言ってはいけない~読書記録385~
2016年 橘玲による著書。
この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない――だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外でなく、美人とブスの「美貌格差」は約三六〇〇万円だ。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。
橘玲
作家。1959年(昭和34)年生まれ。小説『マネーロンダリング』(デビュー作)や『タッスクヘイブン』のほか、ノンフィクションや時評も手掛け、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』はベストセラーとなる。
様々なデータが掲載されており、参考になる。
確かにこの本の通りなのだ。気軽に努力だの環境だの言う人もいるが、やはり遺伝だよな、と納得しながら読んだ。
この本には書かれていないが、最近言われるようになったのは、発達障害、知的障害の子供の親をみると、やはり発達障害かな?とわかる、などだ。
多分、ネットが発達したから世間に知られてきた事なのだろう。
芥川龍之介は、遺伝によって自分は分裂症になる事を怖れていた。実際に本当だったと思う。
精神的な病、糖尿病、高血圧、などの体質的なものは遺伝が多いのだ。
知り合いで癌の方がいるのだが、両親ともに早くに癌で亡くなっている。
アルコール依存症についても橘氏は書かれていた。
但し、自分の親や親せきはアルコール依存症だと知って、自分はどう対処するか。それを知るのも勧めていたので良い本だなと思った。
私の父、伯父、叔父。全員がアルコールがない状態では自分の思いを他人に言う事が出来ない。皆、揃いも揃って職場で虐められている状態だった。
で、アルコールを飲むと人格が変わるのだ。
私やいとこらは、それを見てきたので「飲まない」という意志を持っている。
どうなるかわかっているからだ。
ただ、1人、従弟がアルコール依存症で入院、もう働く事は無理で戦前生まれの父親の世話になっている。
大学生になれば酒を勧められる機会も増えるだろうが、その時正しい知識があれば、「自分には遺伝的に大きなリスクがある」と説明してきっぱり断ることも出来る。或いは依存症と遺伝の関係が社会に周知されていれば、遺伝的脆弱性のある友人や部下に無理に酒を飲ませようとしないだろう。薬物に接触しなければ依存症になることはないのだから、そのような環境を社会がつくってあげればいいのだ。(本書より)
ここをどう読むかは、各人の考えだから自由であるが、もっと自分自身のリスクを周りに伝えても良いと思った。
アルコール依存症だけではなく、自分は精神的な病があるから子供は持たない。と、配偶者に話す。子供を作らない選択。そんなのもあっていいのではないだろうか。
美人とブスとの経済格差。これも残酷な真実だ。
確かにそうだ。だからだろうか。昨今では、美容整形する女性が増えている。パパ活するにも見た目重視だから。
納得しながら読んだ本だ。