見出し画像

忘れ物という小さなドラマ

 出かけるときに忘れ物をすることがある。鍵、財布、スマホ――どれも重要なものだけれど、ついうっかり忘れてしまう。思い返せば、忘れ物をしたときには、いつも少しだけその日の予定が変わる。
 鍵を忘れた日は、家に入れずに近所を歩いた。財布を忘れた日は、持っていた小銭でなんとかやりくりした。スマホを忘れた日は、不便さを感じながらも、逆に心が軽くなった気がした。忘れ物は面倒だけれど、そのおかげで普段とは違う風景が見えることもある。
 きっと、忘れ物は人生の「予期せぬ展開」の象徴なのだと思う。計画通りにはいかないけれど、だからこそ新しい何かが生まれる。日々の中で忘れ物をするたびに、少しだけそんなことを考えてしまう。
 今日は忘れ物をしないように気をつけるつもりだけれど、もし何か忘れても、それはそれで悪くないのかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!