さのようへい/佐野洋平 「かわら版」

地域を守り、未来をつくる。米沢市在住。北海道大学大学院法学研究科修士課程修了。米沢市議…

さのようへい/佐野洋平 「かわら版」

地域を守り、未来をつくる。米沢市在住。北海道大学大学院法学研究科修士課程修了。米沢市議会議員(2023,5~1期目)、会社役員、ゆきんこ(雪割納豆)、まちづくり団体理事。名古屋大学大学院環境学研究科博士課程・社会環境学専攻。かわら版は、毎週1回更新の、米沢市議会議員活動報告です。

最近の記事

かわら版No.73 どうなる? 米沢市のふるさと納税 南魚沼市のふるさと納税から学ぶ

いつもお読みいただきありがとうございます。 いよいよ11月に入り、山には雪が、里では冬支度、ふるさと納税はかきいれどきを迎えます。ふるさと納税は、11月そして12月がもっとも寄附金額が多くなる月と言われます。 さて、米沢市の場合、令和6年度は、ふるさと納税の予算達成がとても重要です。かわら版No.54とかわら版No.37でも言及しておりますが、未達成の場合、米沢市長の答弁にもありましたとおり“予算に穴があく”からです。 この点、令和6年度のふるさと納税市場は、全体として

    • かわら版No.72 米沢の“〇〇街”を元気にするには?

      いつもお読みいただきありがとうございます。 連休の文化の日とその振替休日、令和6年度米沢市表彰式では、ご受章された皆々様のご功績とご献身に深く敬意を表させていただきました。また、秋田公立美術大学の大学院の学生さんの草木塔の調査にアテンドして、米沢の草木塔についてご案内申し上げました。振替休日は、見事な秋晴れの中での町内会の芋煮会や再エネに関する勉強会など、文化の日を気持ちよく過ごすことができました。 さて、米沢市政においては、今時期は来年度当初予算について各担当課では予算

      • かわら版No.71 日本一のアーケード商店街 視察地・香川県高松市から考える

        日頃よりお読みいただきありがとうござます。 今回は、前回につづき、視察地・香川県高松市からです。米沢では、中心市街地の繁華街が力を失って久しいわけです。最も一等地された街の中心地には、ドラックストアが建っています。米沢市の中心市街地政策は、米沢らしさという点では、残念ながら上手くいっているとは言えません。 この点、香川県高松市は、日本一のアーケード商店街があります。総称・高松中央商店街は、8つもの商店街で構成される総延長約2.7キロのアーケード街です。日本一の長さを誇り、

        • かわら版No.70 地方都市の“ちから”とは? 視察地・香川県高松市から考える

          日頃よりお読みいただきありがとうございます。 秋も深まり、地元米沢市では、秋の風物詩の芋煮会で、賑わっております。また先週末の第一回よねざわ戦国花火大会は、これまでにない盛況ぶりで少なくとも13,000人の方々が秋の夜空を華麗に彩ったエンターテインメント花火をご観覧いただいたとのことです。老若男女問わずではありますが、特に来場者に若者たちが目立ったことは、まちの隆盛は若者にあり!彼ら彼女ら若者が住みやすく住み続けられるまちをどう描き実現していくのか、政治は責任を負わなければ

        かわら版No.73 どうなる? 米沢市のふるさと納税 南魚沼市のふるさと納税から学ぶ

          かわら版No.69 再生可能エネルギーに関する条例について

          いつもお読みいただきありがとうございます。 今週末は、『草木成仏の思想』の著者で、東京大学名誉教授の末木文美士先生を講師にお招きした草木塔・市民公開講座に関わらせていただきました。米沢では、草木塔を通じて、自然への畏敬や感謝、最近ではSDGsによる地球規模での環境保全などの高まりを感じます。また、末木文美士先生のご研究の成果である米沢との縁もある大学者・安然の草木自成仏説のお話を通じて草木塔の建立の新しい論点とその可能性を考えることができました。 あらためて、米沢は、豊か

          かわら版No.69 再生可能エネルギーに関する条例について

          かわら版No.68 公共政策のスケール(規模拡大)について、米沢市を例に考える

          いつもお読みいただきありがとうございます。 さて、今年も10月に入り、残すところ、あと3ヵ月です。今月中旬には、衆議院選挙が告示され、27日に投開票となる予定です。株価や為替の変動も気になりますが、やはり、足元の景気・経済が気になります。特に年末に向けて、何らかの消費刺激策の実施を、国や県、市に実施してほしいところですが、示されていません。ここは口を酸っぱくして言いますが、日本の長期経済停滞は、地方における消費不況(消費の低迷)が原因なわけですから、経済対策として断続的な消

          かわら版No.68 公共政策のスケール(規模拡大)について、米沢市を例に考える

          かわら版No.67 (仮称)栗子山風力発電事業が、白紙撤回に至るまで【記録・保存版】

          いつもお読みいただきありがとうございます。 9月27日、栗子山風力発電事業は、報道でもありましたとおり、事業者(JR東日本エネルギー開発株式会社)から米沢市に対して、事業を取り止める旨の申出がありました。 今回は、記録・保存のためにも、栗子山風力発電事業は、なぜ白紙撤回に至ったか、を要点をまとめておきたいと思います。 まず、公開情報として、山形県の環境影響評価法に基づく案件・法09:(仮称)栗子山風力発電事業があります。公表された令和元(2019)年7月3日から取り止め

          かわら版No.67 (仮称)栗子山風力発電事業が、白紙撤回に至るまで【記録・保存版】

          かわら版No.66 米沢の芸術・アート

          いつもお読みいただきありがとうございます。 今週末9月21日(土)から9月29日(日)まで米沢市内では、手作りのアートイベント、ミナミハラアートウォークが開催中です。 オープニングイベントでは、今年は、山形大学工学部建築デザイン学科のサークルの方々が作製したコンクリートのイーゼル作品の寄贈や、米沢の民謡一家さんの太鼓公演、参加作家さんお一人お一人の紹介がありました。会場は、南原小学校のコモンホール、地元から現場から何かを作ろうとする姿勢が、垣間見えます。 米沢という土地

          かわら版No.66 米沢の芸術・アート

          かわら版No.65 よねざわジャポニスム

          日頃よりお読みいただきありがとうございます。 9月は連休も多く、残暑厳しいものの、初秋、行楽日和、米沢のまちもさまざまなイベントで賑わいを見せています。海外のインドネシアでも、米沢藩家老の直江兼続の愛の兜(武禘式保存会)が海を渡り、とても人気を博したとのことです。 先だっても、上杉神社稽照殿(宝物殿)が管理するかの有名な上杉謙信公の白頭巾が修復に出され話題となりましたが、米沢においては、米沢藩上杉家は、米沢のアイデンティティの一つではあることは疑い得ません。 私も、今年

          かわら版No.65 よねざわジャポニスム

          かわら版No.64 令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」(全文版)

          いつもお読みいただきありがとうございます。 この度は令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」の全文をお届けします。(今回は長文のため、ポイントは、太字にしています。太字を拾い読みいただくだけでも内容が理解できると思います。また、一般質問での再質問は、要約・ダイジェストとしました。以下の目次を活用くださいませ。) 【はじめに】 演壇冒頭 (0:00~9:30) (1)米沢市長の答弁 (10:00~16:02) 佐野議員のご指摘の通り米沢市は8

          かわら版No.64 令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」(全文版)

          かわら版No.63 「栗子山風力発電事業」から、見えてきたもの

          いつもお読みいただきありがとうございます。 議会は、9月は定例会です。9月定例会は、昨年令和5年度の米沢市歳入歳出決算書などを集中審議する決算特別委員会があります。また、佐野洋平としては、9月議会の中での令和6年9月定例会の提出予定議案にあります米沢市民の方から提出された(仮称)栗子山風力発電事業の請願(仮称)栗子山風力発電事業の白紙撤回を求める請願に紹介議員として関わり、一般質問※も行います。 もっとも、(仮称)栗子山風力発電事業については、既に報道もありましたとおり令

          かわら版No.63 「栗子山風力発電事業」から、見えてきたもの

          かわら版No.62 郷土の偉人・伊東忠太博士

          いつもお読みいただきありがとうございます。 本日は、第33回鷹山公シンポジウム「改めて伊東忠太の世界を探るー忠太没後70年にあたってー」に参加させていただきました。主催は、上杉鷹山公と郷土の先人を顕彰する会(略称 先人顕彰会)です。主な活動は、年に1回の講演会・シンポジウムと、我妻栄記念館で隔月1回実施される勉強会「火種塾」です。私も火種塾には会員として参加させていただいております。 今日は、年に1回の講演会・シンポジウムでした。テーマは、建築家・伊東忠太博士の功績を改め

          かわら版No.62 郷土の偉人・伊東忠太博士

          かわら版No.61 “スポーツのまち、米沢”は、可能か?

          いつもお読みいただきありがとうございます。 米沢市民の皆さんは、米沢市公共施設等総合管理計画を、ご存じでしょうか。おそらく知らない市民の方も大勢いらっしゃると思います。この計画は、平成29年3月に策定され、令和4年3月に見直しが行われ、現在に至っています。内容は、公共施設等の老朽化に伴う“公共施設の長寿命化”と人口減少に伴う持続可能な“公共施設の統廃合・財政負担の軽減・平準化”です。 要するに、今ある公共施設を、新しくするのではなく、使えるものを直して、役割を終えたものは

          かわら版No.61 “スポーツのまち、米沢”は、可能か?

          かわら版No.60 米沢市は、2日間総雨量364mmで、氾濫します。

          いつもお読みいただきありがとうございます。 近年の豪雨災害は、いつどこで起きてもおかしくない、地球温暖化の影響は、私たちの想定を大きく上回るかたちで進行しています。 今も復旧作業が続く、先日の県内の記録的大雨の1日間24時間に降った雨の量は、山形県の新庄市で389mm、真室川町で384 mm、酒田市で289 mmでした。死者3名を含む甚大な被害となっています。 では、米沢市の想定はどうでしょう?2020年保存版として各世帯に配布された「米沢市防災マップ」では、次のように

          かわら版No.60 米沢市は、2日間総雨量364mmで、氾濫します。

          かわら版No.59 山形県西川町に、学べ!!

          いつもお読みいただきありがとうございます。 この度は、先日伺った山形県西川町から、菅野町長の行政運営について、その講話のお話を致します。 1つ目は、西川町のキーワードを“寛容性”としていたことは、印象的でした。すなわち、物事をおおらかに受け入れることができる気質や気風です。実は、この寛容性が、人口増減にはとても重要です。人口が増加傾向にあった沖縄は、人やまち、地理的条件において、寛容性が高いとされています※。西川町が、これからどのような寛容な地域を目指す政策を推進し実行す

          かわら版No.59 山形県西川町に、学べ!!

          かわら版No.58 米沢の食と風景 ~米沢の食の政策とその基礎理論~ 米沢ごはん・第1回

          いつもお読みいただきありがとうございます。 私たちは、あちこちに残る歴史の断片を、どんな小さな欠片だとしても、それを尊重し、この上なく大切にする気持ちはあるでしょうか。地元の食材たちを大事に、舌で楽しむだけでなく、その歴史や文化をも、美味しくいただく気持ちを有しているでしょうか。 米沢市において、骨太の食の政策を考えていく、必要があります。 次の引用は、1878年(明治11年)6月から9月にかけて上杉藩領であった置賜地方を訪れた英国人女性のイザベラ・ルーシー・バードの著

          かわら版No.58 米沢の食と風景 ~米沢の食の政策とその基礎理論~ 米沢ごはん・第1回