最近の記事

将棋AIシンギュラリティ

2017年電王戦THE LAST、とうとうAIが将棋名人を破った。 私は姫路市の現地大盤解説会場にいて、その瞬間を目の当たりにした。 内容は、AIの2連勝だった。 危ないところがなく、圧倒的な力の差を示して完勝だった。とうとう人間が勝てなくなった…..そして今後も勝てないんだ…..と暗い気持ちになった。 人間が将棋を指す意味なんてあるのだろうか。 長年ずっと愛されてきたゲーム。人間はそのゲームの真理を求めてお互いに競い合い、戦い続けてきた。日々研究を繰り返し、その成果を研究

    • 渡辺明先生に学ぶ高勝率の秘訣

      みなさんはお手本にしている先生はいますでしょうか。私は何人かいるのですが、そのうちの1人が渡辺明先生です。 どのような点が参考になるかと言うと、負けにくい局面になるように指し手を選ぶのが上手い点です。 具体的には下記の3点があります。 ①囲いが固くて玉が安定している。 ②自分が攻め、相手が受けの展開に持ち込む ③複雑な変化は避けて、分かりやすい局面を選ぶ ①囲いが固くて玉が安定している。 最近はAIの台頭でその色が薄れていますが、基本的にガッチリと囲うのが好きな先生です。

      • 終盤力の磨き方・おすすめの棋書紹介も

        こんにちは。 今回は、私が実践している終盤力の磨き方について話したいと思います。 将棋ってやればやるほど「結局終盤力だな」って感じる瞬間がありますよね。笑 終盤力を磨くには以下の3つが良いかと思います。 ①囲いを崩す手筋を学ぶ ②必至問題を解く ③詰将棋を解く それぞれ鍛えれば、終盤の入り口〜詰みまでをまんべんなく強化できるはずです。 ①囲いを崩す手筋を学ぶ 囲いにはそれぞれ弱点があります。そう、完璧な囲いなど無いのです。強い人と戦うと、嫌な所を攻められるなあと感じたことは

        • 覚えるだけで強くなる~手筋⑥桂頭の銀~

          こんにちは。 今回は桂頭の銀について考えてみます。 まずは、桂頭の銀とはどういう手筋なのか。 下の図をご覧ください。 相手の桂馬の頭に銀を打ちます。 受けの手として活用されます。 桂馬は2箇所に利きがある駒ですが、銀1枚でその両方を受けることができます。 「桂頭の銀定跡なり」なんて言葉もあるくらい、良い手になりやすいです。 使い方のコツ ①相手の桂馬の攻めに対して受ける時、迷ったらとりあえず「桂頭の銀」を打つべし →この手筋はとにかく悪い手になりづらいです。受けに迷った

          覚えるだけで強くなる〜手筋⑤ふんどしの桂〜

          今回はふんどしの桂について考えます。 まずは、どういう手筋なのか。 下の図をご覧ください。 ふんどしの桂は、両取りの桂なんてよばれることもあります。文字通りですが、相手の駒が1マス空けて2つ並んでいた時に、桂馬を打つことで両取りがかかります。仮に相手が飛車を逃げれば角が取れます。逆に角が逃げると飛車が取れます。将棋は前後1手ずつ指すゲーム。相手は2つの狙いを同時に防げません。 この手筋はよく出てくる手筋です。桂馬を取ったら相手の飛角金銀を狙ってふんどしの桂が決まらないか考え

          覚えるだけで強くなる〜手筋⑤ふんどしの桂〜

          初道場の話

          先日初めて道場に行ってみた。 対局した相手は小学生で、相手の方が上手だった。香車を落としてもらって対局開始。 駒落ちは経験がなくて、指し方がよくわからない。角側の香車が無いので、振り飛車で美濃に組んだ方が攻められにくいかな、なんて考えたり。 悩んだ挙句、居飛車穴熊に組んであとはひたすら攻める方針にした。 序盤、中盤と上手くリードを保っていたが少し受けに回ったところで自分のミスが出て相手の攻めを早めてしまった。。。 しっかりと逆転されて完敗だった。 最後は一瞬で詰みを読み切られ

          初道場の話

          終盤で逆転されるのはなぜなのか。。。

          最近、級位者の方と話す機会があったのですが、 「局面が良くても結局終盤で逆転されてしまう」と言っていました。 正直これはみんなの悩みではないでしょうか。 私自身も対局していて(特に自分より棋力の高い人との対局において)、 逆転されることがあるのでその度にヘコみます。 将棋は逆転のゲームです。これは、本質的には「駒を取ると持ち駒になる」というルールが逆転を生みやすくしていると思います。 駒を手に入れると一気に攻め筋が増えます。 仮に局面が良くなって、自分が調子よく攻めていた

          終盤で逆転されるのはなぜなのか。。。

          覚えるだけで強くなる~手筋④田楽刺し~

          こんにちは今日も手筋について考えていきます。 今回は田楽刺しです。 香車の手筋になります。 香車は前方1列に利く駒です。 香車の利きを防ぐには歩で止めるのが一番です。 逆に歩で止められない場合は、有効な香打ちである場合が多いです。 2歩の禁止ルールがあるため、特に歩の裏側から香車を打つのが厳しい場合が多いです。下の図を見てください。 3四香車と打ち込んだ場面です。この形が田楽刺しです。 相手は角を取られたくないので、角を動かしたいですが奥にいる玉をにらんでいるためそれがで

          覚えるだけで強くなる~手筋④田楽刺し~

          覚えるだけで強くなる〜手筋③底歩~

          皆さんこんちには今日も手筋について 学んでいきたいと思います。 今回のテーマは底歩。 たたきの歩、垂れ歩は主に駒得を目指す手筋と考えていますが 垂れ歩は少し異なります。 駒得ではなく、相手の駒の働きを悪くする。といった感じです。 それでは見ていきましょう。 まず底歩とはどういうものか。 この☖6一歩が底歩になります。 「金底の歩岩より固し」という格言があります。 よく飛車の横利きに対応する手として出現します。 飛車は横一列にはたらく強力な駒です。それを一番価値の低い歩

          覚えるだけで強くなる〜手筋③底歩~

          勝率を上げるための形勢判断

          最近、形勢判断についてぼんやりと感じていることをつらつらと書いていきます。私の日記感覚で書いていくので読みづらいかもしれませんがお許しを。 形勢判断について ①駒の損得 ②駒の効率 ③玉の固さ ④手番 序盤は駒の損得を重視 終盤は手番を重視 これが基本なのは分かっている。 実戦でも意識して指している。ただし、どこから手番重視に切り替えるかは非常に難しい気がしている。 格上の相手と指しているとき、攻めが切れてしまうことがよくある。これは攻め駒が足りていると判断するのが早す

          勝率を上げるための形勢判断

          覚えるだけで強くなる〜手筋②垂れ歩~

          今日も垂れ歩について考えてみます。 次の局面を見てみてください。2四飛と走ったところ2二歩としゃがんで受けてきました。銀が攻めに参加していないので、攻めが薄いようですが、手筋で攻め筋を見つけたいところです。 三間飛車を指す人はすでにご存じかもしれません。といっても避けたい局面ではありますが。 正解手ではない手について ・2九飛 中途半端な場所にいた飛車を安定させる手なので悪くはありませんが 3三桂などで桂交換を迫られて損だと思います。 先手の桂馬は3手かけて3三まで行きま

          覚えるだけで強くなる〜手筋②垂れ歩~

          覚えるだけで強くなる〜手筋②垂れ歩~

          今回は垂れ歩について考えてみます。 歩の手筋ばかりで嫌になるかもしれませんが、重要なのでやはり避けられません。私自身、歩の使い方が上手になった時に初段に上がりました。 それでは次の局面を見てください。 飛車先の歩を交換した後、飛車を下段まで引きました。 ここは2三歩と受けるべきところでしたが、1四歩でした。 ここはチャンスなので手筋を使いましょう。 2三歩と直接たたきたくなりますが、1三角と逃げられてしまいます。 これでは直前に指された1四を活かされた格好です。 ここで

          覚えるだけで強くなる〜手筋②垂れ歩~

          のんびり雑談タイム

          毎回お勉強みたいな投稿になっていたのでたまには息抜きを。 最近はまっていること 普段は会社員として働いているごくごく普通のサラリーマンです。30代になってようやく仕事にも慣れてきたので趣味に時間を割くことができるようになってきました。 最近はまっているのはポーカーです。友人の勧めで始めたのですが案外面白くてはまっています。私は今まで将棋ばかりでしたが、新しい遊びを覚えるのもいいですね。youtubeを見ると100万回以上再生されているものもあって驚きました。結構ポーカー界

          のんびり雑談タイム

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩~

          一口にたたきの歩と言っても、応用の範囲がかなり広いです。 前回は銀の頭に歩をたたき、守りの陣形を乱す筋でした。 今回はもっと大技です。有段者でもたまに炸裂することがあるので必見です。 この局面での次の一手を考えてみてください。 先手が銀を繰り出して飛車先の制圧を目指した局面ですが、 ここで後手に良い手があり、優勢にできます。 (便宜上、前後反転しております。) この記事のテーマから推測できてしまいますが。。。 まずは良くない手から。 ①2五歩  相手の銀を抑え込む手

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩~

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩〜

          前回に引き続きたたきの歩について考えます。 基本的な形を見ながら整理していきます。 まずはこの局面から。 5三歩成のしたいですが。同銀と取られるのですぐには成れません。 そこで、6三歩と「たたき」ます。 こうすることで同銀に5三歩成が実現します。 このように銀のアタマに歩を打つことは好手になることが多いです。銀は真後ろに下がれません。なので、たたきの歩で銀を真上に吊り上げることは効果的だと思います。相手が理想形を組んでいる時はたたきの歩で崩してみてください。

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩〜

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩〜

          歩の手筋について勉強します。 今回は「たたきの歩」 さて、この局面を見てください。 相手は飛車先の歩を交換した後、 8四に引きました。 先手は、2歩あるのでそれを活かした攻めがあります。 まずは良くない手から。 ・5三銀 手駒に銀があるので思わず打ち込みたくなりますが正解手には劣ります。今は中盤が始まったばかりで、駒得を目指すべき局面です。相手に銀を渡すことになるのでリスクが高いです。 ・2四歩 筋のいい手です。ですが、これも正解手には劣るでしょう。 同歩としてくれ

          覚えるだけで強くなる〜手筋①たたきの歩〜