記事一覧
私と父と『ビッグ・フィッシュ』
子どもの頃から、父のことが苦手だった。
おそらく父も、私のことを苦手だと思っていただろう。
人懐こく愛嬌たっぷりの妹を、父はとてもかわいがっていた。
父と私は、喧嘩こそしなかったが、言葉を交わすこともあまりなかった。
中学校の校長だった父は、生徒には好かれていたようだ。高校の後輩から、「ナイトウさんって、ナイトウ先生の娘さんなんですよね? 私、ナイトウ先生が中学校で一番好きだったんです」と言われ
スカウトあがりの怖い話
こころがないように思える人はあんがい身近にいるもので、むかし働いていた会社の、クライアントにそういうタイプの人がいた。「その人」はAV事務所の社長で、私はその事務所に所属するAV女優のブログの管理をしていた。
「その人」は、おそらく30歳になるかならないかという年の頃で、スカウトあがりだなという雰囲気だった。当時、私が働いていた会社は、アダルトサイトをメインで制作・管理していたこともあり、すでに
『鬼滅の刃』にハマったら、人間関係がうまくいった話
『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』始まりましたね。すごく待った気がします。これから毎週観られるかと思うと嬉しくて……。
私は、1年半くらい前まで、ある証券会社で契約社員として働いていました。初めてオフィスに入ったときのことをよく覚えています。だだっ広く寒々としていて陽の光が入らず、天井はなんとなく低く、デスクとデスクの間が狭くて、もちろんパーティションはありませんでした。初日の朝、すでに「辞めたい、こん
『グレイテスト・ショーマン』のバーのダンスが好きすぎる話
2017年に製作され、日本では2018年に公開されたミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。とにかくストーリーがはちゃめちゃなため、好まない人もいるとは知っている。私は劇場で観て「もう観ないな」と思ったのに、YouTubeで好きなシーンだけ観ており、その頻度の高さから「これはブルーレイを買ったほうが良いのでは」と、重い腰を上げてブルーレイを買った。その後、ディズニープラスで配信が始まり、ソフ
もっとみるWikipediaに項目がない男の人と付き合いたい話
Wikipediaは便利だ。Wikipediaに罪はない。しかし、Wikipediaに項目がある人と付き合ったり、結婚したりするのはよくない。Wikipediaを通じて、知りたくなかったことを知ってしまう。これは地味にダメージがくる。
私はクリエイターが好きで、ついつい「ものを作っている人」と付き合ってしまうのだが、売れている人だとまあまあの確率でWikipediaに項目がある。Wikipedi
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で人生を取り戻すはずだった話
前回、こんなことを書いていた。
じわり、と死の足音が近づいてくる。死にたくなる。ふっと、歩きながら、死にたくなる。こんな生活じゃ、愛したいものも愛せない。私に、ヒプノシスマイクを、鬼滅の刃を、羅小黒戦記を、呪術廻戦を、返して欲しい。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を楽しみにしていた。『Q』の葛城ミサトのコスプレをして観に行くつもりだった。池袋と秋葉原のすべてのコスプレショップを周り、衣
ヒプノシスマイクにハマって15年ぶりくらいにメガネを買った話
2020年5月20日に投稿した記事でこのようなことを書いていた。
眼鏡市場のコラボ商品を注文することにした。最初、数量限定販売だったので諦めかけていたが、完全受注生産販売になったのが嬉しい。
きっとメガネはよいものだろう。世界が美しく見えるだろう。世界はもともと美しかったのかもしれない。見えていなかっただけなのかも。
メガネ独歩だ。私の推しは碧棺左馬刻様と躑躅森盧笙先生だが、左馬刻様モデルは私