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飛び降り自殺未遂レポ

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2020年8月17日、13階建ての建物の屋上から飛び降り自殺を図るものの、助かっちゃった人の入院日記。
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#映画

映画「はじまりのうた」観た

映画「はじまりのうた」観た



プロデューサーの頭の中で、主人公の歌に楽器が加わっていってセッションになるシーンがとても素敵。

愉快な仲間たちと開放的に演奏するパートが主になる。

人生の目標に向かって生き生きと前進する姿が眩しいや。

互いのことを信頼し合って、
足踏みしてる人生が動き出し、
もうダメかと思った問題もいい方向へ向かっていく。

曲のアレンジで揉めた後、ふたりの原点に立ち返ったバラードで全体を締め括る。

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栗日記55:グラン•トリノ

栗日記55:グラン•トリノ



少年とオヤジの絆を描いた作品に弱い。

「菊次郎の夏」とか。

「天気の子」にも少しその要素があってたいへん胸がいっぱいになる。

“男の会話”をタオに仕込んでるシーンが好きすぎる。

あれだけやっといて急に常識的なことを言い出すあたり、オヤジ共はかなりのやり手だった。

愛車は単なる移動手段じゃない。

自己表現であり、魂であるということ。

コワルスキーの魂はタオに受け継がれた。

最初は

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栗日記54:グレイテスト・ショーマン

栗日記54:グレイテスト・ショーマン



見どころがたくさんある映画は、もしかしたら2周目が一番楽しいのかもしれない。

初見では気づかなかった発見に溢れているから。

私も飛び降りなんてする前にこの映画見返せばよかったかも。

主人公の子供役の子達が大変可愛らしい。

バレエシューズもらって、嬉しくてくるくる回ってるシーンはもう悶絶。

一つの映画のために何曲も名曲を作る人がいる。
すごすぎる。

個人的には、サーカス団員が暴徒たち

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栗日記 リハビリ編51

栗日記 リハビリ編51

20歳の時くらいから、映画にはまり始めた。

あんなに大好きだったはずのアニメから徐々に離れ始め、気づいたらほとんどアニメを見ない人間になっていた。

趣味と言うのも変遷していくもので、一般的なオタクたちが社会に出るにつれて、オタクではなくなっていくようなものなのか。

オタクがオタクじゃなくなるなんてなんだかつまらない。

客観的に見てつまらないと思わせるおじさんにはなりたくない。

死んでさえ

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栗日記 リハビリ編46

栗日記 リハビリ編46



私はモーガン・フリーマンが好きでたまらない。

どの作品で、どの役であってもすごくいい味を出してるよね。

旨みそのものみたい。

連鎖する暴力の果てに、終盤になってキッドが実は人を殺したのは初めてだと告白するシーンが大好き。

「信じられるか」
「あいつもう息をしないんだ」
と泣きながら言うキッドは初々しくてとってもかわいい。

「殺人を非道な行為だ」
と改めて言うマニーの言葉には重みがあり

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栗日記 リハビリ編44

栗日記 リハビリ編44



「ボヘミアン・ラプソディ」でラミの演技を見比べてみると、雰囲気が違いすぎてもはや比べられない。

演技って本当に凄い。

コメディにはやっぱりこれぐらいの大団円が似合う。

ヒュー・ジャックマンが本人役で出てきて大分ビビった。

死にたがっていた私を死なせてくれなかった上に、左手まで持っていった神様が若干憎い。

実際には、もっともっと重篤な障害が残っているはずだったところを、左腕の後遺症だけ

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栗日記 リハビリ編41

栗日記 リハビリ編41



奇跡。
かわいいの奇跡。
すずちゃん、あなたは奇跡。

「ブルーアワーにぶっ飛ばす」を観て以降、夏帆さんが好き。あのなんともいえない、脱力した雰囲気。

日本の映画は、「なんか気が重くなる」とか「テンポが悪い」とか言って、今まで見てこなかった。

今後はもう少し見てみようかなと思う。

個人的に好きなのは佳乃ねーちゃんがお葬式終わって速攻でビール飲んでたところ。

今日は訪問看護があった。

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栗日記 リハビリ編40

栗日記 リハビリ編40

左腕の肘が以前よりもさらに動きやすくなった。

今までのように背筋を意識しなくても、肘を曲げようと思えば曲げられる。

今日は精神科の診察があった。
「自殺願望はなかなかなくならないね」という話をした。

先生はどちらかというと、僕の話より、
僕の様子を見ている両親の意見の方を聞きたがっているように見えた。

映画をたくさん見ていると、そのうち映画を見ることに脳が慣れてくる。

物語は視聴者が「こ

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栗日記 リハビリ編38

栗日記 リハビリ編38



ローマな漢たちのキン肉に見惚れる。

完成された肉体を持つ男達で画面は埋め尽くされ、何やら暑苦しい会議が始まる。

しかし筋肉が生み出す反射光の魔術により映画に集中できない。

しかしそれはこの映画のたくさんある見どころの一つに過ぎない。

主人公ジュダ・ベン・ハーの真っ直ぐすぎる瞳に射抜かれたら、どんな人間のハートもイチコロ。

そして顔は見えないイエス様。

当時の時代背景では、神も悪魔も

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栗日記 リハビリ編33

栗日記 リハビリ編33

今日は訪問看護があった。

毎回来てくれる相談員のお姉さんは、
話を最後まで遮らずに聞いてくれるし、
間を置きすぎても待ってくれるし、
優しい声をかけてくれる。
話しやすい。

相談員さん「飛び降りる前に、一番気にしていたことは何?」

私「お金を稼いでいないこと。働いてないこと。働くことを促されること。」

働くことは嫌だ、そもそも普通の人になるように促されるのも嫌だ。

今、障害者になった私に

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栗日記 リハビリ編32

栗日記 リハビリ編32



ここまで名優揃いだとなんだかお祭りみたいで楽しい気持ちになってこない?

「レ・ミゼラブル」

普通に話してる時間より歌ってる時間の方が長いとてつもない映画。

俳優が務まっているだけでもすごいのに、なぜみんな歌まで超上手いのか。

「ロケットマン」ではタロンくんもスーパー歌唱力を披露してた。

「しぶとさ」がそのまま人の形になったようなラッセル・クロウもとてもいいキャラだった。

経験上、自

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栗日記 リハビリ編31

栗日記 リハビリ編31



時代が今とはまるっきり違う舞台を映画化する時、世界観をまるまる作り上げる必要がある。

小道具から大舞台まで、どれだけの手数と労力がかかるのか想像もつかない。すごすぎ。

ホアキン・フェニックスを追いかけて「グラディエーター」を観る。

青年ホアキンの時点で、こんなにも屈折した人物を演じ切る。

怒りに震えてわなわなする演技は、「ジョーカー」でも生かされていたと思う。

彼は、人として大切な何

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栗日記 リハビリ編30

栗日記 リハビリ編30



「イージー・ライダー」

「ロードムービーの主人公は幸せにならない」という変なセオリーが自分の中にある。

「イン・トゥ・ザ・ワイルド」
「テルマ&ルイーズ」

全部私は大好き。

旅の果てに命まで失うことになるなんて悲しい。

ジャック・ニコルソンが「カッコーの巣の上で」の時とほとんどおんなじ風貌で現れていてよかった。
「バットマン」でもそうだけど、あなたはどこにいてもアウトローなんだね。好

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栗日記 リハビリ編28

栗日記 リハビリ編28



「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

「ドッグヴィル」を観た時にも感じたこの不条理さ、それに対する嫌悪感。

終盤にセルマが言った、「ミュージカルでは恐ろしい事は起きないもの」という台詞が印象に残る。

主人公セルマが纏う、どこか懐かしいやわらかな雰囲気。まさしく「母」の風格…と勝手に感じた。

人間ってこんなにも醜くなれるのか…と思わせる登場人物たちの醜行。もう勘弁して。

トリアー監督は「ハウ

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