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歌が好きなゼロカロリストで北東北民。radiotalkでのらりくらり歌ったりしゃべった…

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歌が好きなゼロカロリストで北東北民。radiotalkでのらりくらり歌ったりしゃべったりしてます。 番組 #ささやきソングRADIO #Radiotalk @norasplay https://radiotalk.jp/program/51602

記事一覧

私とおすそわけ

 子どもの頃から『かさじぞう』という昔話が大好きだった。  あるところに貧しい老夫婦が暮らしており、爺さんが正月の餅を買うために町へ笠を売りにいったが一つも売れ…

nora
2週間前
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私と作業着の男たち

 今日は見事な秋晴れで最近では一番過ごしやすい気候に恵まれた日ではなかっただろうか。暑すぎる日、涼しすぎる日の繰り返しで気力もいよいよすり減ってきたところでいく…

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3週間前
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私と夏休みの工作

 昔の父と母は同じ大学の剣道部で出会ったそうだ。2年先輩の父はすでに彼女っぽい女性がいたが、いまでいうサークルの新勧で周囲がざわつくほどに美人であるミニスカート…

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1か月前
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私と読書感想文

 北国ではどうやら夏休みが終わったようだ。日中の時間帯にあちこちで見かけた子供たちの姿が見えない。学校がはじまり日常が戻ってきた証拠だ。我がコインランドリーでも…

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1か月前
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私と運転

普段からよく車に乗る 地方だから当然、車は一家に一台どころか一人一台だ 職場まで車で片道1時間半かかる、なんてのもここでは珍しくないのだ 公共交通機関は最初から選…

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2か月前
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私とお盆

つい先日の話である 今年にはいって父方の祖母が亡くなったため新盆にあたる今年の夏は、数年振りに親族一同が集まることになった 以前にも母親の七回忌法要を行おうと計画…

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2か月前
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私と天然水

ほんの少しだけ、こだわっていることがある 私にはそういうちょっとしたこだわりやルールがたくさんある 独特な感覚の持ち主のようで他人からはなかなかに気味の悪い話 自…

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2か月前
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私とコインランドリー

 私はコインランドリーが好きだ。  昔住んでいたおんぼろアパートのすぐそばにあった古いコインランドリーを思い出すのかもしれない。雑居ビルの1階にある狭くて小汚な…

nora
2か月前
6
私とおすそわけ

私とおすそわけ

 子どもの頃から『かさじぞう』という昔話が大好きだった。
 あるところに貧しい老夫婦が暮らしており、爺さんが正月の餅を買うために町へ笠を売りにいったが一つも売れなかった。帰り道で通りがかった雪深い峠に地蔵様が寒そうにしているのを見て売れなかった笠をかぶせてあげた。笠が足りなくなると自分のてぬぐいもかぶせてあげた。帰って婆さんにそのことを話すと、それはいいことをしましたねと喜んで出迎えた。夜中に物音

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私と作業着の男たち

私と作業着の男たち

 今日は見事な秋晴れで最近では一番過ごしやすい気候に恵まれた日ではなかっただろうか。暑すぎる日、涼しすぎる日の繰り返しで気力もいよいよすり減ってきたところでいくつもの不調が心身を襲っていたこの頃。顔面にヘルペスという名の熟したイソギンチャクをいくつもへばりつけた状態で数日間を過ごした。声を出すほど痛いわけでもなく熱が出るわけでもないが、ただただ不快感で全くもってさっぱりしない。そのうち治るだろうと

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私と夏休みの工作

私と夏休みの工作

 昔の父と母は同じ大学の剣道部で出会ったそうだ。2年先輩の父はすでに彼女っぽい女性がいたが、いまでいうサークルの新勧で周囲がざわつくほどに美人であるミニスカートの女子に一目で恋に落ちたそうだ。映画『ある愛の詩』のヒロイン女優アリ・マッグローにそっくりだったと言っていた。彼女がいるにも関わらずアタックして大変な修羅場を経験することになり、当時1年生だった母は上級生からの過酷な嫌がらせに対して3倍にし

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私と読書感想文

私と読書感想文

 北国ではどうやら夏休みが終わったようだ。日中の時間帯にあちこちで見かけた子供たちの姿が見えない。学校がはじまり日常が戻ってきた証拠だ。我がコインランドリーでも子供連れの客は見なくなった。教育現場ではこれから2学期とよばれる長い長い退屈な時間がはじまるのだろう。

 夏休み中、しこたま楽しい毎日をすごし、ゲームやスマホのような秘密道具が手を伸ばせば届く距離に常にあり、お腹が空けば自由にお菓子やジュ

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私と運転

私と運転

普段からよく車に乗る
地方だから当然、車は一家に一台どころか一人一台だ
職場まで車で片道1時間半かかる、なんてのもここでは珍しくないのだ
公共交通機関は最初から選択肢にない
電車やバス移動なんて非現実的よね、ぐらいにみな思っている

私は運転が全く苦ではない
2時間くらいの場所ならば思い付いた瞬間に出掛けていく
確かに体力的に足腰がきつい、という現実はある、もうそういう年齢だし無理はできないとは思

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私とお盆

私とお盆

つい先日の話である
今年にはいって父方の祖母が亡くなったため新盆にあたる今年の夏は、数年振りに親族一同が集まることになった
以前にも母親の七回忌法要を行おうと計画していたが、あのコロコロリンが日本中に広がりはじめたため急遽取り止めた以来だから、かなり久しぶりのことだった

地方のお盆は気合いの入りようが全く違うのだ
地元のじさま、ばさまは早くも明け方からスタンバイしている
お盆がはじまる2週間前に

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私と天然水

私と天然水

ほんの少しだけ、こだわっていることがある
私にはそういうちょっとしたこだわりやルールがたくさんある
独特な感覚の持ち主のようで他人からはなかなかに気味の悪い話
自分でもこだわりの理由が謎であることぐらいはわかっているけど
いつだってホクホクしているのさ
そんな私のここ最近になって新たに追加されたルーティンを1つ

ソレとの出会いは2ヶ月ほど前だろうか
独特なPOPが購入意欲を刺激してくる地域の名物

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私とコインランドリー

私とコインランドリー

 私はコインランドリーが好きだ。
 昔住んでいたおんぼろアパートのすぐそばにあった古いコインランドリーを思い出すのかもしれない。雑居ビルの1階にある狭くて小汚ないコインランドリー。錆びた丸いパイプ椅子が2つか3つおいてあるだけの簡素な店内で、乾燥機の轟音と店内に流れるローカルラジオを聞いてボーッとする。床に無造作におかれた灰皿にたばこの吸い殻があふれていて、缶チューハイやカップ焼酎の空ビンが転がっ

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