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自己肯定感は大事な人からの「あなたがいてくれてよかった」からしか得られないのかも。

「好きな人に喜ばれる」。 過去の失敗やら何やら、何もかもが全部チャラになって、お釣りがくるほど嬉しいと感じます。 なので、そこを目指して考えたり、行動したりするのが良いのかもしれません。 「生きてる意味あんのかな」 とか 「生きるのしんどいな」 とか思っちゃうのは、好きな人を喜ばせてないから生じる苦痛で。 他の何を得ていようが「何か足りない」とか「満たされない」とか思ってしまうのは、当たり前なのかもしれません。 なんのために生まれてきたのか知らない状態で生まれ

    • 忘れ物という小さなドラマ

       出かけるときに忘れ物をすることがある。鍵、財布、スマホ――どれも重要なものだけれど、ついうっかり忘れてしまう。思い返せば、忘れ物をしたときには、いつも少しだけその日の予定が変わる。  鍵を忘れた日は、家に入れずに近所を歩いた。財布を忘れた日は、持っていた小銭でなんとかやりくりした。スマホを忘れた日は、不便さを感じながらも、逆に心が軽くなった気がした。忘れ物は面倒だけれど、そのおかげで普段とは違う風景が見えることもある。  きっと、忘れ物は人生の「予期せぬ展開」の象徴なのだと

      • コーヒーと温度の微妙な関係

         私は、朝に飲む一杯のコーヒーが好きだ。コーヒーを淹れる時間も含めて、ちょっとした儀式のようなものだと思っている。お湯を沸かして、豆を挽いて、ドリップする。その一連の流れの中に、静かな楽しみがある。  でも、最近気づいたことがある。それは、コーヒーは温度によって全然違う顔を見せるということだ。淹れたての熱々を飲むと、香りが強くてシャープな味わいになる。一方で、少し冷めた頃に飲むと、酸味が柔らかくなって甘さが際立つ。どちらが好きかは、その日の気分や体調次第だ。  こんなことを考

        • 「雑談と人生のデザイン」について

          雑談が好きだ。というより、雑談を面倒くさがる人とはちょっと距離を置きたくなる。雑談は無駄に見えるかもしれないが、人生のデザインを変える魔法みたいなものだと思っている。 たとえば、たまたま隣に座った人と「このカフェ、いい雰囲気ですよね」と話したら、その人が実は面白い仕事をしていて、「じゃあ一緒に何かやりませんか?」と話が広がることがある。こういうのって、雑談を面倒くさがってたら絶対に起きない。もちろん、すべての雑談が成果を生むわけではないけど、それでも「成果」だけを求めて雑談

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        自己肯定感は大事な人からの「あなたがいてくれてよかった」からしか得られないのかも。

          「季節は、心の音を変えてくれる」

           季節が移り変わるたびに、心の中で鳴る音が変わる気がする。春にはふんわりした弦楽器が流れ、夏にはリズミカルな打楽器が響く。秋は低い音色のピアノ、冬は静かなチェロ。もちろん、音楽そのものが聞こえるわけじゃない。でも、自分の気持ちに耳を澄ますと、そんなイメージが浮かんでくる。  季節の音が変わる瞬間って面白い。例えば、夏の終わりにふと気づくセミの声の減少。あれは夏のリズムが終わりを告げる合図だ。そして秋になると、風の音や落ち葉がカサカサと擦れる音が耳に入ってくる。これが心の中のピ

          「季節は、心の音を変えてくれる」

          「名前が先か、中身が先か」

          「ねえ、あなたが持ってるその飲み物、何?」 「これ?『クリアラテ』だってさ。透明なのにラテなんだよ。不思議だろう?」 「……透明なのにラテ?名前詐欺じゃない?ラテは牛乳でしょ。透明なのに牛乳っておかしいじゃない」 「いやいや、商品開発者の苦労を考えてよ。名前と見た目を両立させるのがどれだけ大変か」 「それを言うなら、『ただの透明飲料』で良かったんじゃない?」 「ただの透明飲料だったら、君は買った?」 「……多分、買わない」 「だろ?つまり商品名が勝負なんだよ。『クリアラテ』っ

          「名前が先か、中身が先か」

          「失敗は、途中経過のひとつにすぎない」

           この考え方に出会ったのは、学生の頃だった。失敗すると、どうしても落ち込む。もうダメだ、と決めつけてしまうこともある。でも、その言葉を知ってから、少し見方が変わった。  料理を例にとると、焦げたケーキや塩辛すぎるスープも、完成形にはたどり着けなかったけれど、次につながる何かを残してくれる。たとえば、「次はもっと低い温度で焼いてみよう」とか、「塩を少し減らしてみよう」とか。失敗の中にも学びがあるということだ。  ただ、「失敗を恐れるな」と言われても、やっぱり怖いものは怖い。恥ず

          「失敗は、途中経過のひとつにすぎない」

          スーパーで、「どれがいいかなぁ」と悩むことがある。

          お菓子のコーナーで、新商品と定番のどちらを選ぶべきか迷ったり、野菜売り場でほうれん草と小松菜のどちらを買うか決められなかったり。悩んでいる時間が長いのは、たいてい、そんな「どっちでもいい」ようなことだ。 でも、よく考えると、そんな「どっちでもいい」ことを大真面目に悩むのって、悪くないなとも思う。だって、そういう瞬間は、私にとっての「選ぶ自由」を感じられる時間でもある。何かを選べるって、それだけでちょっと豊かな気分になるものだ。 結局、今日は新しい味のお菓子を試してみることにし

          スーパーで、「どれがいいかなぁ」と悩むことがある。

          「なぜ、いろんなことに対してあまり悩まないの?」

          私はある日、友人からこう聞かれた。「なぜ、いろんなことに対してあまり悩まないの?」と。正直、悩みがないわけじゃない。ただ、悩むときには、必ず一つ「逃げ道」を用意している。選択肢がないと思った瞬間、人は途端に苦しくなる。だから私はどんな状況でも、最低限の「逃げ道」を確保するようにしている。 たとえば、仕事が辛いときは「最悪辞めればいい」と思っているし、買い物で迷ったときは「何も買わない」を選ぶ自由があることを思い出す。逃げ道を作ることは、選択肢を持つことと同義だ。そして、選択

          「なぜ、いろんなことに対してあまり悩まないの?」

          「朝起きたら、まず窓を開けて深呼吸する」。

          「朝起きたら、まず窓を開けて深呼吸する」。これが、最近私が心がけている朝のルーティンだ。そんな大げさなことではないが、これをするだけで気分がずいぶんと変わる。窓を開けると、冷たい空気がふわっと入ってきて、寝ぼけていた頭が一気に目覚めるような気がする。夜の間に溜まっていた家の中の空気が外に逃げて、新しい空気が入ってくる。その瞬間、今日もまた新しい一日が始まるのだと感じる。 朝の空気は、昼間とは違ってまだ静かで、何かが始まる前の「予感」みたいなものが漂っている気がする。車の音も

          「朝起きたら、まず窓を開けて深呼吸する」。

          迷い猫と哲学

          「ここに座って何してるの?」 「猫を探してるんだよ」 「猫?」 「そう、迷い猫。さっき、あの角を曲がったところで『ニャー』って声がしたんだけど、見当たらないんだよね」 「それでずっとここに座ってるの?」 「そう。あれは哲学的な猫だった」 「……は? なんでそんなことわかるの?」 「だって、考えてみて。道端で猫が『ニャー』と鳴いたとき、それをただの音として聞き流すか、それとも意味があると考えるか。それが哲学の始まりだろ?」 「いやいや、猫はただ鳴いただけでしょ」 「違う。猫は何

          迷い猫と哲学

          最近、スマホで本を読むことが増えた。

          最近、スマホで本を読むことが増えた。電子書籍のアプリを開いて、いくつかの本を行ったり来たりしながら読むのが、なんだか心地よい。紙の本はもちろんいいものだし、触れる感触やページをめくる音は特別だ。でも、スマホで読むのも悪くないと思えるようになったのは、移動中にふとした時間を埋めるのにちょうどいいからだろう。 それに、スマホには辞書機能がついている。わからない言葉があれば、その場で調べることができるのは便利だ。ただ、これがまた面白くて、わからない言葉を調べるつもりが、次々に関連す

          最近、スマホで本を読むことが増えた。

          贈り物の力

          あるとき、友人が私に小さな植物をプレゼントしてくれた。正直、植物の世話なんて全然得意じゃない。でも、その友人はこう言った。「この植物、あんたみたいなズボラでも育つらしいよ」って。最初は半信半疑で水をあげていたが、数ヶ月もするとその植物がぐんぐん成長し、なんだかんだ愛着が湧いてきた。 ここで気づいたのは、贈り物というのは「モノ」を渡すだけじゃないってことだ。友人が私にその植物をくれたとき、同時に「これなら大丈夫」という小さな自信も添えてくれたのだ。それが私には何よりもありがた

          贈り物の力

          自動販売機の前。一本の缶コーヒーを巡る会話

          「なあ、ブラックとカフェオレ、どっちがいいと思う?」 「聞く相手、間違ってないか?」 「どういうこと?」 「俺、コーヒー飲めないんだけど」 「えっ、そんな奴いるの?」 「いるんだよ、ここに。ていうか、飲めないやつに相談するの間違ってるだろ」 「いやいや、逆に飲めないからこそ第三者視点で公平なアドバイスができるかもしれない」 「どっちも同じだろ」 「それは公平すぎる意見だな……じゃあ、ブラックにするわ」 「おい、俺に聞いた意味」 「だってブラックってカッコよくない?」 「その理

          自動販売機の前。一本の缶コーヒーを巡る会話

          観覧車の中。沈黙の後、不意に話し始める二人

          「……私、観覧車が苦手なんだよね」 「なんで?」 「だって、頂上に着いたらどうしたらいいかわからないじゃない」 「どうもしなくていいだろ。ただ眺めるだけで」 「違うの。頂上って、なんかこう、ドラマが起きそうな雰囲気あるじゃない?」 「まあ、告白とか?」 「そう。で、何も起きなかったらどうしようって思っちゃうんだよ」 「起きなくてもいいだろ。観覧車は観覧するだけのものなんだから」 「それが言葉通りにできないから、苦手なんだよ」 「じゃあ、今ここで俺が何か言ったらどうする?」 「

          観覧車の中。沈黙の後、不意に話し始める二人

          「なあ、この路地裏、昔のままだな」

          「……ん? 昔のままって? そんなにしょっちゅう来てたのか?」 「いや、初めてだ」 「え……じゃあ、なんで昔のままって思ったんだ?」 「分からないけど、懐かしい気持ちになったんだよ」 「それは分からんでもないけど……普通『昔のまま』とは言わないだろ?」 「細かいな。いいじゃないか、懐かしい気持ちになる場所を『昔のまま』って言っても」 「まあ、お前の世界観がそうならそれでいいけど……。じゃあ、お前にとっては、この古びた街灯とか、ひび割れた道が『過去からの贈り物』にでも見えている

          「なあ、この路地裏、昔のままだな」