バッキー事件と元スカウトの言い分の怖い話
※かなりきつい話を書きました。タイトルで読むかどうか判断してください。このnoteは、バッキー事件にまつわるあれこれについて書くことで、私の心の安寧をはかっています。吐き出さないとやっていられないことが、10年以上溜まっていた結果が、このnoteです。
バッキー事件をご存知だろうか。ざっくり説明すると、アダルトビデオ制作会社バッキービジュアルプランニングによる、強姦致傷事件である。人工肛門になってしまった女優もいる、とても胸糞の悪い事件である。
上のnoteに書いたが、私は昔、アダルトサイトの制作・管理の仕事をしていた。その会社には、ホストあがりやスカウトあがりが働いていた。
会社の共用スペースには、各々が持ち寄ったおすすめのDVDを置く棚があった。その中に、バッキービジュアルプランニングのDVDがあった。私はそれを、よく知らずに借りて、最後まで観た。それは水責めのDVDで、プールに沈められた女性が死にかけていた。そのあまりの恐ろしさに、「こういうのをトラウマと言うんだな」と思うほど、事あるごとに思い出し、震えた。「バッキー」という単語を見るだけでも嫌だった。今も、書いていてとても嫌だ。
水責めDVDには、100人の男優に追いかけられて殴られながら強姦される女性のDVDの宣伝が入っていた。殴られた顔はぱんぱんに腫れ上がっていた。
一緒に観ていた当時の恋人は、「強姦より水責めのほうがキツそう」と言った。その言い方にも、私は恐怖をおぼえた。強姦がどれほど辛いかを知らないのだから、仕方ないのかもしれないとも思ったが……。
水責めDVDを会社に返す時、私は「こんなAVは許されるべきでない」と言った。そうしたら、スカウトあがりの社員(さきに書いた、首吊りを笑ったスカウトとは違う人)が、言った。
「これは、事務所が『潰していい』って言った女だから、いいんだよ」
そんなばかなことがあるか。私は絶句し、あまりのことに、会社を辞めるまで、その社員とは必要最低限のことしか話さなかった。もともと、業務上の関わりが少なかったこともあったし、周囲に迷惑をかけるほどに避けていたわけではない。
事務所が潰していいって言ったから。
潰していいって言ったから。
たまたま私はそういう発言を直接聞いたが、同じように考える人は多いのではないか。考えても言わないのが普通かと思うが、なぜかその社員は、バッキー栗山の味方をした。彼にとって、それは本音だったのだろう(冗談めいて言ったわけではなかったし、たとえ冗談だったとしてもけっして許されることではない)。普通がわからなくなった。怖かった。
気分が悪くなった方、ごめんなさい。でも、書かずにいられなかった。