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沙耶の唄を読んだ
沙耶の唄を読んだ。なんとノベル版なので読んだという方が正しい。アダルトゲームに疎い僕でも知っている、内容を伝達によりフワッと認識しているぐらいには有名タイトル。僕の中に潜むオタクが、あ、やっとスカ?とマウントを取ってきた。うるさいわね。
そしてこれが、むっさおもしろかった。久しぶりに没頭できる作品だし、手が止まらず一晩で読んだ。ここまで熱を入れて向かい合うことができたのは、何年か前に読んだ新世界より以来かもしれない。ここ最近はガッチガチの文学と呼ばれる文章と向かい合っていたので、読みやすい軽いタッチの文章が読書スピードを加速させたのかもしれない。
して、少し参ったことに、ノベル版はノベル版独自のエンディングを採用している。勉強不足の身なので、原作ゲームは未プレイ。故にどのエンディングが基に…?という状態。こういうことを書くと、僕の中に住まう原作厨が、え、やってないんスカ?と大暴れしている。
わかる、わかるぞ原作厨。大体の道筋は原作を辿っているが、終幕だけは少し違う。機動戦士Zガンダムを劇場版で観ました!と言われた時のもどかしさと同じだろう?あんなもんはZじゃねぇ!と言いたいところだけど、富野由悠季が再編集やってるしな…という歯痒さ。それと同じだろう?知らんけど。
にしても良い作品だった。数多の人が面白い面白いと言う気持ちもわかってきたし、機会を設けてきちんとした感想を書きたいとすら考えている。そういう求心力の強さも魅力の一つだと思うし、なにより10代辺りに出会わなくて良かったなと思う。絶対にこじれるだろうから。
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