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子どもと美術

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子どもと一緒に見た美術館やら博物館やら。
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#展示

【美術鑑賞と家庭2024】そして【展覧会をやってみた】

【美術鑑賞と家庭2024】そして【展覧会をやってみた】

さて、1年のまとめを先日投稿したが、ふと思うと146展示見たということは365日だと2.5日に1回展覧会を見ていたことになる。
もちろん一日で複数見ている日もあるので、そんな事はない。
大体、週1ぐらいでブラリと出かけてきた。
世の中には週1でジムや運動に通う人が結構いる訳で、それと同じ感覚だと思っている。体育館か美術館か、の違いかも知れない。

長男が中学生になった事でサッカーの引率負担が減り、

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【森に浮かぶ魚】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空 POLA美術館

【森に浮かぶ魚】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空 POLA美術館

箱根の山中にあるPOLA美術館。ウン十億円のゲルハルト・リヒター作品があることでおなじみですが、今回、現代美術の企画展を開催していたので行ってきた。

自分の運転で初東名高速を走って到着。車から降りたら28度とかで快適すぎた。
都内が35度とかの日だったのでまぁ感激。夏の箱根、標高高いところは本当に避暑地だな、と。

さて企画展の概要

中略

作品ひとつひとつ、というより空間の演出、インスタレー

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【3度目の発見】鈴木康弘展 ただ今発見しています 二子玉川ライズ スタジオ&ホール

【3度目の発見】鈴木康弘展 ただ今発見しています 二子玉川ライズ スタジオ&ホール

鈴木康弘氏の作品を初めてみたのは、青山のスパイラルガーデンだった。
夫と付き合い初めた頃一緒に見た。多分20年ぐらい前。

その後、目黒区美術館の展覧会で再会した。
この展示では石川直樹氏を初めて認識した覚えがある。これも夫と見た。
この頃は結婚してすぐの頃。17年ぐらい前。まだ20代中頃。

そこから17年。小学校4年生になった次男と一緒に見に行った。(中1の長男は部活のため不在。
家族で揃って

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【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

原美術館が品川にあった頃、その芝生の中庭にいつも大きな新聞紙が鎮座していた。
私が見た三島喜美代作品の最初は、それだと思う。
原美術館が閉館する時、作品はどうなってしまうのか?と思っていたら群馬県のハラミュージアムアークにちゃんと移設された。一安心。

あとは、現代美術館の常設展示室で見かけたりしていたと思う。
やっぱり、面白くてちょっとクスッと笑ってしまうことに惹かれる性分なせいか、作品は作品な

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【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館。
古典、印象派からミニマルアート、カラーフィールド等アメリカの60年〜80年代中心のコレクションが進み、非常に豊かな常設展を形成している。

今年、中学生になった長男が「ここ、行ったことあるよね?」美術資料集を見せてきた。
掲載されていた写真は川村記念美術館のロスコ・ルームの写真。
え、あの部屋が美術資料集に載るのか…?なかなか面白いチョイスだな?資料集とは

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【絶賛、飼育中】テオ・ヤンセン展 千葉県立美術館

【絶賛、飼育中】テオ・ヤンセン展 千葉県立美術館

千葉県立美術館でテオ・ヤンセンの個展が開催されている。(2023年12月現在)

どこかしらで名前を知り、きっと映像作品で見たのかどんな感じの作品かは薄っすら知っていた。
なんだか子供達も好きそうだから、一緒に行く?と誘ったら
「え!テオ・ヤンセン?!知ってる!アレだ!見たい!」
と言われ、なぜ知ってんのかと思ったら、息子2人はガサガサと本棚から「くらべる図鑑(確か科学)」を出してきて「この図鑑に

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【蛙がデカい】特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」東京国立博物館

【蛙がデカい】特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」東京国立博物館

プロローグ
四大絵巻が揃う

今回の平成館の特別展ポスター、敢えてなのかわからないが、まず何が出ているのかぱっと見で分からなかった。
開幕後、ありがたいことにnoteでレビューを見る機会もあり調べると何やらとんでもない事が起きていた。
四大絵巻が全部揃う、という。おやおやこれはちょっとすごい。

と思ったら私より先に歴史好き長男が情報を仕入れてきた。
「教科書に載ってるアレもコレも全部見れる!行こ

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【豪胆と繊細】三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions 千葉市美術館

【豪胆と繊細】三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions 千葉市美術館

※9月10日[日]会期終了です
寄木の仕組みで組み立てられた動物の彫刻たち。
とにかく大きい。その大きさに爽快感のある展示でした。
そして木の香りがする展示室も、「塗りたて」の看板のつく新作の彫刻もとても新鮮だった。

難しいことを考えず彫刻の表面や削った痕跡、着彩の筆跡を追うのも楽しい。

動物たちの周りをぐるぐると回りながら見え方の変わる立体作品の面白さを味わう事ができる。

三沢氏のアトリエ

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【彫刻の今日】富井大裕 今日の彫刻 トルソー或いはチャーハン 栃木県立美術館

【彫刻の今日】富井大裕 今日の彫刻 トルソー或いはチャーハン 栃木県立美術館

もう展示タイトルからして突っ込みたい気持ちが満載なのだがチャーハンはどこからきたんだ。

という訳で我が家では「画鋲の人」でお馴染みの富井大裕氏の個展を見るために栃木県立美術館へ行ってきた。
「画鋲の人」の所以はこちら

【何処となく、考現学的な】

赤瀬川原平さん的要素を感じつつもその違いというのは「意味の剥奪」だろうか。
赤瀬川原平さんが「無用の長物」を路上で見出したのなら、富井さんは路上で造

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【ホックニーの生々流転】 デイヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

【ホックニーの生々流転】 デイヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

楽しみにしていたホックニーの個展。
しかも東京都現代美術館ですから期待も高まる。
見終えた後、あぁ、やはり良いな、楽しい絵だなぁと実感した。
心が暖かくなる展覧会だった。嬉しい。

長い画業の中から、東京都現代美術館の所蔵品とホックニー個人蔵の作品を中心に年代別に提示する展覧会。
一つ一つの取り上げ方はやや浅いですが、

網羅的に見ること
今の作品もしっかり見せること

に注力したのかな、と。

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【なにげないクリスタル】フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン 東京都庭園美術館

【なにげないクリスタル】フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン 東京都庭園美術館

2023年7月2日鑑賞。

庭園美術館の立体作品展示はよく合うなぁと思う。
住居を美術館として利用しているので一つ一つ部屋を訪ねないと作品が見れないわけだが、部屋に足を踏み入れるたびに「おっ!」という作品が待ち受けている。
広いところにドーンと並ぶ展示も圧巻で良いが、このように住空間に展示することでリアリティがあるというか。
もしかしたらこんな風に飾られていたのかも、と思える。

フィンランドのガ

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