かわら版No.73 どうなる? 米沢市のふるさと納税 南魚沼市のふるさと納税から学ぶ
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いよいよ11月に入り、山には雪が、里では冬支度、ふるさと納税はかきいれどきを迎えます。ふるさと納税は、11月そして12月がもっとも寄附金額が多くなる月と言われます。
さて、米沢市の場合、令和6年度は、ふるさと納税の予算達成がとても重要です。なぜなら、かわら版No.54とかわら版No.37でも言及しておりますが、未達成の場合、米沢市長の答弁にもありましたとおり“予算に穴があく”からです。
令和6年度予算は、令和5年度までのやり方と異なり、ふるさと納税の予算を論理的・合理的な根拠ではなく、言わば“期待値”という形で令和5年度の15億を大きく上回る予算額・20億としました。未達成の場合には、“予算に穴があく”とはこのような意味です。
もっとも、令和6年度のふるさと納税の市場規模は、全体としては右肩上がりです。地方自治体は、本市もそうですが、厳しい財政状況の中、このふるさと納税は非常に機動性が高く使い勝手のよい予算ですので、どこの自治体も重点政策として力を入れています。
【参考】
先日、議会交流のため、米沢市と歴史親善友好都市である新潟県南魚沼市に行く機会がありました。南魚沼市は、令和5年度のふるさと納税の寄附金額は、57億2,958万円であり、新潟県内では1位、全国では25位とふるさと納税で大きな成果を出してします。返礼品の8割以上がお米です。
〇新潟県南魚沼市のふるさと納税の特徴
1.新潟県内で1位の寄附額
2.返礼品の8割がお米。そのうち米の定期便が寄付額の7割を占める。
3.「南魚沼産コシヒカリ」のマーケティング(セグメンテーション(市場分析による細分化)、ターゲティング(ターゲットの決定)、ポジショニング(立ち位置の明確化))とブランドの強化。
南魚沼市は、特産品の総花的な販売・PRではなく、南魚沼産コシヒカリを前面に出してPRすることで寄附を獲得しています。また、寄附者との継続的な関係性を重視し、リピート率の向上を最重要視しているそうです。令和6年度のふるさと納税は、米不足需要の後押しもあり、74億程度を予測しているそうです。
南魚沼市は、ふるさと納税に、市内100を超える米事業者が参画し、市は、「南魚沼産コシヒカリ」のマーケティングとブランドの強化に戦略を徹底して寄附額を伸ばしてきました(令和元年度17億、令和2年度39億、令和3年度45億、令和4年度51億、令和5年度57億)。このような明確な特徴ある戦略を採用する南魚沼市の取組から米沢市も上位品目の返礼品構築のノウハウを学ぶ必要があると思います。
さて、米沢市は、本年6月に、米沢市ふるさと納税事務支援業務委託公募型プロポーザルを実施し、その結果ふるさと納税事業の支援委託先をシフトプラス株式会社(本社大阪府大阪市)に決定し、契約金額75,880,400円で、7月より寄附額の増額に向けた取組を強化しました。米沢市には、予算額20億の達成に向けて繁忙期をお努めいただき、予算額の必達をお願いしたいと思います。
この度も最後までお読みいただきありがとうございました。
かわら版No.73
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