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    TECH.C.札幌 ライトノベル&シナリオライターコースのマガジンです。学生作品やコンテスト情報、地元札幌のイベント情報などを発信していきます!【毎週月曜日更新】

最近の記事

馬鹿試合

吹雪の中、あなたは歩いていました。そこであなたは一人ぼっちで泣いている少女を見かけました。木の葉の形をした髪飾りをつけた、まだ二桁もいっていないような可愛らしい女の子です。 「迷子かい?」と尋ねるあなたに「吹雪でお家が見えなくなっちゃったの」と言う少女。あなたは「おじさんが一緒に探してあげるよ」と少女の手を引き、銀世界に足跡を残していくのでした。 次は少女が「おじさんはどこに住んでるの?」と尋ねました。 あなたは「今歩いてるところとは反対側にある山奥の小屋だよ」と答えま

    • この世で一番怖い生物

      今宵はハロウィン。 生きてる人もそうじゃない人も月明かりに導かれ、 この喫茶「エブリシング」に集う。 上野「おーい、織田!こっちこっち」 織田「お、いたいた。ばっちりキメてきやがって」 上野「いいだろ?吸血鬼とか高貴でハンサムな俺にぴったりなんだわ」 織田「はいはい黙れな」 上野「お前だってよく似合ってるぜ。ジェイソンだっけか、のっぽな織田くんにはぴったりだな」 織田「どーも、あれ小林まだ来てないのか」 小林「……やあ」 上野「うぉっ…びっくりした。急に後ろか

      • 最期の閃光

        「上に参ります」 エレベーターは上昇を始める。 今日もいつも通り停まってほしかったな。 無機質に上昇を続けて僕を宙にうち放つ。 「4000階になります」 僕は廊下の外を見てしまった。 そこには人類の怨嗟の炎に焼かれる見慣れた惑星が浮かんでいた。 「なんだ、地球は青くなんかないじゃないか」

        • 【三題噺】 「夏至」 「スニーカー」 「高校生」

           「日光特異体質? 」 「はい、あなたはこの世界で1人の日光に対する特殊な体質を持つ方です。なにかが原因で後天的に発現したのでしょう。」 医者という生き物はいつもよく分からない言葉を俺に伝えてくる。 「にわかには信じられないですがあなたは一定時間以上、 日光に晒されていると脳が活性化して、運動神経や感覚神経が格段に上がるみたいです。あと、どういう原理か分かりませんが運も上がるみたいです。」 確かに最近の俺の調子はすこぶる良い。体育の授業も今までの俺と比べて格段に動けて

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          箱庭

          「○○くん!もう一限の講義始まっちゃうよ!」 幼馴染のいつもと変わらぬ声を今日も電話越しに聞く。俺は早起きが大の苦手だ、5分おきにかけていたアラームもまるで意味が無いほどに。だからこうして、世話焼きの幼馴染が毎朝、電話をかけて起こしてくれる。 「おはよ今起きたわ、いっつも悪いな。」 あくびをしながら起き上がり、言葉を返す。 「一限はカメラONだから早く準備しないと間に合わないよ!」 俺はとある専門学校に在学中だ。世間は新型ウィルスの変異が進み、全ての事業が完全なリモ