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かおり
2024年1月31日 17:48
水底の女 レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳私立探偵フィリップ・マーロウは化粧品会社の経営者ドレイス・キングズリーのオフィスに呼ばれた。ドレイスの妻はどうやら男と駆け落ちしたようだ。マーロウは妻の安否確認を依頼され、その足取りを追うことになる。しかし、たどり着いた湖の町でマーロウが見つけたのは、別の女の死体だった。行方知れずの社長の妻となにか関係があるのか?マーロウの調査はベイ・シティーの深
2024年1月30日 17:34
善の根拠 南直哉 2014年「なぜ人を殺してはいけないのですか?」──従来は当たり前だと思われていたことにまで、その理由を説明しなければならない時代。「常識」の底が抜け、すべてのものごとに、根拠がなくなってしまった時代。「善きこと」に対する信頼が、すっかり失われてしまった時代──そんな現代だからこそ、今一度、「よいこと」すなわち「善」とは何なのか、その根拠は何なのかを考えてみることが必要とされ
2024年1月29日 16:56
1994年 明治学院大学名誉教授・阿満利麿氏による著書。国家神道が無条件に受け容れられた反面、普遍思想が生まれないのはなぜか。宗教の視点から近代日本の心の歴史を検証し、国家を相対化する道をさぐる。精神史からみた近代日本批判。著者は、京都にある西本願寺派のお寺で生まれた浄土真宗門徒である。今までの著作なども一貫した主張を持っている。それは、明治維新直後の廃仏毀釈、仏像破壊に対する批判であ
2024年1月28日 14:32
2023年 ルポライター増田明利氏による取材の本。格差社会と呼ばれて久しい現代日本。国民基礎調査によれば半数以上の世帯が「生活がやや苦しい、大変苦しい」と答えている。ところが日本では貧困の実態は見えにくい。報道でたまに炊き出しや生活相談の様子を見聞きするくらい。ギリギリの生活を送っている人も、助けを求めるのは恥と考えて黙っている場合がある。本書ではワーキングプアや貧困層と呼ばれる人たちをはじ
2024年1月27日 16:32
明治生まれの医師・村木弘昌氏による著書。瞑想に必須の呼吸法。現代に有効なそのメカニズムを西洋医学の立場から解明・再現する。心身を浄め、活力の源泉となる“良い呼吸”とは。仏教の主要な修行法である瞑想にとって呼吸法は必須であり、言うまでもなくお釈迦様はその達人であった。古代インド伝来の瞑想システムを現代西洋医学の視点から読み解く。村木弘昌氏明治45年、静岡県に生まれる。昭和11年、東京医科
2024年1月26日 16:16
空飛び猫 シュラ・K・ルグウィン 村上 春樹訳仲よし4兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエットは、お母さんもため息をついたくらい、翼をはやして生まれてきた猫たちです。荒れた街から森へ飛んでいった彼らはハンクとスーザンの心やさしい兄妹に出会うのですが。ル=グウィンの世界を村上春樹さんが美しい日本語に翻訳した素敵な童話です。ル=グウィンの素敵な猫のおはなしを村上春樹が心をこめて翻訳。
2024年1月25日 17:02
ブラウン神父の童心 G・K・チェスタトン (著), 中村保男 (翻訳)奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモアで、ミステリ史上に燦然と輝くシリーズの第一集。小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔。とても頭が切れるとは思われない風貌のブラウン神父が真相を口にすると、世界の風景は一変する!ブラウン神父初登場の「青い十字架」のほか、大胆なトリックの「見えない男」、あまりに有名な警句で知られる「折
2024年1月24日 16:54
2020年 花園大学教授で浄土真宗僧侶の佐々木閑(しずか)氏、同志社大学教授でプロテスタント牧師の小原克博氏による対談集。宗教は人々の心の中に存在する。そして、政治・社会・経済に多大な影響を与えてきた。いま、テクノロジーが人間の思考を規定しかねないほどIT社会が発達しつつあり、環境問題など喫緊の課題も取り沙汰されるなかで、仏教とキリスト教という二大宗教の教義と歴史、これを信じる人々の思考を
2024年1月23日 16:03
2016年 橘玲による著書。この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない――だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外でなく、美人とブスの「美貌格差」は約三六〇〇万円だ。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、こ
2024年1月19日 20:33
大河の一滴 五木寛之 1999年なんとか前向きに生きたいと思う。しかし、プラス思考はそう続かない。頑張ることにはもう疲れてしまった―。そういう人々へむけて、著者は静かに語ろうとする。「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」「傷みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」と。この一冊をひもとくことで、すべての読者の心に真の
2024年1月17日 20:15
2023年 ジャーナリスト松原文枝氏による著書。政権中枢が推し進める横浜市へのカジノ誘致に対し、これを阻止すべく人生最後の闘いに打って出た91歳“ハマのドン”こと藤木幸夫。そこには横浜のみならず全国の港湾を束ねる者として、「博打は許さない」という信念があった。カジノの是非について住民投票を求める市民の署名は二〇万筆近くに上ったものの、市議会では否決。決戦の舞台は2021年夏、横浜市長選と
2024年1月16日 01:13
ロンググッドバイ レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳『ロング・グッドバイ』は別格の存在である。そこには疑いの余地なく、見事に傑出したものがある。――村上春樹(「訳者あとがき」より) 社会現象となった『長いお別れ』新訳版、文庫に登場。1958年に清水俊二訳で日本に紹介されたが、2007年に村上春樹訳で新たに創刊された。1949年の秋。私立探偵フィリップ・マーロウは、片面に傷を持つ男、
2024年1月15日 15:51
新老人の思想 五木寛之 2013年日本は今、とんでもない超・老人大国に突入しようとしている。長寿がお荷物にすらなるこの世の中で、かつての老人像とまったく違う“新老人”の思想が必要なのだ。それは未来に不安と絶望を抱きながらも、体力、気力、能力は衰えず、アナーキーな思想を持った新しいタイプの老人たちである。彼らに牽引され、日本人は老後の生き方の大転換を迫られている―。「若年層に頼らない」「相互扶助
2024年1月14日 00:33
村上春樹訳のレイモンド・チャンドラー第二弾1956年に清水俊二が「さらば愛しき女よ」として翻訳、2009年、村上春樹が新たに改訳した。刑務所から出所したばかりの大男へら鹿マロイは、八年前に別れた恋人ヴェルマを探して黒人街にやってきた。しかし女は見つからず激情に駆られたマロイは酒場で殺人を犯してしまう。現場に偶然居合わせた私立探偵フィリップ・マーロウは、行方をくらました大男を追って、ロサンジェ