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白瀬隆
2024年11月3日 18:10
物語を綴る何よりも美しい話そしてそれにすがりつく失意の底で幸せをもたらす鐘を打ち鳴らす手のひらは血まみれなのに涙は出ない鐘は響かないひどく錆びている叫んでいたらしい喉がとても痛い絶望の色をご存知ですか?
2024年10月21日 22:07
悲しみに暮れた夜にはチャーリーチャップリンに会った方が いいぜ彼は今もビルの陰で乞食たちとバイオリンを弾いてるその音を聞けば 君の悲しみをそっと脱がせてくれるはずさ君は部屋でうずくまってる髪をといて早く外に出た方がいいね耳をすませば聞こえる街の喧騒にまぎれて君の悲しみを 全部僕に押し付けて くれないか君の痛みを 全部僕が食べて あげたいと思ってる夜明けの海を
2024年10月21日 12:40
あの娘は脚がないから綺麗な景色を知らないだから伝えようとした草原の夜明けを桃色と紺が滲んで風が抜けるのを映すそいつを柵にもたれて一人眺めてたのさとあの娘はそれが嘘だと知りながらキラキラと笑ってだけど本当はあまり僕に興味はないあの娘は耳がないから愛の言葉を知らないだからあの娘を抱きしめて好きだよってつぶやくこの胸の震えが少しでもあの娘に伝わればとあの娘は僕の もっとみる
2024年10月20日 10:11
ミュージックマン・スティングレイ恋人のセックスフレンドから買った僕の黒いベース7万円だったそれを手に入れた夜悔しくて泣いただから今もレッチリが嫌いだフリーにもしも会えたなら彼を殴り殺すんじゃないだろうかいい迷惑だろうけど結局僕がパンクバンドを組むことはなかった今時パンクは流行らないってその時周りにいた人たちはピアスだらけの僕を指差して笑ってた家に入り浸っていた売春婦
2024年10月19日 07:58
ヘイトスピーチを掻き分け夢に見た公園を目指す赤いベンチには幼い頃に恋をした彼女が座っている罵声の中、僕たちが鐘を鳴らすと誰もがファック・ユーと叫んだ君が投げたブーケを手にしたのは真紅のドレスを着た若い女百合の花を引き裂き僕たちに中指を立てている今日の夕食は何にしようかできれば君の料理が食べたいオムレツみたいな簡単なものでいいとにかく君が作ったものが食べたい窓の外
2024年10月19日 01:03
誰もいない美しい土地へいつか二人で行きたいと思ってた途方に暮れた男と女に逃げる先はそんな所しかないから真夜中零時過ぎの並木通りにある宝石店へ男はバッグにバール一つ入れて出て行った航空券と小さなバッグを片手に男と女はいつもの街を飛び出した青空の下でサトウキビ畑が見たくてそこで寄り添い二人で死にたくてトラックの荷台で彼らは手を繋ぎ寝転んだ僕のそばにいてほしいと泣いた男を
2024年10月18日 22:48
ラジオから80年代のハードロックが流れた。ディストーションはノイズみたいで、向日葵みたいに咲いた暴力。つまり、どうでもいいんだ。エレクトリックにしかない華がある。言葉にするのは難しいから、チェ・ゲバラの写真にキスをしよう。僕のことを分かってもらいたいかと聞かれたら、そうでもないねと答える。今、自己愛と世界平和のために文字を書いている。ジョン・レノンみたいにクソったれで、何がしたい
2024年10月18日 22:36
ゴッドファーザーに憧れた男が背中を刺された。最後の言葉はアイ・ラブ・ユー。彼には愛する人なんていなかったのに。刺した男は帰り道に想った。愛しい売春婦。今夜、君を助けに行く。緑色の雨が降り始めた。アスファルトが優しい色に染まる。絵になる風景だけど、画家は気にも留めず通り過ぎた。ライフ・イズ・ビューティフル。チャップリンが街の片隅でバイオリンをひいている。乞食たちは聴き入っ
2024年10月18日 22:18
青空にまっすぐ伸びた飛行機雲をトンビがくぐりぬけた後、公園が爆発した。ビアホールでラッキーストライクに夢中の人たちの中、髭の男は2杯目のビールを頼んでいる。港に立った白い波はすぐに消えた。船をゆったりと揺らして。こんにちは初老の紳士が泣いている女の子に声をかける。女の子は彼に連れ去られた。青空に流れ星がもう一つ。さあ、次は君がさらわれる。