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「……ママ、ただいま。一年ぶりだね」 「裏口が開きっぱなしだったよ。表は鍵がかかってるの…
真っ白い棺に似た箱は小学生には大きすぎた。 十九の誕生日に届を出して三日。棺の中で安…
「あの、」 春だった。 三月二日、卒業式まで後一週間。僕はそれなりの公立大学へ無…
冬には流氷が接岸する、海に面した地方都市──網走。自然ののどかさとは程遠く、仕事という…
雪の降る中、人の流れに溶け込むように繁華街を散策している貴方。路地に入った時、貴方の目…
いらっしゃいませ! こちらはお一人様専用レストラン「雪の狸」です! 当店はなにぶんお一人…
吹雪の中、あなたは歩いていました。そこであなたは一人ぼっちで泣いている少女を見かけました。木の葉の形をした髪飾りをつけた、まだ二桁もいっていないような可愛らしい女の子です。 「迷子かい?」と尋ねるあなたに「吹雪でお家が見えなくなっちゃったの」と言う少女。あなたは「おじさんが一緒に探してあげるよ」と少女の手を引き、銀世界に足跡を残していくのでした。 次は少女が「おじさんはどこに住んでるの?」と尋ねました。 あなたは「今歩いてるところとは反対側にある山奥の小屋だよ」と答えま
三題噺、二人称。狸・お一人様・雪 とある休日の朝。貴方は目が覚めると体に違和感を覚えま…
突然だが僕はお店の前に設置されている信楽焼のタヌキが好きだ。いつも1人で色んなお店を回っ…
みくちゃんへ また寒くなってきましたが元気にしてますか? おじいちゃんは変わらずかり…
寒く雪も降り始めるだろうと思ったある日、人間が倒れていた。他の人間はその人間を無視して歩…
冬子「はぁ……みんな遅いな……」 (私こと柊冬子は喫茶「エブリシング」で人を待っていた)…
街全体がパレードで盛り上がる中、カフェの奥のテーブル席には話し合う四人の男がいた。 胡…
私、いつもは最寄りの駅から徒歩三分で着く「エブリシング」っていうカフェでバイトをしてます。いつもは木土日の週三で仕事していますが、今日は店長さんに初めての夜勤をやって欲しいと言われました。カフェなのに夜勤?とは思いましたが、とりあえずはいと言っておきました。 電車を降りると、広場にはハロウィンカラーの装飾がそこら辺に展示されていました。やっぱりかぼちゃのくり抜きは可愛いですね。言われた通り午後八時、仕事先へ着きました。普段通り裏口から入って着替えをします。すぐに店長がこち