シールとペンと。愛でたい、小さなもの。
文房具が好き、という思いを記事にしてから約一カ月。
この記事を書いたことで、自分の"好き"という気持ちをあらためて確かめることができました。
お休みの日に文房具屋さんを目的地にして出かけたり、
百均でのお買い物のついでにシールコーナーに立ち寄ったりするようになり、文房具を集めることが趣味といえるようになったかな、なんて思う今日この頃。
先日もLOFTへ行ってきたのですが、文房具売り場に気がつけば長時間滞在してしまい、ふと時計を見て驚きました。
時がたつのを忘れてしまうぐらい、見ているだけで楽しくなる、幸せな気持ちになれるものがあるというのは、やはり良いものですね。
たくさん並んでいる商品の中から、ひとめ見た瞬間に、
"これは"と思えるものに出会えると、その日いちにちが
"出会えてうれしい"という喜びに彩られるだけでなく、
実際に使う楽しさ、そしてそれを眺める時間まで味わえる。
なんて贅沢なことなのだろう、と思うのです。
さて、その日に出会ったものたちは…、
ペンをよく購入するようになってから、自分の色の好みが明確になってきたと感じます。
noteの見出し画像を、"みんなのフォトギャラリー"からお借りするときにも反映されていると感じるのですが、
鮮明な原色よりも、すこしくすみがかっているような、
柔らかい色合いが好みなのですよね。
"なんとなく、そうかな"と思っていたことが、選ぶことを通じて、はっきりとした形をとっていく過程は、自分との出会いなおしのように感じられて面白いです。
気に入った色を目にしたいという思いから、手書きで字を書くことも増えてきました。
"Landscape"と題されたシールは、前面の切手モチーフが特に可愛いと感じ手に取ったものです。
帰宅後に、ノートの上に全種類を広げてみて、そのデザインの素晴らしさに思わず目を瞠りました。
落ち着いた筆致で描かれる水辺の光景。
ひとつひとつを取り出し、並べているだけで、心がおだやかになっていくのを感じました。
小さな紙片のなかに、美しさと愛らしさが詰まっていて、しかもそれが自分の好きなモチーフとあっては、愛おしさも増してくるというものです。
自分の好きなモチーフ、ということで、"本"がテーマのシールにはすぐに目が留まります。
先日、丸善を訪れたときにも、素敵なものに出会ってしまいました。
「LEMON LIBRARY」のコンセプトは、"夜になると開館するひみつの図書館"とのことで、読書好きとしては心を惹かれずにはいられません。(ちなみに、ふくろうが館長さん。そんな遊び心も良いですね)
丸善とレモンの取り合わせからは、自然と梶井基次郎の「檸檬」も頭に浮かんできて、柑橘類特有の爽やかさと苦味が入り混じった香りと、手に持った瞬間の果皮の冷たさを思い起こしました。
シールの素材が和紙ということもあり、指にふれたときのさらりとした心地よさにも癒やされています。
"今日はなんだか疲れていて、本も読めそうにないな"
そんなときには、眠る前にお気に入りのペンで少しだけ文章を書いたり、シールを取り出して眺めたりします。
ペンの色やシールは温度をもたないはずなのに、温もりをまとっているように感じられて、安堵の気持ちを覚えるのです。
好きという気持ちをのせて、ひとつのものを見つめるとき、久しく使っていなかった、"愛でる"ということばを思い出しました。
自分の中に、"愛でたい"と思うものを持つこと。
それは、日々をすこやかに過ごすための、ささやかなお守りを手にすることだと感じるのです。