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共感的映画論❍映画「ルーという女」
この映画は、主人公の女性ルーが、自分の過去を振り返るというかたちで、ファッション・モデルだった頃の日常の様子を、その私生活も含めて描いている。
断片的な映像をピースとして使って、完成が用意されていない映画というパズルを、手さぐりに組み合わせていくように。
監督のジェリー・シャッツバーグは、この作品の後、当時まだ無名の俳優だったアル・パチーノを起用して、映画 『 哀しみの街かど 』(1971)
共感的映画論◦映画『ディア・ハンター』
1973年のベトナム戦争の終結後も、この戦争を扱った映画が、数多くアメリカで製作された。
その多くは、アメリカ側からの視点で描かれたもので、そのような指摘もなされた。
1979年に公開された映画『ディア・ハンター』もそのひとつだが、この映画を、登場人物のひとりである「ニック」という人物に焦点を当てて観てみると、そこには、そうした視点といったものを超えた、人間というものの悲劇が浮かび上がる。
統計的な存在とAIの声
AIの心性化が人間性のAI化と交差するのは、それとも入れ替わるのはどの地点なのか。現実(リアル)と空想(ヴァーチャル)を分別する実体としての存在、いつか死ぬ存在であるという実感を失ってしまう境界は。
人間が、AIの心性化を行うのは、誰でもない者の声を聞くためである。ある特定の人の声ではなく。
特定の人の声というのは、ある意図(下心)のにおいがする。どこかうさんくさく感じられてしまう。その意図