マガジン

  • fromTECH.C.札幌

    • 91本

    TECH.C.札幌 ライトノベル&シナリオライターコースのマガジンです。学生作品やコンテスト情報、地元札幌のイベント情報などを発信していきます!【毎週月曜日更新】

  • 学園祭『1枚のストーリー』

    • 15本

    札幌デザイン&テクノロジー専門学校・ノベルコースによる学園祭用マガジンです。6月22日、23日にリレー小説を投稿する予定です。

  • 学園祭『One day 1 story』ノベルリレー小説

    • 26本

    札幌デザイン&テクノロジー専門学校・ノベルコースによる学園祭用マガジンです。6月10日、11日にリレー小説を投稿する予定です!

  • 謎解けぬ〜mock turtle school〜

    • 8本

    we areの水平思考ゲーム用答え掲載マガジンです

最近の記事

限界状況の閻裁任務

 烈日が照りつける中、盆の時期を過ぎた現世では多くの人が行き交っている。盆の時期には、地獄の釜の蓋が開いて現世へ亡者が帰るともいわれている。  盆明けにも関わらず、冥界の役所──閻裁省の執務室では、黒崎繁が気難しい表情でノートパソコンと睨み合っていた。  「……ここ二、三年で冥界へ来る幽魂が多い……というか多すぎる。現世で複雑な事情が絡み合っているのは事実だが、まさかここまでとは……」  現世の事情に頭を抱える彼に、業野一忌は苦笑いを浮かべた。  「その分俺らの仕事が増えるっ

    • カバンを介した告白

      問 休み時間、次の授業の為に移動教室の準備をしていた男子生徒は財布を盗まれてしまった。しかし、男子生徒は財布を盗まれたことを気にしていないどころか嬉しそうな表情。なぜ嬉しそうな表情? 答えは下にあります。 答え:意中の相手にプレゼントを渡すことができたから。

      • 短編「隔世の境」

         冬には流氷が接岸する、海に面した地方都市──網走。自然ののどかさとは程遠く、仕事という波に揉まれる一人の男性がいた。彼の名は月本渚。仕事のない週末に、神社仏閣巡りをすることを日課としている。  渚は自室でノートパソコンと睨み合っていた。  「僕の体験談を含めて大まかなストーリーを構成していくか……。ああぁ考えがまとまらなくなってきた! 今日の仕事は切り上げるか」  彼は頭を掻きながらノートパソコンを閉じた。連日のリモートワークの疲れが次第に押し寄せてきたのだろう、ベッドに身

        • 三題噺「おひとり様」「たぬき」「雪」

           雪の降る中、人の流れに溶け込むように繁華街を散策している貴方。路地に入った時、貴方の目にはベージュのダウンジャケットに身を包むあどけない少女の姿が映った。  「どうしたの、何か用事でもあるの?」  優しく問いかける少女はどこか儚げな表情で貴方を見つめてくる。貴方は隠れ家グルメを探していることを伝えると、少女は  「わたしも一緒に行っていいかな……?」  とついて行きたそうに貴方の手を引っ張っている。内心、貴方はおひとり様を満喫したいと思っている。貴方について行こうとする少女

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        記事

          ハロウィンナイト・ワークス

           街全体がパレードで盛り上がる中、カフェの奥のテーブル席には話し合う四人の男がいた。 胡蝶「若者たちがこうやって楽しんでいるのも良いが……本来のハロウィンがどういったものかを知っているのは、少ないだろうな」 水島「胡蝶さんは知っているのか?」 泉谷「水島は純粋に楽しんでいるんだな」 水島「泉谷、俺のことからかってる?」 泉谷「んなわけないって」 水島「胡蝶さん、元々ハロウィンはどういったものだったの?」 胡蝶「現世に訪れる魔女や悪霊を追い払う西洋の昔の儀式に近い行事だったが

          ハロウィンナイト・ワークス

          140字SS「登る」

           私には、憧れている人物がいた。小さい頃からよく練習に付き合ってくれた兄に、今も感謝している。生前に兄が使っていたものを、私が手にしてもいいのだろうか。一瞬不安になったが、私は切り替えて出勤準備をする。兄が使っていた原稿用紙とペンを鞄に入れて私は職場に向かう。兄という高みに登るため。

          140字SS「登る」

          三題噺「夏至」「スニーカー」「高校生」

           夏至を迎えて数日、私は高校二年に買ったスニーカーを履いて玄関を出る。明日以降、本格的な夏に近づいていくことが楽しみな気持ちと、学校祭前に控えている中間試験の答案返しが不安な気持ちが同居しているため、複雑な心境で学校に行った。進路が決まる高校三年の私は、未だに進路を決めることができずにいた。LHRの時間で担任と面談をして進路を確定する必要があるのだが、進路を確定させることに自信を持てないでいる。高校二年の時はWeb編集者の仕事に就きたかったが、地元の近くにある専門学校ではプロ

          三題噺「夏至」「スニーカー」「高校生」

          彼岸の蝶

           緑の葉が徐々に紅や黄色に彩られていく十月のある日、岩倉真尋は散歩の帰りに人気の少ない小路に一人の男が電話をする様子に目が留まった。男が通話を終えたら話しかけに行こうと考えた真尋は小路に入っていった。小路を歩く真尋に気づいた男はは、通話を終えて真尋が近づいて来るのを待っているかのようだった。真尋が恐る恐る話しかけると、男は温和な態度で真尋の緊張をほぐしていった。 「あの、先程散歩をしていた帰りに貴方の事が目に留まってとても気になったんです。」 「そんなに緊張しないでいいよ。」

          彼岸の蝶