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本のこと

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本にまつわるあれこれ。
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記事一覧

ずっと本を並べていたい。〜本屋さんを開くなら〜

本から本へと、渡り歩いていく。 読書を長いあいだ続けるうちに、そんな経験を重ねてきました…

夏樹
2日前
103

日記を書くこと、読むことの不思議さ。

残業が長引き、ふだんよりも家に帰るのが遅くなった夜のこと。 鶏肉とピーマンを甘辛く炊いた…

夏樹
3週間前
142

書皮と鴨葱。新しい本屋さんへ。

先日購入した「暮らしの手帖」の最新号(第5世紀32号)の中に、"書皮の心意気"と題された特集が…

夏樹
1か月前
162

失った煌めきを求める、物語。

題名も作者名もあらすじさえも知っているのに、読んだことのない小説。 ふだんの読書では、国…

夏樹
1か月前
102

ページの上に、ひろがる色彩。

先日も本についての文章を書いたばかりではあるのですが、実は、このごろ思うように本を読むこ…

夏樹
1か月前
138

風が吹き抜けていくような、本への思い

先日、本屋さんで手にして、思わず笑みがこぼれてしまったのが、高山なおみさんの「日々のこと…

夏樹
2か月前
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誰もが、違国に住まうひと

ひといきに読んでしまうのがもったいなくて、数ヶ月をかけてゆっくりと読み進める。 物語の結末を見届けたあとも、おりにふれて何度も読み返す。 ヤマシタトモコさんの漫画「違国日記」を、わたしは、そんなふうにして読んできました。 出会ってから約一年になるのですが、今でも、読む度につよく心を動かされる作品です。 主人公の田汲朝は、中学三年生の冬、交通事故で両親を失います。 朝を引き取り、ともに暮らすようになるのは、叔母の高代槙生。朝の母親であり、槙生の姉である実里とは長い間没交渉で

ことばでえがかれた世界への旅

読んでいるあいだ、その文章の中に深く沈み込んでしまい、読み終わったあとも、現実の世界にな…

夏樹
3か月前
117

だから、今日も書いて生きていく

「細部に宿る」 新刊が読める、というだけでもうれしいのに、題名を見て、さらにうれしくなる…

夏樹
3か月前
113

和歌の世界に、涼をもとめて。

連日、気がつけば、「暑いなぁ…」ということばがこぼれ落ちてばかりいます。 なにか、涼を感…

夏樹
3か月前
75

ざらざら、すべすべ、さらさら。今日はどの本の気分?

"今月買おう"と決めていた、江國香織さんの「読んでばっか」を無事に手にして、読み進めている…

夏樹
4か月前
127

眠りにつくまえに、食卓の香りに満ちた詩集を。

梅雨もまだ明けていないというのに、真夏のような暑さになる日もある今日この頃、仕事から帰宅…

夏樹
4か月前
107

"本が読みたい"と思えるのは、あたりまえのことではないから。

先日、本屋さんに行ったときのこと。 新刊コーナーで、江國香織さんの「読んでばっか」が目に…

夏樹
4か月前
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遠くまで行くために、辞書をふたたび手に取る日

雨の季節が始まりを迎え、「もう今年も半分が終わるなんて、はやいなぁ」と思いながら来月のスケジュールを確認すると、自分の誕生日が目に入りました。 ここ数年は自分自身へ誕生日プレゼントを贈るのが習慣になっていて(といっても、ほぼ毎年"本"だったりします)、今年は何にしようかと考えていると、"国語辞書"という案がうかびました。 学生の頃は、授業中に使うのはもちろんのこと、読書が趣味だったこともあり、日常生活のなかでもわからないことばがあれば、よく辞書をひいていました。 ところ