメ コンテンツ制作、アプリケーション開発、ゲーム開発、アニメーション作成、医療や介護分野、ならびに、スポーツ分野の研

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04.アステカ テノチティラトンの大神殿:特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見聞録 その04

04.アステカ テノチティラトンの大神殿:特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見聞録 その04

2024年03月20日、私は国立国際美術館を訪れ、一般客として、特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」(以下同展)に参加した([1],[2])。

同展「4 アステカ テノチティラトンの大神殿」での展示物を紹介する。

アステカは14世紀から16世紀にメキシコ中央部に築かれた文明である。首都テノチティトラン(現メキシコ シティ)は湖上の都市で、中央に建てられたテンプロ・マヨールと呼

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