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【書評】『14歳からの哲学入門』は大人の哲学入門にうってつけ。

ロッシーです。

『14歳からの哲学入門』を読みました。

「14歳から?子供向けの本か」と侮らないで下さい。むしろ大人向けといって良い内容です。

以前記事を書きましたが、著者である飲茶氏の哲学本は本当に面白い!

この『14歳からの哲学入門』も期待を裏切らず非常に面白かったです。

合理主義 ➡ 実存主義 ➡ 構造主義 ➡ ポスト構造主義

という哲学の流れを分かりやすく、かつ面白く語る著者の力量には改めて感嘆しました。

また、それだけではなく本書の最後で「これからの哲学」として、著者の考えがいくつか書かれています。

その中で非常に興味深かったのが「ニート」、つまり働かない存在が新しい哲学を生み出すのではないかという考察です(詳細は本書をお読みください)。

将来的に「労働には価値があり、人間は働いて当たり前」という常識が崩壊する可能性は高いです。

そのような社会では、新しい哲学が求められるでしょう。逆に、そういう新しい哲学が勃興してくることが、働かない社会を生むのかもしれません。

いずれにしても「神は死んだ」とニーチェが言ったように、

「労働は死んだ」

といわれる時代が到来する予感がします。

ただ、その場合でもパラダイスのような世界が実現するのか?というと、そうではないように思います。

以前、ショーペンハウアーについて記事を書きましたが、この世が苦痛 or 退屈のどちらかしかないのであれば、労働が死んだとしても、新しい哲学なくしては、結局は「退屈」が待っているだけのような気がするのです。

とすれば、おそらく私たちは退屈についてもっと考える必要があるのでしょう。

そして、その潮流はすでに起こっているのかもしれません。

「2022年に、東大・京大で一番読まれた本」が『暇と退屈の倫理学』だったのは、偶然ではないように思います(私も今度読むつもりです)。


私たちに求められているのは、苦痛と退屈を統合してさらに高い次元の価値観を提唱するような新しい哲学なのだと思います。

そのような哲学の到来を待ちながら、私は苦痛と退屈をバランスよく配分しながら生きていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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