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日記

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500字程度の日記です
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#読書感想文

ニコと愉快なヴェルヴェッツたち

ニコと愉快なヴェルヴェッツたち

  最近になって『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』を聴き直しています。
  この盤には、色々と振り回された経緯があり、再聴することを忌避していたのだけれど、今更になって聴き直している。それはなぜか。ジョー・ハヴァード著の『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』を読み始めたからである。そう、他人が書いた著に触発されて、また改めて聴き直している。ちょろいね、人間って。
  して、この『ヴ

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カフカと沙耶の唄

カフカと沙耶の唄

  この前、沙耶の唄を読んで大変に面白かったものだから、忘れんうちにしっかりとした感想を書いておく。
  沙耶の唄というのは引用をふんだんに盛り込んだ作品であると思う。例えば、作品内でも触れられているように、ストーリーは「火の鳥 復活篇」のオマージュであるし、作品が纏う棘々しさ・異物への恐怖感は、クトゥルフや魔術、ヴィオニッチ手稿などの人智の範疇を超えたものが醸し出す恐怖から引用しているものだろう

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沙耶の唄を読んだ

沙耶の唄を読んだ

 沙耶の唄を読んだ。なんとノベル版なので読んだという方が正しい。アダルトゲームに疎い僕でも知っている、内容を伝達によりフワッと認識しているぐらいには有名タイトル。僕の中に潜むオタクが、あ、やっとスカ?とマウントを取ってきた。うるさいわね。
 そしてこれが、むっさおもしろかった。久しぶりに没頭できる作品だし、手が止まらず一晩で読んだ。ここまで熱を入れて向かい合うことができたのは、何年か前に読んだ新世

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町田康にハマりにハマってる

町田康にハマりにハマってる

 町田康にかなりハマっている。町田の作品を読む→読み終われば思想つよつよの本を読む→次に町田の作品を読む→終わればアメリカ文学を読む→次に町田の…と、読書のルーチンに組み込まれる程ハマりにハマっている。もう心酔していると言っていいかもしれない。
 町田康のなにが僕の琴線に触れたのか。「けものがれ、俺らの猿と」のような酩酊状態のような荒唐無稽で突拍子もない内容か、それとも、「きれぎれ」のような強烈な

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思想トリップと相成り〼

思想トリップと相成り〼

 最近買った本のレビューを読んでいたら、思想トリップができる内容でしたとあった。なんじゃいそれ、LSDでもキメたんかと思って読み始めると、なるほど、こいつは思想トリップですわとなった。
 トリップという単語には多くの意味を持っているがここでは二つの意味に焦点を絞る。一つは、旅や旅行、外出などといった行動を表す意味。もう一つは、薬物使用によるサイケデリックな体験を示す意味がある。右のレビュアーがどち

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暴力の作用

暴力の作用

  暴力について考えております。暴力というのは残酷なもので、身体的に被害を与え、その恐怖感で相手を屈服させる。暴力の本質は、害を与え屈服させる恐怖による支配であると考えてもおります。
  して、なぜそんなことを考えるのか、理由は実に単純で、昨日からアメリカの小説家 コーマック・マッカーシーのブラッド・メリディアンを開いたからである。本作の特徴といえば、暴力、暴力、そして次に暴力と、暴力を冷酷無慈悲

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本好きとフィギュア好きの新居問題はマジでブッ刺さった。助けてくれ。

本好きとフィギュア好きの新居問題はマジでブッ刺さった。助けてくれ。

  最近は文芸に傾倒している文芸ボーイ、称してB-BOYになっているため、B-BOYイズムを高めんとすべく、人生で初めて文芸雑誌を買うなどしました。おお、書いてみるとこんなにも小恥ずかしい。
  こういうのを選ぶ際には、好きな作家がいるかいないかを基準に選ぶものだと思うのですが、小恥ずかしいことに活躍中の作家は村上春樹(しかもアンチ)しか知らない。とりあえず、目に入ったTKOが表紙になっている小説

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口訳 古事記

口訳 古事記

  町田康の口訳 古事記を読んだのでその話がしたい。また町田康かよというツッコミはなしで。最近は本当に彼の著しか読んでいないので、話題がこれしかない。
  で、この口訳 古事記が僕の中ではかなりセンセーショナルな著で、いつか古事記を読んでみたいなと思っていたところに口訳(話し言葉での翻訳)という、かなり読解しやすいものが出てきたのである。実際読んでみると、古事記本来の荒唐無稽さとマチーダテイストが

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おまいわ…万事快調か?

おまいわ…万事快調か?

  「万事快調 オール・グリーンズ」がかなり良かったので本日はその本の話をします。マジで最近、本の話題ばっかりなのはどうかお察しを。人と会わないなら本を読む以外にない。つまり、最高ってこと。
  話を「万事快調」に戻すと、これがかなり面白い。学校社会に馴染めない女子高生3人が学校の屋上で大麻を作り、売りさばいてこんなクソ地元出ていこうぜ!という話。著者の波木銅は本作を書いたのは21歳。そのおかげか

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逆張りの研究を読んだ!!!

逆張りの研究を読んだ!!!

 「20才までに自由主義者でなければ、情熱が足りない。40才までに保守主義者出なければ、知能が足りない。」というウィンストン・チャーチルの言葉があるらしい。別に僕はチャーチルの支持者ではないし、ブリテンのことが好きなわけでもない。今これを読んでも、うっせわ!としか思わない。それでも、魚の小骨のように突き刺さり、初めて目にしたときからずっと心に残り続けている。
  30代になって20代のことを思い返

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モーヲタを証言しる!

モーヲタを証言しる!

 『証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代~』を読みました。今年読んだ本の中ではダントツで面白い&くだらなかったので、どうしても感想を書きたい。やばいぜこの本は。いつ発売なんだろ?と思って確認したら2021年発売。自分のサブカルアンテナの鈍化を感じたZE。
 この本はタイトルの通り、「モーニング娘。のヲタクが狂っていた時代」にフォーカスを当てており「モーニング娘。がどれだけすごかったか」の話では

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映画の解剖

映画の解剖

 押井守の話をします。なぜなら「映画の正体 続編の法則」を読み終えたから。この本は、続編・シリーズもの・リブートといった続編映画・監督に押井守がフォーカスして解剖していくものになっています。密度が高い内容で、なにより対談形式なのでかなり読みやすい(かなり重要だと思っている)。大満足!
 押井が関わる近年の著作(対談形式含む)や過去の著作に目を通していると、アニメーションの人というイメージが腐食され

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