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かわら版No.64 令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」(全文版)

いつもお読みいただきありがとうございます。

この度は令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」の全文をお届けします。(今回は長文のため、ポイントは、太字にしています。太字を拾い読みいただくだけでも内容が理解できると思います。また、一般質問での再質問は、要約・ダイジェストとしました。以下の目次を活用くださいませ。)

栗子山風力発電事業について
(1)栗子山風力発電事業に対する米沢市長の見識と見解、その評価等について
(2)栗子山風力発電事業に関する米沢市の行政手続上の対応について
(3) 米沢市が把握する栗子山風力発電事業の現場状況とその評価について
(4)栗子山風力発電事業と景観法や米沢市景観条例との関係ついて
(5)事業説明会に対する米沢市の評価について

【はじめに】 演壇冒頭 (0:00~9:30)

この度の一般質問は、栗子山風力発電事業について質問致します。
現在事業計画段階にある栗子山風力発電事業は、正式な事業名称は(仮称)栗子山風力発電事業として、JR東日本エネルギー開発株式会社が、令和元年(2019年)7月3日に公表した事業です。

事業者によると、当該事業の内容は、米沢市と福島市の境界付近の栗子山南側山稜上に高さ最大168 mの風力発電機を最大10基建設しようとするものです。発電所出力は最大34,000KWであり、これは年間一般家庭約26,000世帯分となります。対象事業実施区域の面積は約260ha、改変面積約31haの大規模な事業です。運転開始予定は2029年3月、事業予定期間は20年間です。

しかしながら、当該事業には重大な懸念も示されてきました。対象事業が周辺の自然環境、地域生活環境などに与える影響について、一般の方々や地域の特性をよく知っている住民の方々、地方公共団体などの意見を取り入れながら、決められた流れに沿って事業者自らが調査・予測・評価する環境影響評価手続き所謂環境アセスメントでは、特に、令和6年(2024年)8月26日の山形県知事意見では、谷筋の大規模盛土の土砂崩壊による土石流の発生や対象事業実施区域内に地すべり地形が存在することから、本工事に伴う地すべりの発生など、土砂災害の懸念、さらに対象事業実施区域内は、絶滅が危惧される二ホンイヌワシの飛翔が多数確認され、重要な採食地・狩場になっており、対象事業実施区域近傍で営巣している蓋然性が高いとして、事業の取止めも含め、抜本的な事業計画の見直しを求められています。さらに、この同年8月29日には、米沢市長は、当該事業の必要性や不可逆性、本市の自然や環境、景観、精神文化との調和、本市への地域裨益などを総合的に熟慮・検討した結果として、当該事業の全面白紙撤回を求めました。

このような山形県知事、米沢市長による意見や申し入れの背景には、栗子山風力発電事業の懸念点や問題点を踏まえ、米沢市や米沢市議会、米沢市民への啓蒙活動や署名活動を通じて、米沢市民の知る権利へ奉仕された米沢市民の有志の方々の存在があったことは、ここで一言申し上げておきたいと思います。

現在、国際的な地球温暖化防止、環境保全の流れは、再生可能エネルギー等の導入によるカーボンニュートラル(脱炭素化)によるだけでなく、再生可能エネルギーの不適切な導入を止揚することを含め、生物多様性の損失を阻止し自然資本を増やしていくことを意味するネイチャーポジティブ(自然再興)※の考え方が主流になりつつあります。気候変動対策と生物多様性保全は、どちらも将来世代につながる極めて重大な問題であり、一方の問題解決のためにもう一方を犠牲にすることは望ましくありません。これらがどちらも両立するような最適解を思考錯誤の中で模索し政策実行していくことこそが、米沢市のような豊かな自然環境、生物多様性、歴史文化、精神風土が醸成され保存された美しい山岳盆地のまちの未来像はずです。

※ネイチャーポジティブ(自然再興)は、生物多様性の損失を阻止し自然資本を増やしていくことを意味します。
環境省 https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/eye/20240214.html

私も、米沢市民の方々と栗子山風力発電事業の内容や実態を学び調査する中で多くの課題が見えてきました。一言でいえば、なぜ、いまだに米沢市民に十分に事業内容が理解されていないのか。つまり、情報公開・情報の見える化はもちろん、それだけでなく内容の理解・わかる化、そして何が大切で大事なのか・重み付け化することで説明責任・アカウンタビリティを果たす必要があります。米沢市長による全面白紙撤回の申し入れという大きな判断がなされた今現在においても、その大きな判断がなされた事業自体の前提事実とその詳細内容につい米沢市民の皆様の間には情報格差があります。

そこで、具体的質問内容は、以下となります。
栗子山風力発電事業について
(1)栗子山風力発電事業に対する米沢市長の見識と見解、その評価等について
(2)栗子山風力発電事業に関する米沢市の行政手続上の対応について
(3) 米沢市が把握する栗子山風力発電事業の現場状況とその評価について
(4)栗子山風力発電事業と景観法や米沢市景観条例との関係ついて
(5)事業説明会に対する米沢市の評価について

演壇からの質問は以上となります。

令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」演壇冒頭

(1)米沢市長の答弁 (10:00~16:02)

佐野議員のご指摘の通り米沢市は8月30日に私が記者会見を開き栗子山に風力発電事業を計画しているJR東日本エネルギー開発株式会社に対して同事業を全面撤回を求める申し入れを29日に行ったことを発表いたしました。以下同事業に対する見解そして経緯をご説明申し上げます。

本来風力発電などの再生可能エネルギーの導入は、エネルギーの脱地球温暖化対策に資するものであり地球温暖化防止を進めていく上で非常に重要な取組みであります。しかしその導入にあたっては関係法令等を遵守するとともに環境保全に配慮し地域との共生・住民の理解が欠かせないと考えます。

当該事業者はこれまで環境影響評価準備書の手続きを進めるなか住民からの事業計画に対する様々な意見や事業への懸念に対し誠実かつ丁寧に説明してきたとは言えず住民の理解が得られたとは言い難いと認識しております。本市としても準備書に対する意見において市民の理解が必要不可欠であり事業者として説明責任を果たすよう求めてまいりました。また、住民の意見を真摯に受け止め事業計画に適切に反映されない場合は事業計画を是認しない可能性があるとして、5月10日付けで事業提出し事業者に対し対応を求めてきたところであります。当該事業者は本市意見書や住民からの意見等を踏まえ本年8月4日及び5日に住民説明会を開催されましたが、極めて不十分な回答が多く市民の理解が得られたとは言い難いものでありました。従って翌8月6日に事業者に対して早期に追加説明会を開催すること、また準備書会議録の公開を文書でまた本市への地域貢献内容の提案を具体的な地域貢献の内容を具体的に提案するよう求めてまいりましたが、 8月26日の事業者の回答は本市が期待するものとは大きく異なるものでありました。同事業者には本市や住民との協力関係を構築する意欲がかけていると受け止めております。さらに8月26日に発表されました山形県知事意見書ではイヌワシの保全、造成地の崩壊及び土砂留出事故等様々な懸念や必要な調査対策を講ずることを求めており極めて厳しい内容になっております。特にイヌワシの保全については県独自の調査や専門家からの意見を踏まえ事業の取りやめも含めた抜本的な事業計画の見直しを求めるという内容となっておりました。これは事業の根幹に関わる重大な懸念であり本市としても重く受け受け止める必要があると考えます。

このような状況を踏まえ市民や専門家からの懸念や指摘リスクが完全に解決されない場合に起きてからでは後戻りできない状況に陥る恐れのある不可逆性、本市の自然や環境景観安全性、さらには本市への地域益など総合的に熟慮検討した結果、本市としては本事業をこのまま進めるべきではないと判断いたしました。庁内幹部と協議をし申し入れ書の形で提案することを決断 した次第であります。以上のことから8月29日に同社本社を訪問し社長と面談し全面撤回を求める申し入れをした次第であります。今回の申入れは現在進められている環境影響評価表いわゆる環境アセスメントの枠外の意思表示であります。しかし環境アセスメントの手続きの中で計画の見直し等により改善が仮に図られたとしても多くの市民の不安を払拭するのは極めて難しいと考えます。

対話と実行が私の信条であります。これまでの市民の方々との対話、事業者との意見交換、山形県の見解等々を総合的に検討し事業の撤回を申し入れました。最後に事業者の親会社鉄道という公益事業を担う東日本旅客鉄道は本市にとってはある意味パートナー企業のような存在であります。だからこそその子会社であるJR東日本 エネルギー開発株式会社においては立地自治体である本市の考えを十分に受け止め再考をお願いしたいとこのように考える次第であります。

令和6年9月定例会・佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」(1)米沢市長・答弁

(2)(5)市民環境部長の答弁 (16:25~19:52)

始めに(2)栗子山風力発電事業に関する米沢市の行政手続き長の対応についてですが、現在環境影響評価の5段階のうち3段階目準備書手続きが行われている現状ですが、令和元年8月7日には1段階目の計画段階環境配慮書について、また令和2年5月19日には2段階目の環境影響評価方法書について、そして令和6年5月10日には3段階目の環境影響評価準備書について、それぞれ市長意見を山形県知事に提出をしております。

この他事業者から本市への届出として事前調査用の風況観測塔を設置する際に立ち木を伐採する必要があるため、森林法に基づく伐採及び伐採後の造林の届出書が令和元年度から令和5年度にかけて本市に対して届出されております。担当課ではその内容を十分確認し米沢市森林整備計画に適合していることを確認しております。また伐採が完了した際に提出が義務付けられている伐採にかかる森林の状況報告書についても提出をされております。

さらに景観法に基づく届け出として令和3年から令和5年にかけて風況観測塔の設置に関する届け出が2件、仮設道の造成に関する届け出が1件、提出されております。いずれの届出についても米沢市景観計画の景観形成基準に適合していることを担当課にて確認をしているところです。また令和4年度には連携開閉所予定地に関して農地除外要望書農政課に農地転用申請書、農業委員会に埋蔵文化財発の届出を教育委員会宛てにそれぞれ提出をされているものでございます。

次に(5)事業説明会に対する米沢市の評価についてお答えいたします。本市意見書や住民からの意見等を踏まえて開催されました8月4日から5日の説明会の開催にあたりましては、住民への分かりやすい説明を要請し本市への裨益地域貢献を具体的に示した上で質疑の方法を工夫するように事業者に要請したところでございますが、本市の意向に沿うような説明会ではなく今後検討すると答えた場面も多く質問や意見に対する回答は誠意が感じられず住民の理解を得られたものではなかったとの印象を持ったところでございます。このため翌8月6日には事業者に対し追加説明会の開催や準備書、会議録の公開、本市への地域貢献内容の提案を求めました。その回答につきましては8月26日に事業者から提出されましたが、本市が期待する内容とは大きく異なるものとなっており、本市や住民との協力関係を構築する威力が欠けていると捉えているところでございます。

(2)(5)市民環境部長の答弁

(3)産業部長の答弁 (20:10~21:55)

(3)に関して森林法に基づく届け出についてお答えをいたします。森林法に基づく事業者から本市へ提出されている届出は風況観測塔の設置に関する9件の伐採及び伐採後の造林の届出書と伐採完了の際に提出する伐採に関わる森林の状況報告書となります。本年5月14日には環境課、森林農村整備課、都市計画課が事業者立ち会いの元で現場状況を確認いたしましたが、その結果現場と届出内容との間には齟齬がないことを確認しております。

しかしながら、仮設道の造成工事については事前協議の中で、その工事区域のほとんどが直径の小さな灌木で構成されているとのことから、伐採及び伐採後の造林の届書の対象外として進めておりましたが、現場確認では一部に直径の大きな木の伐採跡が見受けられました。この件につきましては現場確認時に事業者に対し口頭指導を行い、その後市と県で協議を重ねた結果、小規模林地開発計画書を県へ提出するよう事業者に対して是正指導を実施し、本年7月30日に提出されたことを確認しております。今後も森林法が円滑な運用をされるよう務めてまいります。

(3)産業部長の答弁

(3)(4)建設部長の答弁 (22:10~32:40)

(3)米沢市が把握する栗子山風力発電事業の現場状況とその評価についてのうち景観法に基づく届出についてと(4)栗子山風力発電事業と景観法や米沢市景観条例との関係についてお答えいたします。

栗子山風力発電事業の事業者から本市へ提出されている景観法に基づく行為の届けでは、先ほど市民環境部長から答弁があった通り風況観測塔の設置に関する届出が2件で仮設道路の造成に関する届出が1件となります。なお、仮設の造成に関する届出1件については事業者から行為の着手はしていないとお聞きしているところでございます。

本年5月14日には環境課、森林農村整備課、都市計画課が事業者立ち会いの元で現場状況の確認をいたしましたが、その結果風況観測塔の設置に関する届け出2件につきましては現場と届け出内容とには損はないことを確認したところであります。しかしながらすでに整備が完成している作業道につきましては、事業者より土地の形質の変更面積は延長に切土盛土を含めた平均4mを生じた範囲であり届出対象基準の3,000㎡を超えていないため対象外である旨の説明を受けておりましたが、図面と現地を照合しながら確認作業を行ったところ、切土盛土を含めた平均幅が事業者説明の4mより広い可能性などがあり、結果として届け出対象面積の3,000㎡を超える疑義が生じたことから、事業者に対し既設の作業道の出来型計測を行った上でその結果を提出する事を要請したところであります。なお現在の状況ですが、事業者から出来型計測の結果が示され作業道の面積が3,000㎡を超えているとの報告を受けたことから、本市といたしましては出形計測結果の元に現地にて計測し事実の把握を行うべく現地確認の日程を調整しているところであります。また合わせて事業者に対し3,000㎡を超えた経緯について理由書の提出を求めております。今後につきましては無届けでの行為の着手案件として確定した場合には、法律に照らし合わせながら事業者に対し適切に指導してまいりたいと考えております。

次に、(4)栗子山風力発電事業と景観法や米沢市景観条例との関係についてどのような法律関係があるのかについてお答えいたします。景観法は我が国の都市農山村農産漁村等における良好な景観を形成するため景観計画の策定その他の施策を総合的に講じることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図りもって国民の生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的にしているもので、本市の景観条例はこの景観法が委任する景観計画の策定や景観形成を進める上で本市独自の事項などを定めることにより豊かさと安らぎを感じ市民が誇りと愛着を持てる景観を形成し持って市民生活の向上に資することを目的に制定しているものでございます。 

風力発電事業につきましてはその立地によって周囲の景観に大きな影響を与える可能性があり特に山間部など自然環境が豊かな地域ではその美しい景観が損なわれる懸念があるため、一定規模以上の風力発電事業は景観法に基づく手続きを踏むことが規定されております。ご質問の栗子山風力発電事業は景観計画区域内の自然景観保全地域に位置し、高さ168mの工作物10基を新設予定とされており、当該行為は届け出基準の高さ13mを超えることとなることから景観法の届け出が必要となるものであります。

次にこれまで本市における風力発電事業の際の具体的な事例に対する法律関係の適用当てはめについてお答えいたします。これまで本市で受理した風力発電設備は板谷地区で整備された風力発電設備4機がありますが、風力発電設備におきましても景観法に基づく届出書が提出されており景観計画に定められている景観形成基準に沿って確認し適合通知を発しております。審査にあたりましては、具体的な景観形成基準の確認項目といたしまして、形態意匠、色彩、高さ、位置、緑化、眺望景観の6項目について確認しており、形態意匠につきましては、景観形成基準の周辺の景観との調和に配慮し圧迫感を与えないように工夫することとなっているため全体平面図風車配置図及び風力発電4機を適度な感覚に配置したという事業者の配慮内容でありました。色彩については基準の目立つ色彩は避け周辺の景観と調和する色を重とすることとなっているため、届書書に記載のマンセル値を確認し色彩は通常の風力発電機の色彩である白を基調として派手な色彩にはしないという事業者の配慮内容でありました。高さについては基準の周辺の景観に配慮した高さにすることとなっているため眺望景観検討図及び高さは風力発電設備の仕様である120mは変えられないことから周辺眺望点から目立たないようスカイラインに突出していないという事業者の配慮内容でありました。位置については基準のお近角においては稜線を乱さないようできる限り低位にすること、鉄塔電柱電波類は周辺の景観への影響を極力抑えるよう配慮することととなっているため、眺望景観検討図及び完成イメージ国道13号線及び東北中央自動車等から視認できないことを景観調査で調査によって確認した。さらに電力供給は既存の電線鉄塔へ接続するものとし接続ケーブルは地上をはわせるなど周辺から視認困難な形にしたという事業者の配慮内容でありました。緑化については基準の道路に面する場所や敷地内は花や樹木による緑化に努めることとなっているため工事用道路の法面については早期の緑化に務めることとしたとの事業者の配慮内容でありました。景観眺望につきましては基準の景観計画に定める保全対象の眺望景観における視点国道13号東北自動車道などからの主対象の眺めを著しく阻害しないこと、工作物の高さは景観計画で定める視点と主対象の上端を結ぶ面を超える場合は当該工作物位置形態装を保全対象の眺望景観全体と調和が取れたものとすることとなっているため眺望景観検討図、景観調査による検討の結果視点から対象までの間には立地上工作物風車が点視線に入ることはないという事業者の配慮内容でありました。このように項目ごとにその配慮内容が景観形成基準に合致しているか検討し可否を判断したところであります。

栗子山風力発電設備についても事業が認可され事業に着手する段階となった時は、板谷の風力発電設備と同様に景観法に関する届け出が提出されるものと考えております。提出された際には景観形成基準に基づいて可否を判断していきたいと考えております。なお本市の景観条例及び景観計画に定める景観形成基準は定量的基準ではないため、申請にあたっては景観法上の事業者の責務をしっかりと理解していただくと共に、本市とコミュニケーションを図りながら行為の届出の運用を図っていきたいと考えてございます。

(3)(4)建設部長の答弁

【再質問】 ①現場と届出の齟齬、②さくらんぼテレビ「事業者、撤退は考えていない」、について

①(建設部長)非常遺憾である。今後は、理由書を求め、景観法に基づいて是正行政指導をしていきたい。
②(市民環境部長)事業者からはその後本市に対して回答はない。
③(市長)報道ベースで担当者の方がどう言ったかは存じ上げないので、特段所感を申し上げる立場ではない。回答があるとすれば、社長なりそれなりのしかるべき方から、きちんとした形で回答があるものと思っている。

上記質問時間は、33:00~38:50

【再質問】 栗子山風力発電の事業対象区域は、イヌワシをはじめとする希少猛禽類などレッドリスト・生物多様性、について

(市民環境部長)希少な猛禽類など生物多様性の関係で非常に重要な環境面での大きな課題だと認識している。ただ市としては、そこまでの知見を持ち合わせれてるものではない。専門家、県、国に頼らざるをえない。皆様から頂いたご懸念などをしっかりと伝えながら専門家による判断を仰ぎつつこの事業について評価をしてまいりたい。

上記質問時間は、38:50~46:00

【再質問】 カーボンニュートラル(脱炭素)だけでなく、ネイチャーポジティブ(自然再興)、について

(市民環境部長)現行の環境アセス制度は、自治体は意見する機会はあるが、事業を拒否するという権限はない。最終的には地元の自治体の合意がなくとも事業が可能な制度である。しかし、国ではの再エネ特措法を改正し、説明会の義務付けなども行っている。また、福島市などはガイドラインの他に禁止エリアを設けるなどの条例の今検討に入ってる。本市としてネーチャーポジティブ(自然再興)と合わせて今後検討してまいりたい。

上記質問時間は、46:00~51:40

【再質問】 米沢市景観条例では、①大型風力発電建設は、想定していたか、②栗子風力発電機は、スカイラインに突出しているか、③事業が強行された場合はどうか、について

①(建設部長)本市の景観条例は、制定から12~3年経るが、その時代には風力発電は想定していない
②(建設部長)現在の内容では、スカイラインに突出している。
③(建設部長)行政指導の範疇、勧告のみ。

上記質問時間は、51:40~58:30

【再質問】 今後、米沢市が当事者性を有するために、(条例など)法制度が必要ではないか

(市長)再エネ特措法で事業者に情報公開させることが重要である。また、市においてもある程度強制力を持つ何かの措置は研究しなければいけない。

上記質問時間は、57:30~60:00

【関連報道】 山形新聞、さくらんぼテレビ

上記の佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」を受けて、翌日各種報道で、一般質問の内容が報道されました。
▼山形新聞
2024年9月6日(木)朝刊「米沢・栗子山風力発電計画で事業者 市に必要な届け出せず」
▼さくらんぼテレビ
2024年9月6日(木)「事業者が市に“必要な届け出”せず作業道路整備…想定上回り法令違反か 栗子山風力発電計画」

【イヌワシの採食地・狩場】 日本イヌワシ研究会「(仮称)栗子山風力発電事業の中止を求める要望書」

当該報道でも明らかなように、栗子山の山稜・尾根の一部は、すでに作業道として開発され、生態系とイヌワシの採食地・狩場は失われました
※計画地周辺には複数ペアのイヌワシが隣接して生息していることから、計画地周辺には複数のイヌワシ営巣地が存在します。風力発電機を設置する計画の尾根一帯は、強風と多雪によって形成された土地的極相である草原性の自然植生が広がっており、イヌワシの重要な狩場となっています。
日本イヌワシ研究会「(仮称)栗子山風力発電事業の中止を求める要望書」より引用))

米沢は、米沢市民が、行政も当事者性を持って米沢の未来を作っていくんだと、そういう街であってほしいと心から思います。まだまだ分からないこと情報の格差があります。今後もしっかりこの問題に向き合ってまいります。

この度も最後までお読みいただきありがとうございます。

かわら版No.64


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