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『仮説と検証』を繰り返す事で、『自分らしい生き方』を見つけるまでの話。

今回お話を聞かせて頂いたのは、大手外資系企業の重機メーカーにて営業職として活躍する『根岸 卓也』さんです。
車が好き過ぎて、地元の車の整備工場に直談判して未経験から働かせてもらい、そこからアメリカ車、ドイツ車の営業職を経て、現職に至ります。

そんな『根岸さんにしか話せないお話』をぜひお楽しみ下さい。
私は、根岸さんのお話から『問いを立てて、仮説と検証を繰り返す』大切さを学ばせて頂きました。


大人に混じって『働いてお金を頂く』という喜び。

根岸さんは、小学校でサッカーと出会い、高校卒業まで続けます。
高校ではサッカー部としての部活の他にアルバイトも積極的に行いました。
その理由は、学生ながらに『自分で働いて、お金を頂く』という事に興味があったからです。

自分より大人な人達に混じって一緒に働く事が楽しかったという事もあり、皿洗いのアルバイトに打ち込みます。

そんな根岸さんがいた高校のサッカー部は、決してゆるい部活では無く、顧問の監督はそれなりに厳しく、根岸さんは部活でヘトヘトになりながらも、部活後にバイトをがんばりました。


自分で『仮説と検証』を立てる事が楽しい。

部活もバイトも厳しい環境でしたが、心が折れた事は一度もありませでした。

その理由は、忙しく厳しい環境から『自分で考えるチカラ』が身についていき、いつしか『仮説と検証』を自分で立てる事が楽しくなっていった事が背景にありました。
その結果、根岸さんは忙しい環境事態を楽しめるようになっていきます。

具体的には『今日は金曜日だから20時にピークが来て、Aというお皿が無くなるはずだから、先に沢山洗っておいて、キッチンの人がすぐ使える状態を維持しておこう』といった具合に、常に仮説を立ててバイトをこなしていきます。


大学受験という人生で一番の『挫折』。

高校卒業後は、理系の国公立の大学を目指して受験勉強に励みますが、残念ながら志望していた大学には進む事が出来ず、自分の中で滑り止めと考えていた大学に進む事になります。

この経験は、根岸さんにとって『人生で一番の挫折』となり、この挫折を超える経験は今の所無いそうです。

この挫折を根岸さんは当時を思い出すようにこう話してくれました。
『何でも正面で受けてしまう性格ゆえに思考の転用が出来なかった。後で答え合わせをした時に、ある数式の転用をすれば簡単に解けた問題だった事を非常に悔やんだ。』と。

準備万端で挑んだセンター試験。
その数学の試験で、数式を解いている途中で頭が真っ白に。
本来だったらその時点で、問題を一つ飛ばすか、再び最初から数式を解き直すべきだったのに、途中でわからなくなってしまった事に一時的ショックを受けて立て直す事が出来なかったそうです。

そしてこの経験がトラウマになり、今でも『転用』という思考が少し苦手であるとも話をしてくれました。


『口だけ』の人たちに負けたくない。

希望した大学には入学出来なかった事もあり、大学時代では勉強以上に『バイト』に情熱を注ぐようになります。

ちょっと忙しいくらいが自分にあっていると思う様になり、バイトを掛け持ちして行うようになります。
社員として引き抜かれる程一生懸命バイトをこなしていきます。

そして、ハードワークをこなす中で気づいた事が一つありました。
それは色々な人を『人の意見の反論だけして、自身の行動が伴わない人間になりたくない。』と思ったと同時に、そういう『口だけ』の人たちに負けたくないという気持ちが芽生えていったそうです。

その感情は、高校のサッカー部の時から思っていた感情である事にも気がつき、『楽しいは好きだが、ゆるいは好きでは無い。』という自分の性格に気づいた瞬間でもありました。


『やりたい事』を素直に。興味の向くままに。

そんな根岸さんは兼ねてから好きだったという車に関わる職につきたいと思うようになります。
車のカスタムなどが好きで、そのような整備が出来る職種に憧れを抱くようになります。

しかし、大学の専攻はエンジニアを育てる内容で、メカニックの勉強ではありませんでした。
具体的には、エンジニアは車の中のエンジン周りを設計したり、主に車の中の一部を司どる仕事。
一方で、自分は車全体をいじる事が好きなメカニック向きである事に気がつきます。

本来ならそこで諦めてしまいそうな所ですが根岸さんは違いました。
大学で学んでいるエンジニア職を目指す事は辞めて、メカニックの整備士を目指す事を決意します。

企業に対して新卒での就活はせず、地元の整備工場に直談判して働かせてもらい、見習い整備士として学生ながらに仕事をスタートさせます。


車を売る事で思い出す『お金を頂く喜び』。

地元の整備工場で働きながら、整備士の試験にも無事に合格し、やりたい事が出来ている事に充実感を覚えながらも、根岸さんが本能的に持っていると思われる『新しい事への挑戦欲』が沸き立ってきます。

そんな中で整備工場では車の販売も行っており、会社の代表より『車の営業もやってみないか?』という打診を受けて、営業も挑戦してみる事になります。
この営業を経験した事が、のちの根岸さんの人生を大きく変えていきます。

それは、自分が整備士として働く中で少し忘れかけていた『自分のお金を自分で稼ぐ』という経験でした。
こうして根岸さんの興味は、『車のメカニック』から『車の営業マン』へ移り変わっていきます。


営業マンになったからには『年収1,000万!』

そして、そこからは持ち前の行動力で、車の営業マンへの転職を決意します。
ただ、車は何でも良いわけでは無く、なるべく『自分が好きなメーカー』という事で、最初の転職先としてアメリカ車を扱う販売店の営業職としてキャデラックなどを販売します。

大好きなアメ車に毎日触れて『好き』を情熱的に販売できる事にやり甲斐を感じながらも、メカニック時代にエンジンのフィーリングに感動したメーカーを販売したいという思いが増していき、ドイツ車の販売ディーラーに転職を決断します。

具体的にはBMWの車種を扱い、勤務地も六本木と、地元の整備工場勤務から数年で一気に華やかな場所に身を置く事になります。

そしてそこで根岸さんは一つの目標を立てる事になります。
せっかく車の営業マンになったのだから『年収1,000万を目指そう!』

もしかするとこの気持ちの背景には、大学時代の挫折をここで取り返そう!とする気持ちも少なからずあったのかも知れません。


六本木での新しい挑戦と『成功体験』。

実際に六本木で、ドイツ車の営業マンとして働いてみると、自分が想像していたお金持ちとは、次元が違うお金持ちを相手に仕事をする事になります。

車が欲しくて展示場に見にきてくれるので、トントンと話が進む事もあれば、超がつくほどのお金持ちが故に、何か問題があったりすると、クレームも想像を超える次元の時もあったそうです。

特にお金持ちは『時間=お金』という感覚が強く、時間を奪われる事に強いストレスを感じるお客様が多かったと話してくれました。

そんな大物達と対峙しながら、根岸さんがバイト時代に心掛けていた『仮説と検証』が活きてきます。
『時間を大切にさせるお客様が多いからXXXの事は、こちらでやっておこう。』
など、お客様にとって何が喜ばれるのかを常に考え、仮説と検証を繰り返す事で、社内でもトップセールスの仲間入りをします。

結果、目標としていた『年収1,000万』を見事に達成する事になります。


年収1,000万円から見えた『新たな人生の光景』。

年収1,000万円を達成した後は、ある種の『燃え尽き症候群』にも似た感情が芽生えます。

年収1,000万円を達成出来た事は嬉しいが、自分の人生は豊かなのか?
土日、祝日は常に仕事で、小学生になる息子の行事にも参加してあげられない。
プライベートは無いようなもので、家には寝るために帰るようなものだ。
自分の人生は本当にこれで良いのか?

そう思うようになってしばらくした後に、土日が休みの成果報酬型の営業職として外資系の重機メーカーに転職します。

ドイツ車の販売の時にはお客様が来店してくれる「プル型」の営業職だったのに対して、現在は特定の見込み顧客に直接的にアプローチする「プッシュ型」で、同じ営業でも全然違う営業スタイルで苦労する事も悪戦苦闘する事も多いそうです。

しかし、お金以上に家族との時間を作れている事に根岸さんは『人生の豊かさ』を感じているそうです。


価値観が変わって明確になった『やりたい事』。

そんな年齢と共に人生の価値観が変わって来た根岸さんは、今、ずっとやってみたかった『キッチンスタジオを併設した本屋』への準備を今から始めようとしています。

理由は『仕事を引退した後に、やりたいな!』とボンヤリと考えていたのですがその欲求が年々盛り上がっている自分に気がつきます。

どんな本屋かと言うと『根岸さんの好きが詰まった本屋』でありながら『人と人が繋がれる本屋』を目指しているそうです。
具体的には、根岸さんが大好きな『車、釣り、魚、料理』に特化した本屋です。

そしてその本屋を訪れた共通の趣味の人がワークショップを通じて『出会い、繋がり、学び、体験できる』本屋だそうです。


車から繋がる『新たな挑戦』と夢への準備。

一見すると繋がりが無いように感じる『車』と『釣り』
しかし実際に『釣り』をするとその関係は密接である事に気がつきます。

船は限られた人達だけの乗り物だったりしますが、多くの人は海に行くには『車』で移動します。
そして、その道中で行きの車では、『狙う魚の選定と釣りの仕掛けについて』など『主に戦略について意見交換』します。
一方帰りの車では、『釣りの反省会』『釣った魚の料理の仕方』で、釣り仲間の車内は盛り上がります。

根岸さんは、この『釣り』から生まれる一連の流れに『人生の豊かさ』を感じています。そして『多くの人にこの喜びを共有したい』とも願っています。

そんな『知る、学ぶ、やってみる』を総合的に体感できる『車、釣り、魚、料理』に特化した『キッチンスタジオを併設した本屋』を今の仕事を引退した後にやろうと根岸さんは本気で考えています。


根岸さんの『人生の探求』と『夢の実現』

根岸さんは、学生時代のバイトで培った『問いを立てて、仮説と検証を繰り返す』という行動を、社会人になって営業職として仕事で活かして来ました。

そして今、根岸さんは自分の人生『人生の豊かさとは?』という大きな問いを立てて『仮説と検証』を始めようとしています。

今までの根岸さんであれば、その回答は『お金』だったのかも知れません。
しかし今、お金は勿論大事である事は理解しつつも、根岸さんは今『お金では買えない豊かさ』を探しに新しい冒険に出ようとしているようにも感じました。
それは、根岸さんが好きな『釣り』と同じで、想定はしてても実際にどんな魚が釣れるかわからないワクワクと同じように。

学生の頃に抱いた『口だけの人になりたくない。』
新しい事に挑戦する事が好きで、実際に行動が出来る根岸さんだからこそ、きっと様々なハードルを乗り越えて、新しい夢を実現してくれると期待しています。

根岸さんが創造したい『人生を豊かにしてくれる空間』が共有される日を、今から心待ちにしたいと思います。

編集後記
あなたは、根岸さんのお話を読んでどう感じましたか?

私達は、日常の中で『仮説と検証』を繰り返して生きています。
例えば『今日は雨が降るかな?』とか『今日は暑いかな?』とか考えて服を選んだりします。

この日常での『仮説と検証』をAIやインターネットに頼り切らずに、日頃から仮説を立てる練習をする事も大切なのでは無いかとお話を聞いて感じました。

船の上から海を覗くと『この海の中に、とんでもなく大きな魚がいるのかも知れない』と、ワクワクする気持ちが湧き上がってくる経験を誰もが一度は抱いた事があると思います。

その『想像を盛大に膨らませ、仮説を立てる』という行為は、もしかするとタイパ重視の効率的に生きる以上に『生きる豊かさ』をもたらしてくれるのかも知れません。

根岸さん『あなたにしか話せない話』をありがとうございました。

コウヤ シンゴ


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