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【悟りへの道、八正道とは?】

【悟りへの道、八正道とは?】

八正道とは、

釈尊の根本説法の一つで、

悟りに到達するための八つの正しい道ということです。

これについて、

『わかりやすい 仏教用語辞典』
(大法輪閣)

に、こう書かれています。

① 正しくものを見る(正見)。

② 正しくものの理を考える(正思)。

③ 正しくことばを口にする(正語)。

④ 正しい業をなす(正業)。

⑤ 正しい命に生きる(正命)。

⑥ 正しく目的に向かって努力する(正精進)。

⑦ 正しく思念をこらす(正念)。

⑧ 正しく心を集中して安定させる(正定)。

八正道について、

人智学の創始者で、

精神世界(精神科学)の巨星、ルドルフ・シュタイナー(1861−1925)は、著書

『シュタイナー 神仏と人間』
(編訳者 西川隆範 風濤社)

の中で、こう述べています。
(144頁〜145頁)

「紀元前六世紀、

菩提樹下に座した菩薩が仏陀になったとき、

地球全体にとって重要なことが生じました。

そのとき、

人間として生きた仏陀のなかに、

同情と愛の教えが現われたのです。

同情と愛の教えを詳述したのが八正道です。

仏陀が同情と愛の教えを自らの内に生きいきと認識できたことをとおして、

人類は将来、

仏陀と同じ体験を持てる可能性を与えられました。

そのとき以来、

同情と愛の教えを認識できる人々が現われ、

偉大な仏陀に倣って、

八正道を実践する生活を送りました。

仏陀が当時体験したことを数多くの人々が体験したとき、

同情と愛の教えは人類のものになります。

高次の領域から地上へ、

つぎつぎと使命が託されます。

いまから三○○○年後までに、

多くの人々が八正道を心魂の能力とするまでに成熟します。

その時点で、同情と愛の教えは人類のものになります。」

八正道が極めて重要な教えであることがお解り頂けたと思います。

八正道について、

シッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)のヨグマタ相川圭子さんは、著書

『八正道』(河出書房新社)

の中で、こう述べています。
(198頁〜202頁)

「まず、すべてをあるがままに、

正しく見るようにしていきます(正見)。

また、正しく思う訓練をします。

好き嫌いの思いを持たないで、

深い慈愛を思いに反映します。

今の思いは過去のさまざまな体験の記憶が影響していると気づきます。

見ることで気づきと浄化が起き、

理解します。

心が軽くなると正しく思う(正思)ことができます。

多くの人は比較や、

嫉妬や、優越感、

怒りなどの自己防衛の否定的な思いを抱えています。

その重い記憶は悪いエネルギーをさらに引き寄せます。

それらを浄めるには瞑想がいいのです。

(中略)

自分の内側を静寂にし、

速やかに心の掃除が進み、

平和な自分になります。

愛が満ちてくれば、

正しい言葉を自然と使えるようになるのです(正語)。

自然に深いところからの愛語が口にのぼってきます。

正しい行動(正業)をし、

人を尊敬して、

人も自分も傷つけないようにします。

人の役に立つよい仕事を行ったり、

自然に無駄を省いた正しい生活を送ったりする(正命)ことができます。

体も大切に扱います。

そうやってよいエネルギーを蓄積していきます。

そして、

今度はそのよいエネルギーを、

正しい方向に育むために精進(正精進)をします。

とらわれのない心で、

まわりの人を幸せにする行為をしましょう。

それが自分のカルマを浄めることになります。

人は常に行動しています。

今までの行為は欲しい欲しいの欲望を満たす行為でした。

その行為の結果、

執着を作り、

それが苦しみを呼び込みます。

そうした執着のカルマを浄めるには、

捧げる行為が必要なのです。

布施や奉仕をします。

さらに人を助け、

人を幸せにするのです。

そうした正しい行為とその道を、

一生懸命に精進します。

自分が変わるとまわりも変わるのです。

よい社会を作ることにもなります。

気づきを持って行います。

エゴが増大しないようにです。

『気づいている』ということは、

目的以外の余計な思いの対象に向かうのではなく、

さまざまな欲望を落とすのです。

瞑想をして内なる旅を始めます。

そして真の目標に向かうのです。

自己でないものを浄めます。

瞑想のなかで雑念が消えて、

『今にいる』という感覚が広がっていきます(正念)。

自分はいったい誰なのかと探求する内側への旅で、

さらに正念が進み、

正定、禅定に至っていくのです。

八正道は悟りへの道です。

深い瞑想となり、

サマディにたどり着くと、

そこには何もありません。

しかし、

それはすべてを生み出す、

創造の源です。

そこからすべてが生まれる永遠の存在です。

人はそこから生まれたのであり、

そこに還るのです。

心や思い、体も変化して、

いずれは消えていくものだということがわかります。

自分の内側の中心が、

すべてが生まれた源とつながっていることもわかります。

すべての形ある見えるものは、

いずれまたそこに還っていくこともわかります。

(中略)

深い瞑想を行い、

すべてが浄化され中心に導かれます。

やがて本当の自分、

創造の源を悟っていくことができます。

そのためにどう生きるのか、

心を正しく使う生き方、

心を浄化し執着を手放す修行方法が、

ヒマラヤ聖者の恩恵である八正道に示されているのです。

『気づく』という教えは、

ヒマラヤ秘教のメインの教えでもあります。

心身を浄化して純粋になった後に、

最終の気づきがやってきます。

本当の自分になり真理を知るという気づきです。

それは自然な現象です。

気づくプロセスで、

心ではなく意識が覚醒していきます。

心を離れて意識のレベルにあるのです。

意識にあることで、

心を離していくことができます。

ただ見ているのです。

あなたはどんどん気づきが深まって、

本当の自分に還ることができ、

完全なる自由を得るのです。」

八正道は、

本当の幸せを掴むための法であり、

絶対幸福を得る道です。

宇宙真理、因縁生起を正しく理解し、

心と身体を浄めましょう。

人格を磨き、

世の為人の為になる生き方をしましょう。

釈尊もヒマラヤ聖者も深く瞑想を行うことにより、

悟りを開きました。

瞑想を日課としましょう。

八正道を実践し、

悟りを開くべく共に精進しましょう。

来たよ

来たよ

覚者の国に

悟りを開いた皆んなと一緒に来たよ

悟りあれ

幸いあれ

『わかりやすい 仏教用語辞典』
(大法輪編集部編 大法輪閣)

『シュタイナー神仏と人間』
(著者 ルドルフ・シュタイナー 編訳者 西川隆範 風濤社)

『八正道』
(著者 相川圭子 河出書房新社)





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高原茂
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