「失敗は、途中経過のひとつにすぎない」
この考え方に出会ったのは、学生の頃だった。失敗すると、どうしても落ち込む。もうダメだ、と決めつけてしまうこともある。でも、その言葉を知ってから、少し見方が変わった。
料理を例にとると、焦げたケーキや塩辛すぎるスープも、完成形にはたどり着けなかったけれど、次につながる何かを残してくれる。たとえば、「次はもっと低い温度で焼いてみよう」とか、「塩を少し減らしてみよう」とか。失敗の中にも学びがあるということだ。
ただ、「失敗を恐れるな」と言われても、やっぱり怖いものは怖い。恥ずかしいし、悔しいし。でも、その失敗が「途中経過」でしかないと思うと、少しだけ気持ちが軽くなる。何もかもがそこで終わるわけじゃないのだと信じられるから。
そうやって考えられるようになってから、何かに挑戦するのが少し楽しくなった。結果を気にする前に、まずは「やってみる」を大事にする。失敗したら、それもまた途中経過として、次へつなげればいい。